第7回問26~問30の解き方

第7回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問26.労働関係法令及び社会保障制度の知識

 妊娠、出産、育児について、細かな規定等も問われた難しい問題です。選択肢2の「使用者」に気づけるかどうかがポイントでした。

1.○:「妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。」【男女雇用機会均等法第9条の4

2.×:支障がないと判断するのは使用者ではなく、医師。「使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。」【労働基準法第65条の2

3.○:「生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。」【労働基準法第67条

4.○:出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産の際に申請すると1児につき42万円が支給される。【協会けんぽ

問27.労働関係法令及び社会保障制度の知識

 平成27年労働者派遣法の改正に関する出題です。今後の出題も予想されます。厚生労働省の下記のリーフレットを一読しましょう。

 派遣で働く皆様へ

1.×:雇用安定措置の実施は、「派遣元での無期雇用」に限定するものではなく、派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、派遣元事業主による無期雇用、その他雇用の安定を図るために必要な措置のいずれかを講じなければならない。

2.○:キャリアアップ措置の実施に関する文章。

3.×:2年ではなく3年である。派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴く必要がある。

4.×:派遣元で無期雇用されている派遣労働者と60歳以上の派遣労働者は例外として期間制限はない。

問28.カウンセリングの技能・知識

 交流分析は、アメリカの精神科医バーンによって開発された対人援助の理論と技法の体系。以前には交流分析の4つの分析が出題されたことがあります。なお、交流分析の内容はジル資料に詳しいです。[第4回問28]

1.○:親の自我状態は過去に自身の親から取り入れたものである。【ジルP108】

2.○:大人の自我状態とは事実に基づいて冷静に物事を判断する自我状態である。【ジルP108】

3.○:子どもの自我状態には、両親のしつけの影響を受けていない、感情的、衝動的、自己中心的な自由な子どもの状態と、両親のしつけの影響を受けた部分で、両親の期待に沿った行動をする順応した子どもの状態がある。【ジルP108】

4.○:「これらの自我状態への心的エ ネルギーの分配状況をグラフにして表すのが後述するエゴグラムである。」【ジルP108】

問29.カウンセリングの技能・知識

 カウンセリングの諸理論に関する深い理解を問う内容となっています。直接の出典は不明ですが、理論の骨格を詳しく紐解いていく必要のある難しい問題です。

1.×:パーソンズは職業相談の祖と呼ばれ、1909年「職業の選択」を記し、特性・因子理論の原型を作っている。後半の文章に違和感を感じ、キャリアの責任の所在が組織から個人に移行するのは現代、昨今のことである。【木村先生P23】

2.×:直接の出典が不明なものの、「階層的な専門職と官僚的な組織の中でキャリアの階段」という表現からは、シャインの組織の三次元モデル(キャリア・コーン)を思わせる。

3.×:直接の出典が不明なものの、個人(パーソナリティ)と環境との適合というキーワードは、ホランドを思わせる。

4.○:サビカスといえば、キャリア構築理論。転職等のトランジションを乗り越えていくためのレディネス、リソースがキャリアアダプタビリティであり、文章に不自然さはない。

問30.カウンセリングの技能・知識

 馴染みの薄い研究者や理論が並んでおり、各選択肢の難易度は高いものの、論理療法はしっかりと押さえておく必要がある。文章に違和感もなく、他の選択肢に惑わされずに積極的に選択したい問題です。

1.×:スキナーはオペラント条件付けで有名。文章は認知行動的アプローチ(療法)の説明と捉えているがどうか。ヒントが少なく出典等の詳細は不明。

2.×:アドラー心理学では「皆に認められ自分で自分を認められること」(共同体感覚)を幸せとみなす。【ジルP106】

3.○:エリスは論理療法を提唱。論理療法の目的は、「非合理的な信念を現実的で論理的な信念に変えること」である。【宮城先生P131】

4.×:認知のゆがみを低減しようとするのは認知療法である。なお、スキーマ(であるべきだ)と自動思考の過程に作用しているのが「認知のゆがみ」である。【宮城先生P133】バーンの交流分析はエゴグラムなどの心理検査を利用して自己理解を深めるものである。【ジルP108】

宮城先生の「キャリアカウンセリング」は理論家や諸理論について、とてもわかりやすく書かれており、管理人は時折読み返しては読むたびに理解を深めています。試験の出典資料としては、木村先生、渡辺先生、岡田先生が多いものの、キャリア理論入門書として特にオススメの一冊です。

参考文献・資料

男女雇用機会均等法

労働基準法

協会けんぽ

派遣で働く皆様へ

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

キャリアカウンセリング宮城まり子著(駿河台出版社2002年)

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全50問の目次