【第30回対策】問31~問40の解説
第30回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説
目次
問31.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
正答:2
1.×:「自分のキャリア・アンカーを知り、評価する」のは、35~45歳のキャリア中期の危機における特定の課題である。
35~45歳のキャリア中期の危機の段階は、自分のキャリアの再評価を行い、現状維持か、キャリアを変えるかを決める時期である。【木村先生P232】
2.○:バルテスは、人生の前半では獲得が多く、後半ではできていたことができなくなったり、それまでの役割を終えたり、喪失が多くなるという、獲得・喪失モデルを提唱した。
3.×:これらは15歳~20台前半にかけての探索段階の課題である。維持段階には「自らの限界を受容」したり、「獲得した地位や利益を保持」したりすることを課題として挙げている。【渡辺先生P46】
4.×:老年的超越の考え方を提唱したのは、トーンスタムである。
ハヴィーガーストは1950年代に、人間の発達段階を6つに分類し、それぞれの段階達成、克服する「発達課題」という考え方を最初に提唱した。
バルテスとトーンスタムについては、テキスト&一問一答(P189)をご参照ください。
問32.人生の転機の知識
正答:1
1.×:逆である。自分の役割、人間関係、日常生活、考え方を変えてしまうような出来事への対処に焦点を当てている。【渡辺先生P187】
2.○:4つのSの内容として適切である。どんな転機でも、それを見定め、点検し、受け止めるプロセスを通じて乗り越えていくことができるとした。【渡辺先生P193】
3.○:転機のタイプとして適切である。転機の持つ意味を理解するためには、どのタイプに該当するのかを識別する必要がある。【渡辺先生P193】
4.○:アプローチの段階では転機を識別し、対処のための資源である4Sを点検、活用し、資源の強化を行う。【渡辺先生P193】
問33.個人の多様な特性の知識
正答:4
1.○:治療と仕事の両立支援カードは、治療を受けながら働く労働者が、自身の職場や働き方等の情報を記載して医療機関に提出し、医師が労働者を経由して事業者に対して必要な情報提供を行うための書式であり、PDF版とExcel版がある。【治療と仕事の両立支援カード:PDF】Excel版はこちらからダウンロードできます。
2.○:本人からの申出が円滑に行われるよう、事業場内ルールの作成と周知、意識啓発、相談窓口や情報の取扱方法の明確化など、申出が行いやすい環境を整備することも重要である。【P3】
3.○:疾病の症状や治療の副作用、障害等によって、労働者自身の業務遂行能力が一時的に低下する場合もある。【P3】
4.×:疾病に関する情報は、機微な個人情報であることから、労働安全衛生法に基づく健康診断において把握した場合を除いては、事業者が本人の同意なく取得してはならない。【P3】
問34.個人の多様な特性の知識
正答:3
1.○:高年齢者雇用確保措置の実施状況は、報告した企業全体の99.9%で、中小企業では99.9%、大企業では100.0%である。【P3】
2.○:定年を65歳未満に定めている事業主は、雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、以下のいずれかの措置を講じなければならない。(法的義務)
【高年齢者雇用確保措置の種類と導入状況(P3)】
①定年制の廃止:3.9%
②定年の引上げ:28.7%
③継続雇用制度の導入:67.4%
3.×:約3割である。
高年齢者就業確保措置の実施状況は、報告した企業全体の31.9%で、中小企業では32.4%、大企業では25.5%である。【P4】
4.○:定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主、または65歳までの継続雇用制度を導入している事業主は、その雇用する高年齢者について、次に掲げるいずれかの措置を講ずることにより、65歳から70歳までの就業を確保するよう努めなければならない。(努力義務)
【高年齢者就業確保措置の種類と導入状況(P4)】
①定年制の廃止:3.9%
②定年の引上げ:2.4%
③継続雇用制度の導入:25.6%
④業務委託契約を締結する制度の導入(創業支援等措置)
⑤社会貢献事業に従事できる制度の導入(創業支援等措置)
(④と⑤を合わせた創業支援等措置の導入状況は0.1%である)
問35.カウンセリングの技能
正答:1
1.×:「のみ」に注意する。
身体的、感情的、精神的側面や家族、学校、職場などの環境との関係性も含めた全体としての人間存在にアプローチする。【P30】
2.○:身体的、精神的、社会的、職業的、経済的に、可能な限り自立できるような方向で目標を定める。【P31】
