第29回問11~問15の解き方
第29回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問11.カウンセリングに関する理論
【B】精神分析の逆転移については、これまでにあまり出題されていませんが、最近の試験では第25回問9で出題されています。
正答:4
1.×:これは無意識に抑圧していた感情や記憶を「意識化」することである。【ジルP102】
2.×:これは「転移」である。
転移とは、過去に重要な他者との間で生じさせた欲求、感情、葛藤、対人関係パターンなどを、別の者(カウンセラーなど)に対して向ける非現実的態度のことである。【参考サイト:心理学用語集サイコタム】
3.×:これは「自由連想法」の内容である。
自由連想法は、無意識の模索のため、クライエントに心に浮かぶことを語らせて、無意識を意識化させるための技法である。【参考サイト:心理学用語の学習】
4.○:「逆転移」の内容として適切である。
カウンセラー自身が、重要な他者との間で生じさせた欲求、感情、葛藤、対人関係パターンなどを、クライエントに対して向ける態度のことである。【参考サイト:心理学用語集サイコタム】
問12.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
【B】教育訓練給付金は3回連続での出題ですが(第27回問17、第28回問15)、今回はやや深い内容が出題されました。楽習ノートプラスで対策をしておきましょう。
正答:4
1.×:内閣総理大臣ではなく、厚生労働大臣である。【厚生労働省】
2.×:2024年10月の改正により、2~8割となった。
専門実践教育訓練は最大80%、特定一般教育訓練は最大50%、一般教育訓練は20%である。【厚生労働省】
3.×:専門職大学院等での修士、博士課程なども対象となる。【厚生労働省】
4.○:失業状態にある人が、昼間の専門実践教育訓練を受講する場合、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば雇用保険の基本手当の日額の60%に相当する額が、教育訓練支援給付金として支給される(令和8年度末までの暫定措置)。【ハローワークインターネットサービス】
問13.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
【A】不適切な選択肢を選択することは容易な問題でした。セルフ・キャリアドックの目的、趣旨に照らして正誤判断をしましょう。
正答:4
1.×:「のみ」には注意する。
セルフ・キャリアドックは、新入社員のみを対象としているわけではなく、ベテラン社員や管理職にも適用される。
2.×:短期的な業績向上を目的としているのではなく、むしろ、長期的なキャリア形成を重視する。
3.×:セルフ・キャリアドックは、人事評価のために行うものではない。
4.○:セルフ・キャリアドックの目的として適切である。
問14.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
【A】こちらも、不適切な選択肢を選択することは容易な問題でした。職場における学び・学び直し促進ガイドラインの目的、趣旨に照らして判断しましょう。
正答:2
1.○:労使の「協働」した取組が必要であり、自律性・主体性を強調することが、学び全体の後退や個々人の学びへの取組の差へとつながることのないようにしていくことが重要である。【P4】
2.×:「○○していれば××」の表現には注意する。
労働者個々人には、自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直しに積極的に取り
組むことが求められる。【P2】
3.○:企業には職務に必要な能力 ・スキルを習得するための効果的な教育訓練プログラムや教育訓練機会の確保が求められる。【P5】
4.○:職業能力評価基準は、役割明確化と合わせた、職務に必要な能力・スキル等の明確化や、学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせ、共有に役立つ。
また、ジョブ・カードは、学ぶ意欲の向上に向けた節目ごとのキャリアの棚卸しや、学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせ、共有に役立つ。【P21】
問15.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
【A】2021年に策定された第11次職業能力開発基本計画は、最終年度となりましたが、出題がありました。今年度中は出題があると捉えておいた方が良いでしょう。
正答:1
1.×:「よりも」表現には注意する。
業界団体等との連携の下、職業ごとにレベルに応じて業界内共通で必要とされる職業能力を整理した職業能力評価基準を整備し、企業の実情に応じた活用を促してきたが、今後は技術の進展も踏まえた見直しや、活用事例の幅広い周知など、更なる普及・促進に取り組む。【27ページ目】
(参考)第11次職業能力開発基本計画の策定時には、まだ提案されていなかったが、現在、政府が推し進めている、三位一体の労働市場改革では、ジョブ型人事(職務給)の導入が一つの柱となっている。
ジョブ型人事(職務給)の導入にあたっては、企業独自ではなく、ある程度、業界や職種を横断した評価基準の必要性が増すと考えられる。
2.○:IT人材の育成強化が基本的施策の一番目に位置づけられている。【11ページ目】
3.○:労働者は、日々の業務を通じて職業能力の向上を図るとともに、企業任せにするのではなく、若年期から自身の職業能力開発の必要性を継続的に意識しながら、時代のニーズに即したリスキリングやスキルアップを図っていく必要がある。【16ページ目】
4.○:個々の特性やニーズに応じた支援策として、非正規雇用労働者、女性、若者、高齢者、障害者、外国人など多様な人々に対する職業能力開発支援が含まれている。【30ページ目】