【技能検定】第23回問26~問30の解き方

第23回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問26.ライフステージ、発達課題に関する理解

 シャインの「キャリアサイクルの段階と課題」からの出題です。木村先生の著書に詳しい段階の図表がありますが、9つの段階があります。

1.×:8段階目の「衰え及び離脱」の段階の課題である。【木村先生P65】

2.○:選択肢の文章は、木村先生の著書での記述とは若干異なるが、「高度の政治的状況を処理することを学ぶ」段階とある。なお、指導者役にあるキャリア後期は7段階目である。【木村先生P65】

3.×:5段階目の「正社員資格、キャリア中期」の課題である。【木村先生P64】

4.×:7段階目の「非指導者役にあるキャリア後期」の課題である。【木村先生P65】

9つの段階をおさらいします。①成長、空想、探究→②仕事の世界へのエントリー→③基本調練→④キャリア初期の正社員資格→⑤正社員資格、キャリア中期→⑥キャリア中期の危機→⑦非指導者役にあるキャリア後期/指導者役にあるキャリア後期→⑧衰え及び離脱→⑨引退

問27.ライフステージ、発達課題に関する理解

 生涯発達心理学の視点からの大変難しい問題です。出典も不明であり、「捨て問題」でやむを得ないでしょう。

1.×:自らの個としてのアイデンティティのみならず、社会、組織における役割期待などの関係性に基づくアイデンティティも重視する。

2.○:生涯発達の分類としての熟達モデルは岡田先生の著書(P77)に紹介されているが、20歳過ぎには機能の基礎が出来、その後発達し続けるとするモデルである。認知機能は加齢により徐々に低下するため、それに対処することが求められる。

3.○:マニュアルにはないような状況が発生したときに、それに対応する判断ができる能力を実践知と呼び、それには経験や勘に基づく知識である暗黙知が含まれる。

4.○:加齢による衰えへの対処として、バルテスは「補償をともなう選択的最適化」を提唱した。参考サイトの例がわかりやすいので紹介しておく。【三井住友信託銀行

問28.転機に関する理解

 転機に関連する理論家の人名とキーワードを結びつける問題です。必ず獲得したい問題です。

1.○:ブリッジズは、転機の始まりは、何かが始まるときではなく終わるときであるとした。【渡辺先生P194】

2.×:シュロスバーグの4Sは、Situation(状況)、Self(自己)、Support(周囲の援助)、Strategies(戦略)である。【渡辺先生P193】

3.×:転機には「予測していた転機」、「予測していなかった転機」、「期待していたものが起こらなかった転機」の 3つがあると考えたのは、シュロスバーグである。【渡辺先生P193】

4.×:渡辺先生の著書のスーパーのライフ・ステージの記述と思われる。それぞれの発達課題の間には、移行期(Transition)があるとし、そいの移行期にはミニ・サイクルが含まれている。ミニ・サイクルには新たな成長、再探索、再確立といった再循環(リサイクル)が含まれる。【渡辺先生P45】

問29.転機に関する理解

 選択肢3のニコルソンのみ馴染みがあまりないかもしれませんが、正解選択肢の判断は比較的易しい問題でした。

1.×:過渡期には、安定の基盤となる生活構造を修正しなければならなくなる時期であり、ライフサイクルに影響を及ぼす。【岡田先生P78】

2.×:想定外の出来事がキャリアに影響を及ぼすことは普通であり、当然のことであり、さらに望ましいことであるとしている。【渡辺先生P146】

3.×:準備→遭遇→適応→安定化のサイクルを提唱したのは、ニコルソンである。【二村先生P29】

個と組織を生かすキャリア発達の心理学二村英幸著(金子書房)

キャリア発達理論の参考書として、比較的読みやすいおすすめの一冊です。

4.○:どんな転機でも、それを見定め、点検し、受け止めるプロセスを通じて乗り越えていくことができるとしている。【渡辺先生P193】

問30.相談者の類型的・個人的特性に関する理解

 リハビリテーション・カウンセリングは国家試験でも何度か出題されていますが、支援の基本姿勢からアプローチしましょう。[国家第4回問12、第8回問14、第9回問15、第10回問15、第16回問32]

あまり適切な参考サイトが無い(無くなってしまった)のですが、かつてあったサイトに掲載されていた、リハビリテーション・カウンセリングの定義を引用して掲載いたします。

リハビリテーションカウンセリングの定義
「リハビリテーションカウンセリングとは、身体障害、知的障害、発達障害、認知障害、情緒障害のある人の個人的な目標や、職業及び自立生活における目標を、最も統合化された場で達成するために体系化された支援過程のことである。このカウンセリング過程とは、本人自身による権利擁護の促進や、心理学的・職業的・行動学的な介入を通じて、コミュニケーション、目標設定、望ましい発達や変化を促すものである。」
(2003年Commission for Rehailitation Counselor Certification 全米リハビリテーションカウンセラー認定委員会による定義:八重田訳2008.05.31)

1.○:無理をして環境に合わせるのではなく、環境を変えることで障害があっても生活しやすい社会を目指すことは適切である。なお、本選択肢は国家試験の第10回問15と同様の選択肢である。

2.×:「リハビリテーション・カウンセラーが主導して」は不適切である。なお、本選択肢は国家試験の第10回問15とほぼ同様の選択肢である。

3.○:障害のある人自身が「主体的に自己を主張」することも大切である。なお、本選択肢は国家試験の第10回問15とほぼ同様の選択肢である。

4.○:自分の力で生きていけるように力を与えることは、リハビリテーション・カウンセリングの方向性、目的として適切である。

参考文献・資料

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年)

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

三井住友信託銀行

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

個と組織を生かすキャリア発達の心理学二村英幸著(金子書房)

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