3.○:人それぞれに独自の資質、個性、目的を持ち、障害への対応も異なって当然である。【P33】
4.○:障害があるという条件は、社会参加を阻むものであってはならないと考える。【P34】
問36.カウンセリングの技能
正答:2
1.○:システマティックアプローチは、ベザンソンとデコフの著書により日本に紹介された。
なお、キャリアコンサルティング理論と実際6訂版では、システマティックアプローチの前提として①クライエント(求職者)は明確な結果を望んでいる、②クライエント(求職者)に接する時間は限られているの2点を挙げている。【木村先生P377】
2.×:國分康孝のコーヒーカップ・モデルは、リレーションづくり、問題の把握、問題解決の3つの段階からなる。
分析、総合、診断、予後、処置、追指導の6段階からなるのは、ウィリアムソンの特性因子カウンセリングである。【木村先生P64】
3.○:なお、カーカフのヘルピングは事前段階、第1段階、第2段階、第3段階、援助過程の繰り返しからなり、その技法は次の段階で行われる。
かかわり技法(ラポール形成)→応答技法(現在地確認)→意識化技法(目的地確認)→手ほどき技法(計画と行動)→援助過程の繰り返し(フィードバック)
覚え方:カカオ いて(煎て) くり
4.○:ブリーフ・セラピーの具体的な技法には、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)の技法があり、ミラクル・クエスチョン、例外探しの質問(例外の質問)、コーピングの質問、スケーリングの質問、関係性の質問等がある。
なお、ミルトン・エリクソンは、8つの発達段階のエリクソンとは別人である。SFAの具体例はテキスト&一問一答(第4版)P221にある。
問37.グループアプローチの技能
正答:2
1.×:.ベーシック・エンカウンター・グループは、フリートークを主体として行われる。
あらかじめ用意されたエクササイズを体験しながら、親密な関係づくりと自己の盲点に気づくことを目的としているのは、國分康孝が発展させた、構成的グループ・エンカウンターである。【木村先生P409】
2.○:Tグループの内容として適切である。Tグループは、Training Groupの略である。
3.×:サイコドラマは、モレノが提唱した。【木村先生P409】
ラザルスは、ストレスの研究で知られる。【木村先生P236】
4.×:これはセルフヘルプ・グループの内容である。【木村先生P409】
問38.キャリアシートの作成指導及び活用の技能
正答:1
各シートの特徴を掴むには、実物を見るのが良いが、ジョブ・カード活用ガイドは実務的にもおすすめです。
1.○:キャリア・プランシートには、自分の価値観、強み・弱み、キャリア・プランを記入する。
2.×:これまでに取り組んだ職務・活動の内容と、職務の中で学んだことや得られた知識、技能等を記入するのは、職務経歴シートである。
職業能力証明シートには、免許・資格シートと学習歴・訓練歴シートの二種類があり、持っている免許・資格、これまでの学習歴・訓練歴を記入する。
3.×:これらを記入するのは、上記の職業能力証明シートである。
4.×:キャリア・プラン作成補助シートの作成は任意であり、省略可能だが、キャリア・プランシートの作成準備に役立つ。
作成の流れはこちらを見るとよい。
問39.相談過程全体の進行の管理に関する技能
正答:4
1.×:クライエントの内的準拠枠(内面的な意味づけ、思考の枠組み)を共感的に理解することがカウンセラーの態度には必要なのであり、カウンセラー自身の内的準拠枠や経験から解釈するのは適切ではない。
2.×:ラポールは、一旦形成されたとしても、全体を通して自然に維持されるものではないし、カウンセラーの態度、言動によって一瞬で崩れ去ることもある。
3.×:クライエントを取り巻く環境の問題や矛盾の確認は、問題の把握のために、欠かすことはできない。
4.○:ラポールづくりはなるべく短時間で切り上げること。カウンセリングは静かで、友好的な雰囲気の中で、しかもビジネスとして始まるのが望ましい。【木村先生P402】
問40.自己理解の支援
正答:4
1.○:6種類の興味領域はRIASECのことであり、5つの傾向尺度には、自己統制、男性−女性、地位志向、稀有反応、黙従反応がある。【木村先生P164】
2.○:15種の下位検査には、11種の紙筆検査と4種の器具検査がある。【木村先生P161】
3.○:(内田)クレペリン検査では、単純な足し算を繰り返し行うことで、作業能率等の能力面の特徴、持ち味やクセといった性格・行動面の特徴の2つの側面がわかる。【内田クレペリン検査】
4.×:職業レディネステストの解釈においては、プロフィールの高低差がある場合には職業への準備性ができているととらえる。【(参考)木村先生P164】
高低差がない場合には、興味や自信、志向性の特徴が把握できず、自己の傾向と職業の関連づけが困難になる。