2-8企業におけるキャリア形成支援の知識(前半)
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テキスト&一問一答(第4版)P106~P112
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この出題範囲からは、概ね3問が出題されます。出題内容は多岐にわたり、主要な参考書には記述がないものも多いため、過去の出題内容を整理して幅広くまとめています。人事制度、評価制度、リーダーシップ理論に加え、時折出題される、知らないと解けない、キャリア形成支援に関するカタカナ用語を追加しました。
キャリア形成支援に関するカタカナ用語
キャリア形成支援に関する用語が時折出題されるため確認する。
▼キャリア形成支援に関するカタカナ用語
| 用語 | 内容 |
| キャリア・プラトー | キャリアにおける停滞状況のことをいい、これ以上の昇進や昇格が望めないなどの行き詰まりを表す。世代では中高年層に多い。プラトーには、台地の意味がある |
| パラレル・キャリア | 本業を持ちながら、第二の活動をすることであり、第二の活動には明確な定義はなく、別の企業への就職や自営業、ボランティアなども含む |
| バウンダリーレス・キャリア | 会社や職種などの境界(バウンダリー)を越えて、自由にキャリアを形成していく考え方のことである |
| ジョブ・クラフティング | 働く人が自らの仕事の捉え方や意味付けを主体的に見直し、充実感や満足感の得られる仕事への取り組みをつくり出すプロセスのことである |
| ジョブ・デザイン | ハックマンとオルダムの職務特性理論に基づき、効率的に働く人が業務遂行できるよう、組織が職務の再設計を行うことをいう |
採用管理
採用管理においては、採用選考時における、公正さの確保が課題となる。日本国憲法の第二十二条では、基本的人権の一つとして「職業選択の自由」を、また第十四条では、「法の下の平等」を保障している。社員の採用選考において、企業は応募者の基本的人権を尊重することが求められる。
「公正な採用選考をめざして(厚生労働省)」
企業は採用選考において、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力のみを基準として行うことの2点を基本的な考え方として実施する。
また、就職差別につながるおそれがある事項を応募書類に記載させることや、面接時に尋ねることがないように留意しなければならない。具体的に以下の項目のような内容は、特に注意が必要である。
①本人に責任のない事項の把握
本籍・出生地に関することや家族、住宅状況、生活環境・家庭環境等に関すること。
②本来自由であるべき事項
宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合や学生運動などの社会運動に関すること、講読している新聞・雑誌・愛読書などに関すること。
③採用選考の方法
身元調査などの実施、全国高等学校統一応募用紙・JIS規格の履歴書(様式例)に基づかない事項を含んだ応募書類(社用紙)、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施。
配置や異動の管理
配置や異動の管理においては、出向や転籍、派遣と請負の違いなどが過去に出題されており、注意が必要である。また、社内公募や社内ベンチャー等に関する出題もあるので、内容を確認する。
出向と転籍の違い
元の会社との労働契約(身分)を維持しながら、他の会社の指揮命令下で業務に従事することを、出向という。
一方、元の会社との労働契約を終了させて、他の会社と新たな労働契約を結び業務に従事することを、転籍という。
派遣と請負の違い
派遣元の会社が、自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて派遣先のために労働に従事させることを派遣という。また、請負は仕事の完成を目的とするものであり、発注者と労働者の間には指揮命令関係は生じない。
異動などに関連した最近の社内制度
労働者のモチベーションや企業業績の向上のため、最近は社内公募、社内FA(フリーエージェント)制度、社内ベンチャー制度といった仕組みを設ける企業もある。
▼異動などに関連した最近の社内制度
| 様々な社内制度 | 内容 |
| 社内公募 | 部署が社内に対して人材を募集することであり、応募者と部署の双方が合意すれば異動が成立する仕組みである |
| 社内FA | 社員が自ら、行きたい部署や仕事を選択し、希望を出せる制度。モチベーションの向上につながるが、希望どおりにならない場合には、モチベーションが減退するリスクがある |
| 社内ベンチャー | 新規事業の開発において、会社が資金や人員を提供して新規事業部門を立ち上げたり、子会社として独立させたりする仕組み。メンバーは社内公募等によって選ばれるのが一般的である |
退職管理
解雇、解雇の制限及び予告の義務、解雇の種類を確認する。
解雇制限
解雇とは、使用者側からの労働契約の解約をいい、解雇には制限がある。
労働契約法第十六条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
解雇予告
解雇する場合には、労働基準法において、解雇予告の実施もしくは、解雇予告手当の支払いが義務付けられている。
労働基準法第二十条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
解雇予告が30日に満たない場合には、解雇予告手当との併用も可能である。
解雇の種類
解雇の種類は大別すると、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の3種類がある。中でも、経営不振や事業の縮小など、経営側の都合による人員削減のための解雇を整理解雇といい、整理解雇には、次の4要件が設定され、すべてを満たさないと実施することはできない。
①人員削減の必要性
人員削減をしなくてはならない経営上の理由があること。
②解雇回避努力義務の履行
配置転換や希望退職者の募集など、解雇を回避するためのあらゆる努力をしていること。
③解雇される人の選定の合理性
人選が合理的かつ公平で妥当性があること。
④解雇手続きの妥当性
解雇対象者、労働組合又は労働者の過半数を代表する者との十分な協議をしていること。
早期退職優遇制度
早期退職優遇制度は、会社が退職者を募ることで、自主的に退職する社員に対し割増の退職金を支払ったり、転職先を紹介したりする制度である。
労働時間管理
法定労働時間といわゆる36(さぶろく)協定、休憩や休日、代休と振替休日の違い、就業規則の作成について確認する。
法定労働時間と36(さぶろく)協定
使用者は原則として、1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない。
労働基準法第三十二条
使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
ただし、労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出れば法定労働時間を超えて労働させることができる。これはいわゆる36(さぶろく)協定と呼ばれる。
労働基準法第三十六条
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、(中略)その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
休憩時間
休憩は、労働時間に応じ、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間与えなければならない。また、原則として休憩は労働時間の途中に、一斉に、自由に与えなければならない。
法定休日
法定休日は、原則として週1日与えなければならない。ただし例外的に4週間で4日という与え方も認められる。
代休と振休の違い
休日出勤させた後に、その代償として、後日に他の労働日を休みとするものを代休(代替休日)といい、休日労働の割増賃金が発生する。
また、事前に、休日と定められた日を労働日として、別の労働日を休日とすることを振休(振替休日)といい、休日労働の割増賃金が発生しない。
▼代休と振休の手続き、割増賃金の違い
| 種類 | 手続き | 割増賃金 |
| 代替休日(代休) | 事後 | 発生する |
| 振替休日(振休) | 事前 | 発生しない |
就業規則
労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する使用者に就業規則を作成し、常時、見やすい場所へ掲示したり、閲覧しやすい場所に備え付けるなどにより、労働者に周知する義務を課している。就業規則は、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない。
なお、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約については、その部分は無効となる。
テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。