平成30年度能力開発基本調査【2事業所調査:まとめ編】

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力開発基本調査は、大きく分けると、企業調査、事業所調査、個人調査の3つに分けられます。このページでは、事業所調査についてまとめます。事業所調査からは、キャリアコンサルティングの導入、運用に関する設問が特に多いです。

資料を一読の際には、まずは大雑把にイメージを掴み、下記のまとめと別のページの予想問題(会員限定)で知識を固めましょう。(カッコ内の数字は前回の平成29年度調査の数値)

 平成30年度能力開発基本調査

教育訓練の実施に関する事項について

・正社員に対してOFF-JTを実施した事業所は、75.7%(75.4%)である。

・正社員に対するOFF-JT実施の事業所の産業別ランキング

 電気・ガス・熱供給・水道業→97.2%

 金融業、保険業→94.8%

 複合サービス事業→94.4%

平成29年度調査とは2位と3位が入れ替わっている。

逆に、生活関連サービス業・娯楽業、宿泊業・飲食サービス業で低くなっている。

 複合サービス事業には、郵便局や協同組合が該当します。

・正社員以外に対してOFF-JTを実施した事業所は、40.4%(38.6%)であり、正社員に比べると、約半分を超える程度である。【第7回問17】

・実施したOFF-JTの教育訓練機関の種類は、正社員、正社員以外ともに「自社」が最も高い。

・実施したOFF-JTの研修内容ランキング

 新規採用者など初任層を対象とする研修→76.8%

 マネジメント(管理・監督能力などを高める内容)→49.1%

 新たに中堅社員となった者を対象とする研修→48.1%

・計画的なOJTの実施状況(正社員・正社員以外)

  今回 前回
正社員 65.3% 63.3%
正社員以外 28.3% 30.3%

いずれにおいても、企業規模別では規模が大きくなるほど実施率は高い

・計画的なOJTの実施状況(階層別)【第7回問17】

新入社員が55.7%、中堅社員は39.1%、管理職層は21.8%、正社員以外28.3%となっている。

人材育成について

7割を超える事業所において、能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとしている。

・「問題がある」事業所の問題点ランキング

 指導する人材が不足している。→54.4%

 人材を育成しても辞めてしまう。→53.5%

 人材育成を行う時間がない。→47.8%

平成29年度調査とは2位と3位が入れ替わっている。

・人材開発支援助成金の利用状況については、平成30年度調査では記載が無くなりました。

・キャリアアップ助成金の利用状況については、平成30年度調査では記載が無くなりました。

労働者のキャリア形成支援について

キャリアコンサルティングを行うしくみの導入状況

正社員または正社員以外に対してキャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所は、44.5%(38.1%)である。【第10回問1、第11回問17】

 キャリアコンサルティングを行うしくみがあるのは、半数に満たない。

  今回 前回
正社員 44.0 38.1%
正社員以外 28.0 26.6%

平成30年度調査では、いずれも増加している。なお、産業別では金融業・保険業が最も高い。また、企業規模別にみると、企業規模が大きくなるほどしくみを導入している割合が高い。【第7回問17、第10回問1】

キャリアコンサルティングの実施時期

正社員、正社員以外ともに、「労働者から求めがあった時に実施する」が最も高い。【第2回問2】

キャリアコンサルティングを行う目的ランキング

【第2回問2、第5回問3、第10回問1、第11回問17】

 労働者の仕事に対する意識を高め、職場の活性化を図るため。

 労働者の自己啓発を促すため。

 労働者の希望等を踏まえ、人事管理制度を的確に運用するため。

キャリアコンサルティングを行う上での問題がある事業所
  今回 前回
正社員 67.2 55.1%
正社員以外 59.1 50.1%

キャリアコンサルティングを行う上での問題点の内訳ランキング

【第2回問2、第7回問17、第10回問11】

正社員と正社員以外では問題点の順位が異なりますので、お気をつけください。また、正社員では平成29年度との順位の変動があります。

正社員での問題点(順位変動あり)

