第3回問21~問30の解き方

第3回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。問題は試験実施機関よりダウンロードしてご用意ください。

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問21.高齢者への就業支援

 数値の問題は解答が難しいですが、ポイントを押さえておきましょう。非正規雇用者率は60歳を境に急増します。また、継続雇用率は8割を超えているとます。資料としては、高齢社会白書に目を通しておきましょう。【高齢社会白書第1章2節-4

1.× 平成24年度のデータであるものの、60歳~64歳の男性の非正規雇用者率は57.1%、65歳~69歳で74.4%である。ちなみに、55~59歳で14.3%であり、非正規雇用者率は60歳を境に急激に上昇している。【高齢社会白書】

2.○ 継続雇用された人の割合は、60歳定年企業における定年到達者の状況をみると、平成27(2015)年6月1日時点において、過去1年間の定年到達者のうち、継続雇用された人の割合は82.1%となっており、平成24(2012)年と比べて8.4ポイント増加している。【高齢社会白書】

3.× 平成27(2015)年の労働力人口は、6,598万人であり、労働力人口のうち65歳以上の者は744万人(11.3%)である。【高齢社会白書】

4.× 完全失業率は、60歳~64歳よりも65歳以上の方が「低い」。ポイントは、完全失業者の算定方法にあり、完全失業者とは、「就業が可能かつ、就業を希望し仕事を探している人」を言うため、65歳以上になると就業希望者(求職者)も減少し、失業率は低下する背景がある。【高齢社会白書:csv

問22.労働基準法

 労働関連法規をすべてカバーは難しく得点効率からも良くありません。過去問に出題されたものを中心にマスターしましょう。

1.○ 労働基準法第27条の条文からの出題。「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」【労働基準法

2.× 書面で交付しなければならない「絶対的明示事項」は以下の内容である。①労働契約の期間、②就業の場所、③従事する業務の内容、④労働時間、⑤賃金の決定、⑥退職に関する事項。なお、退職金、賞与については「相対的明示事項」とされている。

3.× 労働基準法第89条。「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」【労働基準法

4.× 労働基準法第16条。「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」例えば、入社後に会社に損害を負わせたら100万円を支払う、などの予め賠償を予定することは認められない。【労働基準法

問23.労働契約法

 労働契約法からの出題。選択肢のうち二つは、「いかなる場合も」がカギになっています。試験テクニックとして、この文言には疑ってかかりましょう。

1.× 労働契約法第16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」としており、逆に言えば、合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる場合は有効と解釈することができる。【労働契約法】【テキスト6-P81】

2.× 「いかなる場合でも」は言い過ぎな選択肢。労働契約法第9条~10条。労働者との合意がある場合、また変更が合理的なものであるときは認められる。【労働契約法】【テキスト6-P81】

3.○ 労働契約法第12条「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」 【労働契約法

4.× 「いかなる場合も」は言い過ぎな選択肢だが、労働契約法にも明記されている。労働契約法第14条「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」【労働契約法

問24.雇用保険制度

 雇用保険は、平成29年1月に適用拡大の改訂、さらに今年4月に保険料率の改定があったため注意が必要です。難しい選択肢が多いなか、2の正解を積極的に選択できるかが本問のカギとなりました。

1.× 平成28年度の雇用保険の改訂は、一般、農林水産・清酒製造、建設のいずれの事業の種類においても引き下げが行われた。平成29年度も続けて、いずれの事業の種類においても引き下げが行われた。

2.〇 雇用保険の一般被保険者の要件は、1週間の所定労働時間が20時間であり、かつ、継続して31日以上の雇用の見込みがあることである。【厚生労働省

3.× 65歳以上の労働者については、「一般被保険者」ではなく、「⾼年齢被保険者」として雇⽤保険の適⽤の対象となる。【厚生労働省:PDF

4.× 保険料の徴収は、平成31年度までは免除される。【厚生労働省:PDF

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問25.面談の態度・姿勢

 本問は解きやすい問題でした。こういった問題は落とせません。木村先生の記述を知らなくても、1,2,3を消去できないといけないでしょう。

1.× カウンセリングの目的は、不満・不安、迷い、不安定さの除去や問題行動の修正ではなく、個人のより良い適応と成長、個人の発達を援助することに重点を置く。【木村先生P221】

