【技能検定1級】第12回問16~問20の解き方

第12回キャリアコンサルティング技能検定1級学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問16.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【B】労働時間の考え方、捉え方に関する横断的な問題です。知らなかったものがあれば、インプットしておきましょう。

正答:5

1.×:休憩時間は労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければならない。従って、このような待機時間等のいわゆる手待時間は休憩に含まれない。【厚生労働省

2.×:坑内労働では、労働者が坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。【労働基準法第三十八条

3.×:労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、危険作業への従事のために保護着に着替えるのは、指揮、命令を受けてであり、労働時間とみなされる。なお、着替え時間に関する、明確な法律上の規定はない。

また、自宅から制服等を来て通勤ができるような場合には、その着替え時間は原則として労働時間に該当しない。

4.×:労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は、労働時間に該当する。

そのため、上司から参加を求められ、業務上必要である休日の社外の研修は、労働時間に該当する。

労働時間の考え方に関する、厚生労働省の資料があり、選択肢5についても触れている。【厚生労働省:PDF

5.○:直行直帰・出張に伴う移動時間について、移動中に業務の指示を受けず、業務に従事することもなく、移動手段の指示も受けず、自由な利用が保障されているような場合には、労働時間に該当しない。【厚生労働省:PDF

問17.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【A】労働時間規制に関する基本的な問題です。フレックスタイム制の清算期間は、法改正がありましたので、注意しましょう。

正答:5

1.×:臨時的な特別の事情がある場合には、例外として上限を超える残業が認められる。【厚生労働省

2.×:清算期間とは、フレックスタイム制において労働者が労働すべき時間を定める期間のことで、2019年の法改正によって、清算期間の上限が、それまでの「1か月」から「3か月」へ延長された。【フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き:PDF

3.×:労使委員会による決議、所轄労働基準監督署長への決議の届出、労働者本人の同意等の手続が必要である。【高度プロフェッショナル制度の概要:PDF

4.×:勤務間インターバル制度の導入は企業の努力義務である。【厚生労働省

5.○:労働基準法において、労働者が企業に雇用される形での副業・兼業を行った場合、労働時間を通算する。【副業・兼業における労働時間の通算についてP1:PDF

問18.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識

【B】具体的な判例のあるケースからの出題もあり、難易度は高い内容ですが、「必ず」や「いかなる場合」といった表現に注意しましょう。

正答:1

1.○:配転命令が権利の濫用と判断されるのは、①配転命令に業務上の必要性が存在しない場合、または、業務上の必要性が存在する場合でも、②他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき、もしくは、③労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるときである。

この場合、③の可能性がある。

2.×:「必ず」は不適切である。

就業規則に業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることができる旨の定めがあり、勤務地や職種を限定する合意がない場合には、企業は労働者の同意なしに転勤や配置転換を命じることができるとしている。

ただし、配転命令権は無制約に行使できるものではなく濫用することは許されないとしている。【厚生労働省:PDF

3.×:「いかなる場合も」は不適切である。

アナウンサーとしての業務以外の職種には一切就かせないという趣旨の職種限定の合意が成立したものと認められる場合を除いては、業務運営上必要がある場合には、その必要に応じ、個別的同意なしに職種の変更を命令する権限が、会社に留保されているものと解するのが相当である、としている。【厚生労働省P4:PDF

4.×:一般的には、「出向」は出向元との労働契約を維持しつつ、相当期間、出向先の指揮命令の下で就労することを言う。

また、出向元企業との間の労働契約を終了させて、新たに出向先企業との間で労働契約関係を結ぶことは、「転籍」と言われる。

なお、前者を在籍型出向、後者を移籍型出向と呼ぶ場合もあるため注意が必要である。

5.×:労働契約法では、配転ではなく出向に関する規定として、「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」としている。【労働契約法第十四条

配転(配置転換)については、就業規則や雇用契約書等に規定されていることが多い。

問19.学校教育制度及びキャリア教育の知識

【A】あらかじめ対策できる資料ではないものの、その表現から、仲間はずれを探しましょう。なお、高等学校学習指導要領において、キャリアカウンセリングの機会の確保は記載されていません。

高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説総則編

正答:1

1.×:キャリアカウンセリングの機会の確保は、記載されていない。また、「優先して」も不自然である。

キャリア教育は、生徒に将来の生活や社会、職業などとの関連を意識させ、キャリア発達を促すものであることから、その実施に当たっては、就業体験活動や社会人講話などの機会の確保が不可欠である。【P150】

2.○:記載の通りである。【P149】

3.○:記載の通りである。【P149】

4.○:記載の通りである。【P150】

5.○:記載の通りである。【P150】

問20.学校教育制度及びキャリア教育の知識

【C】学習指導要領は、ほぼ10年ごとに改訂されており、それを知っていれば選択肢は2つまで絞れますが、他の箇所も、なかなか選択が難しい問題でした。

正答:1(A.教育課程(カリキュラム) B.10 C.「生きる力」)

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるよう、文部科学省が定めている「A.教育課程(カリキュラム)」の基準です。およそ「B.10」年に一度、改訂しています。
子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。これまで大切にされてきた、子供たちに「C.『生きる力』」を育む、という目標は、これからも変わることはありません。一方で、社会の変化を見据え、新たな学びへと進化を目指します。【文部科学省

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