第12次職業能力開発基本計画(第3部)のまとめ(Part2)
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第3部では7つの観点から、現状と課題とそれに対する基本的施策をまとめています。こちらのPart2では、3.個人のキャリア形成と職業能力開発支援の充実、4.企業の職業能力開発への支援の充実をまとめます。
3.個人のキャリア形成と職業能力開発支援の充実
(1)キャリア意識の醸成とキャリア形成支援(P24)
現状と課題
・企業では、 人材の最適配置やエンゲージメント向上による生産性向上を実現し、処遇向上等を図る。
エンゲージメント:企業と従業員の深い結びつきや信頼関係を表す。また、また、ワークエンゲージメントとは、仕事に対して「活力」「熱意」「没頭」の3つが満たされた、ポジティブで持続的な心理状態をいい、ショーフェリが提唱した。ショーフェリは第30回問7で人名が出題されている。
・個人が「何をしたいか、何ができるか、何が必要か」を考え、職業生活の計画であるキャリアプランを立てた上で、職業能力の獲得・向上に努めていく。
・キャリアコンサルティング機会の充実を通じて、労働者がキャリアプランを作成し、定期的に振り返り、状況に応じて見直すことに対する伴走支援が必要である。
・企業が個人に対するキャリア形成の伴走支援を行うには、職場の上司の役割が重要であり、上司のキャリア相談を専門的な立場から支援する体制を整備する。
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実施する施策
・キャリアコンサルタントを活用しやすくなるよう、相談プロセスや、キャリアコンサルタントの知識や経験を可視化する。
・労働者の多様なニーズに対応できるよう、キャリアコンサルタントの育成・確保の推進。
・キャリア形成・リスキリング支援センター等における、キャリアコンサルティングの機会の拡充。
・企業が労働者の自律的・主体的なキャリア形成を促進・支援するための総合的な取組であるセルフ・キャリアドックの導入の促進。
・キャリアコンサルタントの専門性の向上に向け、活動領域ごとに求められる能力の体系的な整理。
・キャリアコンサルタントの専門性の向上に向け、企業の理解の促進や職場の管理者への助言等についての講習の設定及び実践的な学びの機会の確保に向けた取組の促進。
・キャリアコンサルティングの活用促進のため、キャリア形成の必要性等やキャリアコンサルティングの効果等に係る社会全体の理解の促進。
(2)個人の職業能力開発支援(P26)
現状と課題
・自己啓発に取り組む労働者は36.8%という状況である。
・「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」、「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」という時間的制約や、「自分の目指すべきキャリアがわからない」等のキャリア形成上の理由を挙げる者が多い。
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実施する施策
・教育訓練休暇制度の周知、教育訓練休暇給付金制度の活用促進、人材開発支援助成金の活用による教育訓練休暇制度の導入支援の推進。
教育訓練休暇給付金は、労働者が離職することなく教育訓練に専念するため、自発的に休暇を取得して仕事から離れる場合、失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合を支給することで、訓練・休暇期間中の生活費を保障する制度である。【厚生労働省】
・教育訓練給付金の指定講座について、夜間・休日に受講できる講座やオンラインで受講できる講座などの講座の拡大。
・キャリア形成・リスキリング支援センター等においてキャリアコンサルティングの機会を拡充する。
・労働者の自律的・主体的なキャリア形成を促進・支援するための総合的な取組であるセルフ・キャリアドックの導入を促進する。
4.企業の職業能力開発への支援の充実
(1)DX関連を含めた職業能力開発の充実のための環境整備(P28)
現状と課題
・正規雇用労働者及び非正規雇用労働者の能力開発の推進及び、DXによる業務効率化により、労働生産性の向上を図る。
・労働者の人材育成に関して「問題がある」とする事業所割合は約8割にのぼり、その理由は、「指導する人材が不足している」が最も多い。
・職業能力開発促進法では、事業内職業能力開発計画の作成や職業能力開発推進者の選任を企業の努力義務としている。
・人材育成の目標の明確化や人材育成のPDCAによるマネジメント体制の整備、習得したスキルを配置や処遇に反映させる仕組みの整備。
・DX等による作業の省力化で時間を生み出し、その時間をDXによる効率化に適さない業務や職業能力開発に充てることで、生産性を高める。
・DXを推進する人材の育成や労働者全体のデジタルリテラシーの向上等に係る企業の取組を支援する。
・企業の職業能力開発の効果を最大限発揮するため、労働者は自律的・主体的にキャリア形成を行う意識を持つ。
・企業の経営者が労働者に学び・学び直しの重要性を伝える等、企業の人材戦略と個人のキャリアプランをすり合わせ、適切な能力開発機会を提供する。
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実施する施策
・事業内職業能力開発計画の作成や職業能力開発推進者の選任を促進する。
・好事例の提示や労使協働の取組の推進、「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」の周知啓発等を行う。
・JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)が設置している生産性向上人材育成支援センターや中小企業リスキリング支援事業により、事業戦略を踏まえて人材戦略を立てる企画段階から経営者等にアドバイスをする等の伴走支援の推進。
・企業の事業内計画の作成や人材管理等の仕組みの整備等に対して伴走支援する専門人材の育成のため、キャリアコンサルタントが人材マネジメント関連の専門家と協働して伴走支援に取り組む体制を整備する。
・生産性向上人材育成支援センターにおいて、DX関連も含めた企業に対する人材育成の支援の充実を図る。
・労働者の自律的・主体的なキャリア形成への取組を体系的・定期的に支援するセルフ・キャリアドックの普及・促進。
(2)中小企業に対する人材育成の支援(P31)
現状と課題
・計画的なOJTやOFF-JTの実施率は、事業所規模が小さいほど実施率が低い。
・技能継承の取組については、事業所規模が大きいほど進んでいる。
・中小企業においては、相対的に離職率が高い状況にあるほか、職業能力開発の専任者がいないことが多い。
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実施する施策
・生産性向上人材育成支援センターや中小企業リスキリング支援事業により、事業戦略を踏まえて人材戦略を立てるという企画段階から経営者等にアドバイスを行う。
・生産性向上人材育成支援センターでは、中小企業・小規模事業者等の経営支援を行うよろず支援拠点等と連携した支援を実施する。
よろず支援拠点:中小企業の経営上の相談に対応するため、国が全国に設置した無料の経営相談所である。【中小基盤整備機構】
・複数企業の連合体が「共同」で行う人材育成に関して、事例の提供や、訓練を支援する効果的な仕組みの検討を行い、施策を講ずる。
Part2は以上です。最後のPart3を確認しましょう。