2-5動機づけ(職務満足・職業適応)理論【テキスト編】
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テキスト&一問一答(第4版)P56~P61
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動機づけ理論は、人はなぜ働くのか、モチベーションの源はどこにあるのかを探求します。お金のため、生活のためはもちろんのことですが、それだけではなく、内面的な欲求や満足の影響もありそうです。理論家ごとに特徴を確認しましょう。
時系列で確認する理論家と理論
1943年、5段階の欲求階層説を提唱したのは、マズロー。
1960年、X理論とY理論の人間観を提唱したのは、マクレガー。
1961年、達成動機理論を提唱したのは、マクレランド。
1966年、動機づけ要因と衛生要因の2要因説を提唱したのは、ハーズバーグ。
1972年、ERG理論を提唱したのは、アルダファ。
同じく1972年、内発的動機づけ理論を提唱したのは、デシ。
1976年、職務特性モデルを提唱したのは、ハックマンとオルダム。
マズローの理論
マズローは、人間は自己実現に向かって絶えず成長していくとの人間観に立ち、人間の欲求を低い次元から高い次元へと5つの段階に分類する欲求階層説を提唱した。

この5段階について、下の欲求(低次の欲求)が満たされると、次の欲求(高次)の欲求を満たそうとする心理的な欲求、モチベーションが生じるとしている。マズローの5段階欲求の内容は以下のとおりである。
▼マズローの5段階欲求
| 欲求の段階 | 内容 |
| 生理的欲求 | 生命の維持に必要な、睡眠、休息、食欲、性欲などの欲求 |
| 安全の欲求 | 住まいや衣服、雇用が確保されるなど、安全、安心に対する欲求 |
| 所属と愛情の欲求 | 社会的欲求とも呼ばれ、社会の一員として認められることや、人から愛されたいという欲求 |
| 自尊と承認の欲求 | 単に承認欲求とも呼ばれ、名声や権威、地位を得たい、人から認められたいという欲求 |
| 自己実現の欲求 | 自らの持つ可能性を実現して、個人としての個性や能力を発揮したいという欲求で、マズローの欲求階層説の中核的概念 |
生理的欲求と安全の欲求は、物理的欲求と呼ばれ、所属と愛情の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現の欲求は精神的欲求と呼ばれる。
また、自己実現の欲求は成長欲求と呼ばれ、それ以外は欠乏欲求と呼ばれる。
得点アップ
マズローの5段階欲求の覚え方
生まれ 安い 所に 辞書が 実る

アルダファの理論
アルダファは、仕事の場面を中心とした研究により、マズローの欲求階層説を修正し、ERGモデルを提唱した。EはExistenceの存在欲求、RはRelatednessの関係欲求、GはGrowthの成長欲求の三次元からなる。
アルダファは人間には欠乏欲求と成長欲求があると主張している点はマズローの理論と同様だが、各欲求は連続的であり、高次と低次の欲求が同時に生じることがあるとしている点は、マズローとは異なる。
得点アップ
ERGのEはExistence(存在)、存在欲求が在るダファと覚える。
ハーズバーグの理論
ハーズバーグは、職務満足もしくは不満足を規定する要因には、動機づけ要因と衛生要因の2つがあるとした(2要因説)。前者は、仕事の達成感や責任、承認、昇進、成長であり、後者は、会社の施策、給与等も含む作業条件や、上司等との対人関係である。
衛生要因の改善により、人の不満足を減少させることはできるが、職務満足は動機づけ要因の充足により、初めてもたらされるとした。
マクレランドの理論
マクレランドは、職場での社会的欲求が動機づけを高めると考え、達成動機理論を提唱した。マクレランドの社会的欲求には、親和欲求、権力(支配)欲求、達成欲求があり、それぞれは、マズローの所属と愛情の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現の欲求に対応している。ただし、達成動機が強すぎる場合には、自己実現を阻害するとも指摘している。
なお、その後、マクレランドは、失敗を恐れて困難な状況を避けようとする回避欲求を追加した。
その他の理論家
マクレガー
マクレガーは動機づけにかかわる人間観として、X理論とY理論の対立的な理論を提唱した。人はそもそも怠け者で、強制されたり命令されたり、罰がないと行動しないという前提に立つのがX理論であり、その場合の企業と個人との関係は従属的になる。
一方、魅力のある目標と責任の機会を与えることにより、積極的に行動をしていくという前提に立つのがY理論であり、その場合の企業と個人の関係はWin-Winで協力的になる。
マクレガーはY理論により従業員の能力を引き出すことが、経営者にとっては重要なことであるとしている。
得点アップ
マクレガーのX理論はバツ(罰)理論、Y理論はYes理論と覚える。
デシ
デシは動機づけの種類には、充実感、達成感などの内的報酬による内発的動機づけと、給料、地位、評価などの外的報酬による外発的動機づけがあるとし、内発的動機づけが高まる要素として、自律性、有能感、関係性の3つの欲求をあげている。
▼内発的動機づけを高める3つの要素
| 欲求の種類 | 内容 |
| 自律性:autonomy | 自分で決めて、主体的に動きたい |
| 有能性:competency | 自分はできる、能力があると感じたい |
| 関係性:relatedness | 他人と尊重し合える環境をつくりたい |
また、報酬や罰による外発的動機づけの効果は一時的であるものが多く、長期的な行動の持続には、内発的動機づけが必要であるが、内発的動機づけに基づいた行動であっても、報酬が与えられるようになると、内発的動機づけが減退する、アンダーマイニング効果を紹介している。
ハックマンとオルダム
ハックマンとオルダムは、職務の特性と職務満足の関係を、職務特性モデルとして理論化し、取り組む仕事の特性によって、内発的動機づけが高まると考えた。
職務特性モデル
職務の特性(中核的次元)には、①スキルの多様性、②課業の主体性、③課業の重要性、④自律性、⑤フィードバックの5つがあり、①~③は仕事の有意味感を、④は成果に対する責任を、⑤は仕事の把握感を高める。その結果、職務満足や仕事の達成感につながるとした。
テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。