2.× 意思決定を相談者に代わって行ってはいけない。

3.× 「ひたすら傾聴」は誤り。支援には様々なものがある。

4.○ コンサルテーション、関係者の協力、教育の機能を重視する。【木村先生P222】

問26.カウンセリングアプローチ

 難問ですが、最もシンプルな文章である1が正解。選択肢の難易度が高い場合、正解の選択肢はシンプルな文章になる傾向があるような気がします。

1.○ 国分康孝先生のコーヒーカップ・モデルの段階は、①リレーションづくり、②問題の把握、③問題解決の三段階である。【木村先生P289】

2.× アイビーのマイクロカウンセリングではなく、カーカフのヘルピング技法のことを言っている。【テキスト5-P27、木村先生P285】

3.× 包括的・折衷的アプローチは、感情的、認知的、行動的、発達的アプローチのすべてを取り入れたものであり、問題文のような具体的な技法にはこだわらないものである。【木村先生P282】

4.× システマティックアプローチのプロセスは、①カウンセリングの開始(信頼関係の樹立)、②問題の把握、③目標の設定、④方策の実行、⑤結果の評価、⑥カウンセリングとケースの終了のプロセスをとる。【木村先生P291】

問27.面接技法

 私的には、4は迷いましたが、消去法で3にしました。客観的な判断がやや難しい問題と感じました。

1.× アイコンタクトは大切。メモを取る合間では、アイコンタクトが足りず、クライエントに関心を持っているということが伝わらない恐れがある。

2.× クライエントの内面、内的世界を共感的に応答、理解している姿とは言えない。

3.○ 支持的なフィードバックや励ましは、時に肯定的自己概念の形成に役立つこともある。

4.× 様々なカウンセリング関係のサイトからまとめると、明確化はクライエントが潜在的に気づいていることなどを、カウンセラーが言語にすることである。問題文は明確化ではなく、伝え返しの説明と考えられる。

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問28.カウンセリングアプローチ

 ナラティブ(物語を語る)の意味から、1を積極的に選びたい問題です。

1.○ キャリアを理解するために物語や構成が果たす役割を重視するのがナラティブ。コンサルタントは物語の共著者である。【渡辺先生P203】

2.× 学習とは、経験によって行動が変化することを言う。問題文の内容は、特性因子理論に基づくアプローチである。【テキスト2-P50】、【宮城先生P42】

3.× 来談者中心療法は、相談者と周囲の良好な人間関係の構築を支援するものではなく、自己概念と経験とが一致(自己一致)することを援助する。【木村先生P43】

4.× ゲシュタルト療法は、「今・ここ」での「自覚」や「気づき」を得ることを目的とした心理療法である。【テキスト2-P48】【ゲシュタルト療法学会

問29.精神分析

 1は検索しても見当たらず。こうした問題は判定保留にし、積極的に正解肢を見つけましょう。見つからなければ再検討ですが、あまりこだわり過ぎずにいきましょう。

1.× 右脳を左脳を発見した人は検索を駆使しても見当たらず。

2.× 精神分析療法では、心理検査ではなく、催眠療法を用いる。【テキスト2-P9】

3.× フロイトは、「エス、自我、超自我」の三層からなる心的装置として捉えた。心の三層というと、局所論の「意識、前意識、無意識」もあるので混同しないようにする。【テキスト2-P4】

4.○ 自我は無意識のうちに防衛のメカニズムを持つため、これを明らかにすることで、援助に活用することができる。【テキスト2-P7】

問30.カウンセリング技法

 出典は不明ですが、キャリアコンサルタントとしての常識に照らして解答しましょう。1は微妙な印象も受けます。とはいえ、正解の3には特に異議もありません…。

1.× 私的には△な問題。熟練したカウンセラーの録音、逐語録は学習素材として優れていることに疑いはありませんが、「最も有効」とは言えない、と考えられる。

2.× ケースの検討においては、個人情報への配慮が必要である。必要最小限にとどめ、例えば名前などは仮名などでも差し障りはないだろう。

3.○ クライエント役が成りきっていないと、なかなか良い練習にはならない。ロープレなどでみなさんも経験済でしょう。

4.× スーパーバイザーは実践経験豊富な人が良い。

参考文献・資料

日本マンパワーキャリアコンサルタント養成講座テキスト

キャリアカウンセリング宮城まり子著(駿河台出版社2002年)

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

総務省

厚生労働省

ゲシュタルト療法学会

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