第3回問1~問10の解き方

第3回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。問題は試験実施機関よりダウンロードしてご用意ください。

問1.第10次職業能力開発基本計画

 平成28年~平成32年の5年間の人材育成戦略として、厚生労働省が打ち出した基本計画。雇用情勢や雇用関連のニュースにアンテナを張るとともに、資料をダウンロードし、一読しておきましょう。

 第10次職業能力開発基本計画

ア.○ 資料からの出題。【第10次職業能力開発基本計画:P5】

イ.○ 資料からの出題。定形的作業の減少と技術に代替されない職種の需要増加。【第10次職業能力開発基本計画:P5】

ウ.× 我が国では「企業が行う人的資本への投資」が主要国と比較して少ない。【第10次職業能力開発基本計画:P6】

エ.× 情報処理・通信技術者、社会福祉専門職、保健師・助産師、介護サービスなどで就業者割合が増加している。【第10次職業能力開発基本計画:P5】

第3回試験から「適切なものの組み合わせ」を選ばせる出題形式が本問から3問連続でありました。お気を付けください。

問2.労働経済の分析

 すべて平成28年版労働経済の分析(要約)からの出題です。雇用情勢の知識から回答できるものもありますが、今後の出題に備えて是非一読しておきましょう。

 平成28年版労働経済の分析

ア.× 非正規雇用から正規雇用への展開は、2013年以降3年連続で増加している。前半は逆である。【平成28年版労働経済の分析】

イ.× 労働生産性の向上と失業率の上昇は逆相関が認められ、「労働生産性が上昇すると失業者が増加する」という関係は見られない。【平成28年版労働経済の分析】

ウ.○ 学習や訓練に費やす時間が長いほど、産業間労働移動が盛んな傾向がみられる。【平成28年版労働経済の分析】

エ.○ 社会活動を現役時(50~59歳時)に行ったと回答した者の方が、58~67歳時点の就業割合が高く、54~63歳時に能力開発、自己啓発の経験がある方が、1ヵ月の収入額の平均が高い。【平成28年版労働経済の分析】

 楽習ノート+で「労働経済の分析」のチェックポイントを公開しています!

問3.キャリアコンサルティングの役割

 支援の基本姿勢に照らして、正答を導きましょう。なお、キャリアコンサルティング協議会の「キャリアコンサルタント倫理綱領」を一読しておきましょう。

 キャリアコンサルタント倫理綱領

1.× キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと。(職業能力開発促進法第2条第5項)【テキスト1-P17】

2.× どのようなキャリアが相応しいかを伝えることが最優先ではない。「情報を探し、選択し、それを活用するのはクライエント自身である。」【後半は木村先生P299】

3.× 個人面接で行う活動に限定されるわけではない。

4.× 相談者に代わって意思決定することはあり得ない。

問4.キャリアコンサルタントの活動範囲

 支援の基本姿勢に照らして、正答を導きましょう。

1.× 医者ではないため、「病名を告げて」は誤り。精神的疾病の疑いがあるときは、専門機関へ、リファーする。【テキスト4-P118】

2.× キャリアコンサルタントの活動範囲ではない。必要があればファイナンシャルプランナーを紹介するなどする。

3.○ 啓発的経験の支援をすることは、キャリアコンサルタントの重要な役割である。【テキスト5-P59】

4.× クライエントが伝えたいことに対して、専門外を理由に一切関わらないというのは誤り。

問5.キャリアコンサルタントの活動

 常識的にアプローチして正答を導きましょう。

1.× 能動的にキャリア形成の必要性などを発信することも大切な活動である。

2.○ スーパーバイザー等に指導や助言を求めることも、スキルの向上や自身の自己理解を深めるために有効である。【テキスト5-P90】

3.○ クライエントを取り巻く環境には、社会、経済、労働市場、地域社会、会社、家族などがあり、それぞれにかかわりがある。(スーパーのキャリア決定のアーチ)【テキスト5-P41】