 労働者がキャリアに関する相談をする時間を確保することが難しい。(前年度3位)

 キャリアに関する相談を行っても、その効果が見えにくい。(前年度2位)

 労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない。(前年度1位)

正社員以外での問題点(順位変動無し)

 労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない。(前年度1位)

 労働者がキャリアに関する相談をする時間を確保することが難しい。(前年度2位)

 キャリアに関する相談を行っても、その効果が見えにくい。(前年度3位)

キャリアコンサルタントの導入状況

【第11回問17】

相談を受けているのが、キャリアコンサルタントであるのは、8.3%である。

 相談者としてのキャリアコンサルタントの導入状況は10%にも満たない。

キャリアコンサルティングを行うしくみを導入していない理由ランキング(正社員、正社員以外両方)

【第2回問2、第11回問17】

 労働者からの希望がない。(前年度1位)

 【新項目】キャリアコンサルタント等相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい。(前年度無し)

 労働者がキャリアに関する相談をする時間を確保することが難しい。(前年度3位)

 「キャリアコンサルタント等相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい」は新しい項目です。私見ですが、具体的な検討をする事業所が増えてきているようにも受け取れます。

ジョブ・カードの認知状況

【第1回問17出題】

内容を含めて知っており活用している→2.8

内容を含めて知っているが活用していない→23.4%

名称は聞いたことがあるが内容は知らない→43.4%

名称を聞いたことがなく、内容も知らない→29.9%

 ジョブ・カードの内容を知らない事業所が、7割を超えているという事実はおさえておきましょう。

労働者の自己啓発に対する支援の実施状況

支援を行っている事業所の割合【第1回問15】

  今回 前回
正社員 82.5 79.5%
正社員以外 55.4 58.2%

支援の内容は、正社員、正社員以外のいずれも、受講料などの金銭的援助が最も多い。

労働者の職業能力評価について

職業能力評価を行っている事業所【第4回問17】

  今回 前回
全体 57.1 データ無し
正社員 56.5 53.6%
正社員以外 40.2% 37.4%

正社員では、金融業、保険業が76.7%、複合サービス事業が71.3%、電気・ガス・熱供給・水道業で66.7%と高い。なお、企業規模別では正社員、正社員以外いずれも規模が大きくなるほど実施率が高い。

・職業能力評価における検定・資格の利用状況ランキング

利用している検定・資格は、国家検定・資格(技能検定を除く)又は公的検定・資格が72.6%で最も多い。

・職業能力評価の活用方法

職業能力評価の活用方法は、「人事考課(賞与、給与、昇格・降格、異動・配置転換等)の判断基準」が最も高い(82.8%)。

・職業能力評価に係る取組の問題点【第4回問17】

職業能力評価に係る取組に問題を感じている事業所は68.9%であり、問題点の内訳は、「全部門・職種で公平な評価項目の設定が難しい」(73.6%)が最も多い。

【新項目】技能検定について

・技能検定の認知状況は、ほぼ半々の状況であり、「知っている(50.5%)」、「知らない(49.0%)」である。

・技能検定の利点、活用方法としては、「労働者の職業意識や職業能力の向上に役立つ(62.8%)」が最も多い。

・技能検定の問題点としては、「試験の準備や受験する時間等の労働者の拘束時間が長い(27.3%)」、「技能検定の試験実施回数や試験地が限られている(26.6%)」「技能検定の対象や試験内容が現場で必要な技能と合っていない(25.7%)」がそれぞれ4分の1程度の割合となっている。

技能の伝承について

・【新項目】技能継承に問題があるとする事業所は78.2%であり、産業別では「製造業(86.5%)」が最も多い。

・技能継承の取組を行っている事業所は84.8%で、取組の内容は、「中途採用を増やしている」(47.8%)、「雇用延長、嘱託による再雇用で指導者として活用している」(40.7%)が4割を超えている。

 問題編(みん合☆プラス会員限定公開)で知識を固めましょう。