【技能検定1級】第15回問01~問05の解き方

第15回キャリアコンサルティング技能検定1級学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

【B】問1の時事問題は資料からの出題ではなく、最近よく聞く用語の問題が出題されました。

正答:3

1.×:「静かな退職」とは、実際に退職することではなく、必要最低限の仕事は行うものの、それ以上の熱意や過度な貢献を控えるような働き方・態度を指す用語である。【参考サイト:パソナ

2.×:「ギグワーク」とは、起業をして株式公開を目指すことではなく、単発・短時間の仕事を請け負う働き方を意味する。語源は、音楽業界で一回限りの演奏などを指す “gig” である。【参考サイト:コクヨ

3.○:「アルムナイ採用」は、退職した社員を「卒業生」と捉え、退職後もネットワークを維持したり、再入社を促したりする採用活動のことである。【参考サイト:リクルートマネジメントソリューションズ

4.×:「オワハラ」は、企業が学生等に対して、就職活動を終わらせるよう圧力をかける行為を指す。【参考サイト:HRpro

選択肢の内容は、パワーハラスメントの一類型である「過小な要求」の説明である。

5.×:「退職代行サービス」は、労働者本人に代わって退職の意思を会社に伝えるなど、退職手続きを支援するサービスである。【参考サイト:カオナビ

失踪や孤独死などにより本人が退職手続を行えない場合に限られるものではない。

問2.キャリアコンサルティングの役割の理解

【A】各試験で最近特に頻出の「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」から、キャリアコンサルタントの役割に関する出題です。キャリアコンサルタントは、労働者個人の支援だけではなく、組織の人材開発支援との橋渡し役としても位置づけられています。

 職場における学び・学び直し促進ガイドライン

正答:5

1.○:労働者の自律的・主体的な学び・学び直しを後押しするための伴走的な支援策の展開の内容として適切である。【P5】

2.○:キャリアコンサルタントは、労働者個人の支援と組織としての人材開発支援の両面からアプローチすることができ、両者をつなぐ役割が期待される。【P6】

3.○:学ぶ意欲の向上に向けた節目ごとのキャリアの棚卸しの取組の内容として適切である。【P10】

4.○:学びが継続できるような伴走支援への推奨される取組例として挙げられている。【P16】

5.×:社内で資格を取得する者についての利益供与(便宜供与)に関する記述は特になく、社内・社外を問わず、学び・学び直しを支援する人材としてキャリアコンサルタントを活用することが重要である。

問3.キャリアに関する理論

【A】各試験で頻出の、バンデューラの自己効力感を高める4つの情報源に関する出題です。

自己効力感を高める4つの情報源の覚え方:すいげん だいじよ

正答:2

1.×:遂行行動の達成とは、自分で必要な行動を実際に達成することができたという経験である。【渡辺先生P136】

【渡辺先生】キャリアの理論に関する出題は、渡辺三枝子先生の「新版キャリアの心理学」が出典と思われる出題が多く、木村先生の著書とともに机上に用意しておきたい参考書です。

2.○:代理的経験とは、モデルを通じて自分にもできそうだという効力予期を形成することである。【渡辺先生P136】

3.×:言語的説得とは、言葉による説得を反復して用いることにより、自己効力が高まることである。【渡辺先生P136】

4.×:情動的喚起とは、生理的な状態によって効力予期が影響を受けるということである。【渡辺先生P136】

情動的喚起には、例えば緊張感という生理的な状態は、武者震いと言われるようなプラスの影響もある一方で、失敗を想像して冷や汗が出るような、マイナスの影響もある。

個人が持つ前提と、外界からの情報との間に生じた不一致の経験は、選択肢5の認知的不協和の内容である。なお、認知的不協和は、フェスティンガーが提唱し、ヒルトンがキャリア意思決定に応用した。

5.×:身体や心の中で起きた生理的・感情的な変化を体験することは、情動的喚起の内容である。【渡辺先生P136】

問4.キャリアに関する理論

【A】シャインのキャリア理論からの出題です。キャリア・アンカー、3つのキャリア・サイクル、キャリア・コーンの方向性を整理しておきましょう。

正答:3

1.×:シャインは、キャリア発達を年齢だけで機械的に捉えたわけではなく、10歳刻みで定義したという説明も不適切である。

シャインが整理した、「キャリア・サイクルの段階と課題」では、年齢段階だけでなく、組織内での経験、役割、発達課題などを含めてキャリアを捉えている。【木村先生P231】

【木村先生】木村先生の著書「キャリアコンサルティング理論と実際」は、学科試験出典ナンバー1のバイブルですので机上にぜひご用意のうえ、出題箇所を参照しましょう。

2.×:キャリア・アンカーは、外的キャリアではなく、内的キャリアを表す概念である。キャリア・コーンは、組織内キャリアにおける移動方向を、外的キャリアの側面から説明するモデルである。【渡辺先生P157】

3.○:シャインは、人が生きている領域を「仕事・キャリア」「生物学的・社会的」「家族関係」の3つのサイクルに分けて捉え、3つのサイクルが相互に影響し合って、人が存在していると考えた。【渡辺先生P154】

4.×:キャリア・コーンにおける「中心方向」の移動は、組織の中核へ近づき、影響力や責任が高まる方向を示す(部内者化)。「垂直方向」の移動は、職位や職階の上下を意味している。【渡辺先生P157】

5.×:キャリア・アンカーは、実際の職務経験を通じて徐々に明確になるものであり、職務経験のない学生にテストを実施して予測することを重視することは不適切である。【渡辺先生P152】

問5.キャリアに関する理論

【B】サビカスのキャリア構築理論に関する問題です。サビカスは、キャリアについて、本人が意味づけ、語り、構築していくものとして捉えます。

正答:2

1.×:サビカスは、職業行動への主観的な意味づけを強調している。【渡辺先生P85】

2.○:キャリア構築理論では、人が自らの人生を一連のストーリーとして解釈し、自分の中に内的な意味や価値を見出すことを重視する。【ジルP52】

【ジル】職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査:当サイトでは通称、ジルや、ジル資料と呼んでいますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT:ジルピーティー)で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。なお、PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

3.×:人と環境の適合性は静的でも固定的でも客観的にあるものでもなく、むしろ、人々の解釈や理解によるものであり、容易に変化しうる動的なもので、主観的なものである。【木村先生P83】

4.×:キャリア・アダプタビリティの4次元は「関心(concern)」「統制(control)」「好奇心(curiosity)」「自信(confidence)」である。【渡辺先生P97】

キャリア・アダプタビリティの4次元の覚え方:かとうこうじ

5.×:ライフテーマは、職業生活のもっとも主観的な部分に関わるものであり人々の職業行動に意味を与え、なぜその仕事で働くのかを明確にする。【ジルP53】

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