第4回問11~問15の解き方

第4回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.発達課題

 この問題と全く同一の問題が、第16回キャリア・コンサルティング技能検定2級学科試験(問33)において出題されています。この一致は偶然とは思えず、出題の意図に疑問を禁じえません。なお、選択肢の難易度は高く、いずれも明確な出典は現在不明ですが、2を積極的に不適切と判断して正答を導きました。

1.○ アイデンティティの形成、確立のため、役割実験といった試行錯誤が行われる。

2.× 人は社会のなかで多様な役割を担っており、社会化よりも個性化の方が重要とは言い切れない。

3.○ アイデンティティ確立VSアイデンティティ拡散(混乱)が青年期の葛藤であり、結果、忠誠が生まれる。

4.○ マーシャはアイデンティティ形成について、脱構成化、探求と再構成化、強化の3つの段階とした。出典不明だが、今後のために押さえておく。

問12.リハビリテーション・カウンセリング

 リハビリテーション・カウンセリングは初めての出題です。理論家対策でお馴染みの渡辺先生の監修した書籍もあり、カウンセリングの大きな一つの領域といえますが、本問は支援の基本姿勢から正答を導くこともできますので、肩の力を抜いて対応しましょう。

リハビリテーションカウンセリング研究会」のサイトにおいて、定義の記載がありましたので引用しておきます。

リハビリテーションカウンセリングとは、身体障害、知的障害、発達障害、認知障害、情緒障害のある人の個人的な目標や、職業及び自立生活における目標を、最も統合化された場で達成するために体系化された支援過程のことである。このカウンセリング過程とは、本人自身による権利擁護の促進や、心理学的・職業的・行動学的な介入を通じて、コミュニケーション、目標設定、望ましい発達や変化を促すものである。リハビリテーションカウンセリング研究会

1.× 「優先順位の高いものだけに焦点を当て」は不適切。このような言い切り型、オンリーな表現には特に注意する。

2.○ 支援の姿勢として問題はない。 

3.○ 支援の姿勢として問題はない。

4.○ 支援の姿勢として問題はない。

試験対策上、必読ではありませんが、リハビリテーション・カウンセリングの領域に特に興味のある方には、こちらの書籍を紹介しておきます。

問13.労働経済の分析

 問2に続き、平成28年版労働経済の分析からの出題です。××万人であった、という数値や正確な%ををマスターするのは非常に困難ですが、3の高齢者が非正規雇用の職に就いた理由はイメージ付けをしっかりとしておきたいところです。

1.○ その通り。「2015 年の完全失業者数 218 万人のうち、希望する内容の仕事が ない、技術・技能が求人要件に満たないなど、求人条件と求職希望が合わないことにより仕事 に就けない者は 153 万人いる。」【労働経済の分析P129】 

2.○ その通り。「非労働力人口で就業を希望する 者(仕事をしたいと思っていながら、仕事を探していない)について、非求職の理由をみてみ ると、「適当な仕事がありそうにない」が 121 万人」【労働経済の分析P129】 

3.× 自分の都合のよい時間に働きたいから、が最も多い。「非正規雇用労働者が雇用形態に就いた理由をみると、第3-(2)- 11 図のとおり、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も高く、60~64 歳、65~69 歳、 70 歳以上層がそれぞれ 24.1%、30.8%、33.7%となっており、各年齢層で最も多くなっている。」【労働経済の分析P146】

4.○ その通り。「男性有業者 763 万人のうち、「この仕事を続けたい」と回答した者は、621 万人 と 81.4%を占め、また、女性有業者 505 万人のうち、「この仕事を続けたい」と回答した者は、 407 万人と 80.8%を占めるなど、就業継続の希望は男女でそれほど大きな違いはみられない。」【労働経済の分析P149】

今後の出題に備え、平成28年版労働経済の分析P147の表をじっくりと見ておきましょう

(労働経済の分析P147より)

 

問14.発達障害を持つ人の就労支援

 発達障害という用語自体は、第1回試験でも出題されています。本問は復職支援における基本姿勢に照らして常識的にアプローチしましょう。なお、メンタルヘルス全般の基礎知識(症状や治療等)を整理する際には、厚生労働省のサイト「みんなのメンタルヘルス」がとてもオススメです。

1.× 発達障害は、表面的な印象で判断することはできない。

2.× 症状は多様であり、一概には言えないが、発達障害の一つである学習障害(LD)の場合には、「計算が困難な場合は絵を使って視覚化するなどのそれぞれに応じた工夫が必要」とあり、言語的な説明を多用することが適切とは言えない。

3.× ナチュラル・サポートは、障害のある人の就労継続のために必要な支援を上司や同僚等が職場等において行うことであり、一定程度の「緑化」という問題ではない。

4.○ 職場復帰の際の支援の基本姿勢に照らし、問題はない。

本問の出典ではないが、職場復帰支援の手引きには目を通しておきましょう。

 (改訂)心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き

問15.若年者雇用実態調査

 この調査からの出題は初めてであり、正誤判定も難しい問題でした。今後のために、目を通しておく必要はあるでしょう。

 平成25年若年者雇用実態調査

1.○ 在学していない若年労働者のうち「3年未満」で初めて勤務した会社をやめた者の割合をみると、男が 62.8%、女が 61.8%となっており、雇用形態別には、正社員で 60.3%、正社員以外の労働者では 64.2%となっている。【若年者雇用実態調査P20】

2.× 若年正社員が現在の会社から「定年前に転職したいと思っている」割合は 25.7%、「転職したいと思っていない」割合は32.5%となっている。【若年者雇用実態調査P22】

3.× 最も満足度が低いのは、正社員、正社員以外ともに「賃金」である。【若年者雇用実態調査P25】

4.× 若年正社員については、「長期的な教育訓練等で人材 を育成」する事業所割合が 51.7%と最も高く、正社員以外の若年労働者については、「短期的に 研修等で人材を育成」する事業所割合が 38.3%と最も高くなっている。【若年者雇用実態調査P8】

参考文献・資料

厚生労働省

みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)

リハビリテーションカウンセリング研究会