【技能検定】第32回問41~問45の解き方
第32回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。
目次
問41.仕事の理解の支援
【A】職業情報に関するサイトで、利用できること(利用できないこと)に関する横断的な問題です。知らなかったことがあれば、確認しておきましょう。
正答:4
1.○:マイジョブ・カードでは、オンライン上でジョブ・カードを作成・管理ができ、マイナポータル経由でログインができる。【マイジョブ・カード】
2.○:マイジョブ・カードは、ハローワークインターネットサービスや職業情報提供サイトと連携しており、登録した求職情報を連携して活用できる。【厚生労働省】
3.○:職業情報提供サイトの内容として適切である。【職業情報提供サイト】なお、令和6年3月現在、531の職業が掲載されている。【職業情報提供サイト(FAQ)】
4.×:マイジョブ・カードで可能な自己診断は以下である。
・興味診断(ホランドのRIASEC)
・スキルチェック(対人、対物などの志向性)
・価値観診断(キャリアアンカーのようなもの)
厚生労働省編職業適性検査(GATB)には対応していない。【マイジョブ・カード】
なお、厚生労働省編職業適性検査(GATB)は器具検査もあり、これまでには、オンライン上での受検に対応していない。
問42.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動
【A】以前のキャリア形成・学び直し支援センターは、2024年4月にキャリア形成・リスキリング支援センター/相談コーナーへ改称されました。
正答:1
1.×:ジョブカードを活用したキャリアコンサルティングは、在職労働者と求職者に対して行っており、学生に対しては行っていない。また、職業紹介は実施していない。【キャリア形成リスキリング推進事業】
2.○:セルフ・キャリアドックの内容として適切である。【厚生労働省】
3.○:グッドキャリア企業アワードの内容として適切である。【厚生労働省】
4.○:マナパスは社会人の大学等での学びを応援するサイトであり、講座情報を検索することができる。文部科学省が主体となって運営している。【マナパス】
また、マナビDXは、デジタル知識・スキルが身につく「学びの場」として、講座情報を検索することができる。経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が運営している。【マナビDX】
問43.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動
【A】キャリア形成支援に関する施策の横断的な問題で、正答選択肢を選ぶのは比較的容易でした。ダイバーシティ1.0という呼び方、位置づけは確認しておきましょう。
正答:1
1.○:治療と仕事の両立支援は、私傷病である疾病に関わるものであることから、労働者本人から支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組むことが基本となる。【事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインP3:PDF】
2.×:ハローワークでは「就職氷河期世代専門窓口」を設けるなどの支援を行っているが、公的機関への就職促進を中心に行っているわけではない。【厚生労働省】
3.×:企業の経営課題と十分に紐付けられ、大きな成果を挙げているとはいえない。
ダイバーシティ(1.0)への取組について、次のような指摘がある。
ダイバーシティへの取組の初期段階、つまりダイバーシティ1.0では、まず社会や政府から女性活用を求められていることへ受け身的に対応し、形式的に整え、特別扱いとして継続する。
その結果、取組としては一部の施策にとどまり、全社的な動きにまでは至らず、経営課題に紐づかない悪循環に陥る。
【経済産業省】
4.×:くるみん認定を受けることができるのは、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」の策定・届出、外部への公表や労働者への周知を行っている企業で、計画に定めた目標を達成するなど、一定の基準を満たした企業である。
それは、大企業に限定されるものではない。
なお、「一般事業主行動計画」は、常時雇用する労働者が101人以上の企業には義務付けられているが、100人以下の企業には努力義務であり、小規模な企業でも策定できる。【厚生労働省:PDF】
問44.環境への働きかけの認識及び実践
【A】セルフ・キャリアドックに関する事例問題です。資料に根拠を見出せますが、支援の基本姿勢からもアプローチしましょう。
正答:3
1.○:職場復帰に関する直近のプロセスだけでなく、復帰後の中長期的な視点に立った、ライフキャリア作りの支援の相談にのることも重要である。【P5】
2.○:法令違反やハラスメントなどの企業側が組織的に対応すべき内容があれば、原則として本人の同意を得た上で企業側に伝える。【P14】
3.×:不適切な点が二点ある。
まず、イニシャルでは個人が特定されるおそれがある点、そして全体報告書に個別のキャリア意識や課題、解決策を盛り込む点は不適切である。
盛り込むのは、全体的な傾向や課題、解決策である。
全体報告書には、個別の従業員が特定されないよう配慮した上で、面談対象者全体のキャリア意識の傾向や組織的な課題、及びその課題に対する解決策(提案)を盛り込む。【P14】
4.○:対象従業員やその上司などに対して、キャリア意識や仕事ぶりの変化を定期的にモニターし、追加的な面談や、翌年の面談で結果を話し合うとよい。【P25】
問45.環境への働きかけの認識及び実践
【A】選択肢1の「いかなる場合」や選択肢2の「拙速な表現」には気をつけましょう。
正答:4
1.×:「いかなる場合」に気をつける。家族や同僚に知られなくない場合や、家族や同僚がその問題の当事者の場合もあり、必要性の検討と相談者への相談、了解が必要である。
2.×:「拙速な表現」に気をつける。経営トップの支援や理解は大切であり、率先して導入を図るのは不適切である。
3.×:個人情報やプライバシー保護に留意し、社内関係者への報告の必要性がある場合には、相談者の了解を得た上で行う。
キャリアコンサルタント倫理綱領(令和6年改正)には次のような記載がある。
第12条
組織と契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者と組織との利益相反等を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織に対し、問題の報告・指摘・改善提案等の調整に努めなければならない。
4.○:ワーク・ライフ・バランスの実践の必要性がある場合には、環境への働きかけとして適切である。