2-1パーソナリティ・特性因子論アプローチ【テキスト編】

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このアプローチの根底には「適材適所」の考え方があり、人と職業、環境の一致を重視しています。特性因子論は、個人の持つ特性と職業の因子の合致による、「人と職業のマッチング」を行います。

また、ホランドは、個人のパーソナリティ(性格)の特性に着目し、パーソナリティと環境との相互作用により、職業選択やキャリア形成が行われると考えました。

時系列で確認する理論家と理論

パーソナリティ・特性因子論に関する理論家と主要な理論、提唱した年は次のとおりである。

1909年『職業の選択』を刊行したのは、パーソンズ

1939年:特性因子カウンセリングを理論化したのは、ウィリアムソン

1956年:個人の属性と職業の関連性研究を発表したのは、ロー

1984年:職場適応理論を提唱したのは、ダウィスロフキスト

1985年:RIASECの6類型を整理したのは、ホランド

パーソンズの理論

パーソンズは職業指導の創始者、父ともいわれる。

1900年代の初頭に、“Choosing a Vocation(職業の選択)”を発表し、後に特性因子論といわれる職業指導(選択)の理論の原型を提唱しており、有名な言葉に、「丸い釘(くぎ)は丸い穴に」がある。

特性因子論

特性因子論は、個人の能力や興味などの特性と、職業が求める能力などの因子を合致させることにより、職業選択や職業適応を行うため、マッチングの理論(ペグの理論)とも呼ばれている。ペグとは釘のことである。マッチングのためには、適切な自己理解と仕事理解が必要である。

そして、ウィリアムソンは、パーソンズの理論を発展させ、キャリアコンサルティングにおける、特性因子カウンセリングとして理論化した。

ウィリアムソンの特性因子カウンセリングは、次の6段階で行われる。

分析(情報収集)→②総合(特性の明確化)→③診断(特徴と問題の叙述)→④予後(結果と適応の可能性の判断)→⑤処置(何をすべきかの話し合い)→⑥追指導(①~⑤の繰り返し)

キャリア・ガイダンスへの活用

キャリア・ガイダンスとは、職業に就こうとする者に対して、その者に適当な職業の選択を容易にさせ、及びその職業に対する適応性を持たせるための、必要な実習、指示助言その他の指導を行うことである。

特性因子論は、厚生労働省編一般職業適性検査GATB:General Aptitude Test Battery)をはじめ、様々なテストや検査、職業分析など、キャリア・ガイダンスの手法を生み出している。

ローの理論

ローは、フロイトの精神分析理論などに基づき、パーソナリティと職業選択を関連付けている。具体的には、パーソナリティの個人差は親の養育態度や家庭環境によってもたらされるとし、その態度について、情緒型、拒否型、受容型の3つに分類している。

また、ローは幼児期における欲求の強さやそれと満足とのズレ、個人が持つ満足の価値などが職業に影響するとしている。

ホランドの理論

ホランドは、キャリア形成を、個人の性格特性(パーソナリティ)と個人を取り巻く環境の相互作用の結果から成り立つものであるとしている。

そして、それが一致するような環境で仕事することにより、より安定した職業生活を行うことができ、職業的な満足を得られるとしている。

6つの類型(RIASEC)

個人の性格特性(パーソナリティ)と環境(仕事)は、以下の6つの類型に分けることができる。

頭文字 タイプ 特徴
R:Realistic 現実 物、道具、機械などを扱うことを好み、秩序的、組織的な操作を伴う活動を好む
I:Investigative 研究 数学、物理、生物学などに興味があり好奇心が強く学究的
A:Artistic 芸術 言語、音楽、美術などの能力があり、創造的で独創的、発想が豊か
S:Social 社会 友好的で対人関係を大切にし、コミュニケーション能力に優れている
E:Enterprising 企業 外交的で精力的、リーダーシップや説得力がある
C:Conventional 慣習 情報やデータ等を秩序立てて整理することができ、緻密で責任感がある

得点アップ

頭文字から、RIASEC(リアセック)と覚えましょう。

六角形とスリー・レター・コード

6つのパーソナリティ・タイプ(RIASEC)は六角形で表される。

人はそれぞれが独自の性格タイプを持つものであり、これらの6種類の性格タイプのうち、傾向が強い3つの性格タイプ(コード)の頭文字で表したものをスリー・レター・コードという。

なお、この3つの性格タイプの強弱は人それぞれであり、1つが強く、2つが弱いこともあれば、いずれも均一なこともある。

また、六角形上で隣り合っている性格タイプは類似性が高く、逆に六角形の対角線上にある性格タイプは最も異なるタイプといえる。

キャリア・ガイダンスへの活用

ホランドは研究のみならず、キャリア・ガイダンスで使用するアセスメント・ツールとして、職業興味検査(VPI:Vocational Preference Inventory)を開発した。

我が国においてもVPI職業興味検査として、主に若年者(短大生、大学生以上)の進路指導において活用されている。

また、ホランドの研究はプレディガーに継承され、ホランドの六角形モデルは①データと②アイデア、③ひと(人間)と④もの、の4つの要素(ワークタスク)が基礎になっているとし、それをワークタスク・ディメンションとしてまとめている。

ダウィスとロフキストの理論

人と環境の適合性に着目した、人-環境適合(P-E fit)理論の代表的なものに、ダウィスとロフキストが提唱した職場適応理論がある。P-E fit は、Person-Environment fitの略である。

職場適応理論は、人のニーズの「満足感」と、環境(職場)のニーズの「充足度」の二軸から適合性を捉え、これが高い場合に人は満足感があり、職場も要求水準を満たしているため、退職も解雇もなく、在職期間が長くなるとした。

なお、適合性に影響する要素として、柔軟性(許容)、活動性(働きかけ)、反応性(対処)、忍耐(持続)の4つの適応行動があるとしている。

特性因子論は個人と仕事を固定的に捉える傾向があるが、人-環境適合(P-E fit)理論は人と環境の関係に双方向性や主体性があり、人は自分で環境を選びつくることが可能であると捉えている。

テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。

2-1パーソナリティ・特性因子論アプローチ【一問一答編】

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