2-4意思決定論アプローチ【テキスト編】
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テキスト&一問一答(第4版)P43~P47
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職業選択を個人の特性や環境との相互作用の視点で捉えるのではなく、意思決定の過程に注目して捉えるのが意思決定論アプローチです。
特にジェラットとヒルトンの理論をおさえておきましょう。
ジェラットは、前期理論では合理的な「連続的意思決定プロセス」を、後期理論では直観的な「積極的不確実性」を提唱しました。
ヒルトンは「認知的不協和理論」をキャリア意思決定モデルへ応用したことが有名です。
それぞれの意思決定のプロセスを確認しましょう。
時系列で確認する理論家と理論
1962年に連続的意思決定プロセスを提唱。そして、1989年に積極的不確実性を提唱したのは、ジェラット。
1962年に認知的不協和理論をキャリア意思決定に応用したのは、ヒルトン。
1963年に予期と実行の意思決定プロセスを提唱したのは、ティードマン。
ジェラットの前期理論
ジェラットは、前期においては主に左脳を使った客観的で合理的な意思決定を、後期においては右脳も使った主観的で直感的な意思決定を、変化が激しく予測不可能な現代のキャリア発達における意思決定の方法として構築した。
以下ではまず前期の理論について解説する。
意思決定の3つのステージ
3つのステージを通して、合理的な意思決定を行うことができるとした。
①予測システム…起こりうる結果の可能性を判断する
②価値システム…結果の好ましさを判断する
③基準(決定)システム…決定する
主観的可能性
価値システムにおいては、主観的な思い込み、つまり、主観的可能性が採用されやすく、それゆえに陥りやすい「誤り」がある。そのため、客観的なデータを与えることにより主観的可能性に縛られない、フリー・チョイスを進行させることが望ましいとした。
連続的意思決定プロセス
キャリアにおける意思決定の決定システムには、選択肢を絞っていく探索的決定と、最終的に決定を行う最終的決定がある。
探索的決定から最終的決定へのスムーズな進行のため、ジェラットは連続的意思決定プロセスを提唱した。
ただし、その後、時代の変化とともに、個人の可能性を最大限活かせるような意思決定を援助するため、ジェラットはアプローチを修正する。
ジェラットの後期理論
積極的不確実性
前期理論の提唱は1960年代であったが、その後1980年代後半から、変化の激しい社会的背景の中で、ジェラットは、そうした変化や不確実性による非合理性を考慮する意思決定のモデル、積極的不確実性を提唱した。
ジェラットの後期理論では、左脳ばかりを使うのではなく、右脳も使う意思決定や夢を見ることを大切にする意思決定を提案している。
未来が予測困難な現代においては、夢やビジョンを持つことで、不確実性を歓迎することができ(積極的不確実性)、未来を創造することができるとしている。
積極的不確実性は、どこか、クランボルツの「計画された偶発性理論」を思わせるが、ジェラットとクランボルツはテニス仲間であり友人関係でもある。
ティードマンの理論
ティードマンはキャリア意思決定には、個別の特性による区別化と社会からの要求に合わせて適応する統合化の2つの要素があるとした。
また、意思決定のプロセスを予期と実行の2つに大別し、予期には探索、結晶化、選択、明確化の四段階が、実行には導入、変革、統合の三段階があるとした。
ヒルトンの理論
ヒルトンは、心理学者フェスティンガーが唱えた認知的不協和理論を、職業選択の意思決定プロセスに応用した。
認知的不協和理論
認知的不協和とは、自分の価値観や職業観、思考などの「前提」と外界からの情報等との間で生じた矛盾や不快感のことである。
不協和が生じた場合には、「前提」が修正可能であれば修正し、修正が難しければ他の選択肢を検討し、不協和が解消するまでそれが繰り返される。
テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。