【技能検定】第36回問06~問10の解き方

第36回キャリアコンサルティング技能検定学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問6.キャリアに関する理論

【A】ジェラットの連続的意思決定プロセス(前期理論)と積極的不確実性(後期理論)との相違点が問われています。左脳的(論理的)な前期理論に対して、左脳だけではなく右脳(直感)も使った意思決定が積極的不確実性の特徴です。

正答:4

1.×:情報は限られており、変化し、主観的に認知されたものである。【渡辺先生P120】

2.×:意思決定は、目標に近づくと同時に、目標を創造する過程でもある。【渡辺先生P120】

目標は直線的なものではなく、変化に応じて柔軟に意思決定する姿勢を重視している。

3.×:合理的な認知処理に基づく意思決定過程をめざすというよりは、連続した相互作用のなかで、個人が現在と過去の状況をどのように理解し、 自己に対するそれらの意味づけをどのように行うのかに焦点をあてるようになった。【渡辺先生P120】

合理的な認知処理に基づく意思決定過程をめざすのは、後期理論の積極的不確実性ではなく、前期理論の連続的意思決定プロセスの内容である。

4.○:積極的不確実性では、想像力、直感、柔軟性が重要となる。【渡辺先生P120】

問7.キャリアに関する理論

【A】用語(単語)の解釈については、やや難しさもありますが、正答選択肢の5つの職業的発達段階は積極的に選びたい問題です。

正答:4

1.×:ライフ・スパンは、人生における時間軸である。【渡辺先生P44】

2.×:ライフ・スペースは、人生における様々な役割のことである。【ジルP19】

3.×:人が生涯で果たす役割は複数あり、各段階において役割が重複していることを、ライフキャリア・レインボーで表現している。【渡辺先生P48】

4.○:成長、探索、確立、維持、解放(衰退・下降)は、ライフ・ステージの5つの段階として適切である。【渡辺先生P44】

スーパーの職業的発達段階の覚え方:せいたかいか

問8.カウンセリングに関する理論

【B】ジェンドリンのフォーカシングなど、これまでにあまり出題のない、難しい選択肢もありましたが、マズローと自己実現は積極的に結びつけたい問題です。

なお、人間の成長可能性や自己実現を重視する視点は、ロジャーズやパールズ、アドラーなどの理論にも共通してみられます。

正答:3

1.×:ベックは認知療法を創始した。エリスの論理療法と混同しないよう注意。

クライエントの成長の力を信じ、クライエントの決断を中心に進めるのは、ロジャーズの来談者中心療法を想起させる。【ジルP112】

2.×:フロイトは精神分析を創始し、特に無意識の存在に着目しており、職業選択を自己実現の一つとして位置づけた人物ではない。【ジルP102】

選択肢の文章の出典が明らかではないため、どの理論家の内容かは不明だが、前述のジェラットの積極的不確実性や、クランボルツの計画された偶発性理論、スーパーの職業的自己概念の発達や、サビカスのキャリア構築理論など、可能性を最大限に発揮することにつながる理論は多い。

3.○:マズローは「自己実現の欲求」を上位とする5段階の欲求階層説を提唱した。

マズローは、人間は自己実現に向かって絶えず成長していく生き物であるとの人間観に立ち、発達的視点から動機づけを捉えようとした。【岡田先生P23】

岡田昌毅先生の「働くひとの心理学」は、木村先生や渡辺先生の著書には記述があまりない、発達理論や動機づけ理論に関する記述が充実した参考書です。マストとまでは言えませんが、キャリア理論全般についても、体系的にまとめられている良書です。

4.×:体験過程に焦点を当てたカウンセリングは、ジェンドリンが創始したフォーカシングである。【ジルP117】

体験過程とは、カウンセリングにおいてクライエントが自分の中で感じられる身体感覚(フェルト・センス)のことであり、刻一刻と変化していく体験の流れのことである。【ジルP117】

問9.カウンセリングに関する理論

【C】前回第35回の問9においても、応用行動分析が出題されていました。「三項随伴性」は出題実績がありますが、「刺激性制御」は初めてです。「強化」と「弱化」の意味とともにしっかりと確認しておきましょう。

正答:2

1.×:応用行動分析は、主にオペラント条件づけに基づき、行動とその結果の関係を分析する。【ジルP123】

なお、この分析の結果が行動療法の内容に反映される。

2.○:先行刺激によって、行動の生じる頻度が増加したり、減少したり、変化することを刺激性制御という。【ジルP124】

3.×:「強化」は行動が増えることであるため、「減らす」は不適切である。

正は刺激が出現すること、負は刺激が消失することであり、強化は行動が増えること、弱化は行動が減ることである。

つまり、負の強化は刺激を取り去ることで行動が増えることを意味する。

例えば、雨に濡れると不快であるため、不快感をなくすために、雨が降ると傘をさす行動が増えることや、シートベルトをしないと警告音が鳴るため、それを消失させるため、シートベルトを締める行動が増えることなどである。【参考サイト:ペットシッターSOS】

4.×:三項随伴性は、「先行刺激-行動-結果」の枠組みで捉える。【ジルP124】

問10.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

【A】すべて「よりも」表現となっており、読み取りには注意が必要です。調査結果では、「最も多いもの」を押さえておきましょう。

 令和6年度能力開発基本調査

 令和7年度能力開発基本調査

正答:1

1.×:実施したOFF-JTの教育訓練機関の種類については、正社員、正社員以外ともに「自社」が最も多い。【P15】

(参考)令和7年度も解説と同様である。【令和7年度P19】

2.○:実施したOFF-JTの内容は、「新規採用者など初任層を対象とする研修」が最も多い。【P15】

(参考)令和7年度も解説と同様である。【令和7年度P19】

3.○:問題点の内訳は、「指導する人材が不足している」が最も多い。【P20】

(参考)令和7年度も解説と同様である。【令和7年度P24】

4.○:キャリアコンサルティングを行うしくみがない事業所のうち、キャリアコンサルティングを行っていない理由としては、「労働者からの希望がない」が最も多い。【P25】

(参考)令和7年度も解説と同様である。【令和7年度P29】

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