4.○ 自分が対応するのが不適切だと判断した場合には、適切な機関を紹介する(リファーする)。【テキスト5-P35】

問6.ハンセンの理論

 2の判断が難しいものの、積極的に3を○にすることができる設問。消去法が厳しいときは、積極的に正解を導き出しましょう。

1.× ハンセンは、スーパーのライフ・キャリア・レインボーの考え方をもとに、人生の4つの役割が統合されるべきとしている。それが労働、愛、学習、余暇の4つのLである。自由ではなく、余暇である。4Lはしっかり覚えておく。【テキスト3-P71】

2.× 情報が少なく出典が見つからないものの、3を積極的に○にできる。

3.○ ハンセンといえば、統合的生涯(人生)設計(統合的ライフ・プランニング)と覚えてしまいましょう。統合的な「キルト」を完成させる。【テキスト3-P73】

4.× 環境の影響をマイクロシステム・メゾシステム・エクソシステム・マクロシステムの4つに分類したのは、ブロンフェンブレナーである。【木村先生P31】、【テキスト2-P89】

 ハンセンの楽習ノートを要チェックです!

問7.職業発達の理論(横断的問題)

 それぞれをマスターしておくのは難しい内容です。積極的に4をバツにできるかどうかが正答を導くカギになるでしょう。

1.○ 著書からそのままの出題。10年以上→生涯にわたるプロセスに修正している。【木村先生P34】

2.○ 著書からそのままの出題。家族の心理的影響、親子の欲求充足のメカニズムがキャリア形成に関係する。【木村先生P29】

3.○ 非常に細かい部分ですが、テキストに記述がありました。【テキスト2-P87】

4.× 好みやコンピテンシーは、時間や経験とともに変化し、自己概念も変化していく。【渡辺先生P28】

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問8.ジェラットの積極的不確実性

 ユニークな理論(個人的には好きなのですが)ですが、よく復習しておきましょう。ジェラッドやクルンボルツは新たな発想、概念を打ち出しています。

1.○ 新たな時代は、予測が通用せず、変化が多く、一貫性が保たれない世の中において、これまでの意思決定のプロセスを訂正した。【テキスト3-P141】

2.× クルンボルツらによる、「プランド・ハップンスタンス」の説明。

3.○ あいまいで不確実なことに対応し、非合理的で直観的な意思決定の方法も活用できるように支援する。【テキスト3-P142】

4.○ 出典が見つからなかったものの、積極的不確実性の説明と考える。

 ジェラットのまとめはこちら。クルンボルツはこちら

問9.中年期のライフ・サイクル

 発達課題を横断的に問う難題。次の問10と同じく、かなり難しい問題です。

1.× ハンセンではなく、「シャイン」のキャリア・サイクルとの段階と課題からの出題。出典からアプローチするの難しい選択肢。【木村先生P64】

2.× シュロスバーグではなく、レビンソンの成人発達理論からの出題。40~45歳にかけての人生半ばの過渡期において、生活構造を修正する。 【テキスト2-P84】

3.○ スーパーのライフステージは、確立期が26歳~45歳、維持期が46歳~65歳とされ、中年期は確立期~維持期にまたがるイメージである。【テキスト3-P17】

4.× エリクソンの漸成的発達図式において、「統合」し「英知」を得るのは「老年期」である。【テキスト2-P81】

 エリクソンは3回連続登場の常連です。楽習ノートはこちらへ。

問10.レビンソンの理論

 この問題は非常に難しく、ズバリの出典が見つからずにサイト情報等を総合して解説を考えました。どうもレビンソンについては、細かい項目まで問われる傾向が顕著です。私でしたら、当たればラッキーの捨て問題として切り捨ててしまうでしょう。

1.× 中年期の課題。

2.× 老年期の課題。

3.× 30歳の過渡期の課題。

4.○ 成人への過渡期における課題。

 本問は厳しい問題ですが、第2回では比較的平易な内容でレビンソンが出題されていました。発達理論のまとめはこちらへ。

参考文献・資料

日本マンパワーキャリアコンサルタント養成講座テキスト

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2007) 

キャリアカウンセリング宮城まり子著(駿河台出版社2002年)

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

厚生労働省

キャリア・コンサルティング協議会