3)社会的学習理論アプローチ

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キャリアコンサルティングの理論①キャリアに関する理論
3)社会的学習理論アプローチ

職業選択は、「学習の結果」であるとする立場であり、外的な刺激→強化による社会的学習のプロセスと捉えます。主な理論家は、バンデューラとクランボルツ(クルンボルツ)です。

学習=経験によって新しい行動や、これまでとは異なる行動ができるようになる。

Q1.社会的学習における、直接経験による学習とは、パブロフのオペラント条件付けの考え方に基づくものである。

A1.×:オペラント条件付けはパブロフではなくスキナー。パプロフはレスポンデント(条件反射)条件付けである。【渡辺先生P73】

パブロフ=レスポンデント条件付け、スキナー=オペラント条件付けを覚えていない方は、今日、覚えてしまいましょう。

Q2.強化子とは、反応を増加させる機能をもつ刺激のことであり、正の強化子、負の強化子がある。

A2.○:正の強化子は、反応の後にそれが続くことにより反応が増加する刺激であり、負の強化子は反応の後にそれが消去したりする刺激である。(渡辺先生P73)

Q3.バンデューラは、自己効力を育てるためには、「遂行行動の達成(個人的達成)」、「代理経験(代理学習)」、「言語的説得(社会的説得」、「情動喚起(情動的覚醒)」の4つの方法があるとした。(第2回問8類題)

A3.○:自己効力感は問題文に記述の4つの情報源に基づいている。(渡辺先生P77)

Q4.社会的学習理論は、スーパーにより提唱されたものである。

A4.×:社会的学習理論はバンデューラにより提唱されたものである。(渡辺先生P72)

Q5.クランボルツ(クルンボルツ)は、キャリア開発と職業選択に影響を与えるものとして、先天的資質、環境条件、信念、肯定的自己概念の4つをあげている。(第2回問8類題)

A5.×:先天的資質、環境条件、学習経験、課題に対するアプローチスキルの4つをあげている。

Q6.社会的学習理論とは、実際の学習経験によって職業行動を説明するものである。

A6.○:ただし実際には、未学習や誤った信念や思い込みが、職業選択を困難にしていることが多い。【木村先生P26】

Q7.クランボルツ(クルンボルツ)は、キャリアにおいて大切なことは、予期せぬ出来事を回避することであるとしている。

A7.×:むしろそれを積極的に創り出すことであり、それを意欲的に活かすことである、としている。【宮城先生P80】

Q8.ホールは、キャリア形成の一つの要因として、「計画された偶発性」の概念を提唱している。

A8.×:「計画された偶発性(Planned Happenstance)」を提唱したのはクランボルツ(クルンボルツ)である。【宮城先生P79】

Q9.バンデューラは、モデリングによる学習の過程には、注意過程、保持過程、運動再生過程、動機づけ過程の4過程があると提唱している。

A9.○:社会的学習理論による観察学習の過程である。【渡辺先生P75】

Q10:クランボルツ(クルンボルツ)は、クライエントの問題点として、クライエントはキャリア選択において新しい選択肢を選びがちであるという傾向があるとした。

A10.×:新しい選択肢を避けがちであり、自分が慣れており、不安の少ない選択をする傾向があるとした。なお、それらに対するカウンセラーの課題もあげている。【宮城先生P78】

(全10問)

宮城先生の著書では、クランボルツ(クルンボルツ)先生が指摘する、クライエントの問題点とそれに対するカウンセラーの課題を紹介していますが、私もカウンセリングの際には日々「あ、それ…、あるある~。」という点が多くて、非常に勉強になります。私自身は偶発性のキャリア選択が多いような気がして共感です。

参考文献・資料

キャリアカウンセリング宮城まり子著(駿河台出版社2002年)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2007) 

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)