第23回学科試験を振り返る。

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第23回キャリアコンサルタント試験を受験のみなさん、本当におつかれさまでした。すべての試験日程が終了しました。

みなさんの合格を、心よりお祈りしています。

そして、第23回学科試験の過去問解説が完成しました。
試験の振り返りに、今後受験する方は過去問研究に、どうぞご活用ください。

それぞれの問題については、登録試験機関のホームページで、問題用紙と正答をダウンロードのうえ、過去問解説で内容を確認しましょう。

キャリアコンサルティング協議会(過去問題)

日本キャリア開発協会(過去問題)

(学科試験の内容は同様ですが、論述試験の内容は異なりますのでご注意下さい。)

そして、1問ずつの解説は、みん合の過去問解説のページからご覧ください。

第23回過去問解説

第23回学科試験の特徴

難しい問題が随所に散りばめられているのはいつも通りで、「とても易しい」というわけではないものの、これまでの学科試験の中では、比較的得点が取りやすい「易しめな回」であったと評価しています。

後日公開する、自己採点結果のアンケート(昨日で締切)によると、前回の第22回(97.2%)に次ぐレベルの高い自己採点合格率になりそうです。確定値ではありませんが、95.0%前後になりそうです。

ちなみに、最近の試験の合格率は次のような推移です。

このジグザグ具合から、第23回は低下することも覚悟をしていましたが、そこまで難しい回にはならずに幸いでしたが、難易度はどうだったのでしょうか。

すべての問題について、A(易しい)、B(差がつく)、C(難しい)の3段階で評価をしています。

A、B、Cの数の傾向を、第20回から確認してみましょう。

難易度 合格率 A(易しい) B(差がつく) C(難しい)
第20回 77.9% 28 17 5
第21回 61.7% 27 21 2
第22回 82.2% 30 15 5
第23回 30 14 6

易しいAランクが多い回は、合格率が高くなる傾向がありますが、差がつくBランクが多いときは、合格率が低くなる傾向があります。

Cランクが多い回は以前はありましたが、最近の試験では5問程度が多いです。

毎回5問程度、解けなくてもやむを得ない「捨て問題」があるということは、今後受験する方は、念頭に入れておきましょう。

ですから、完璧主義になってはいけません。

また、第23回は初めて登場した人名や、資料や制度、難しい用語の内容が問われたものが最近の試験の中では目立ちましたが、表現方法などから正答選択肢自体は選びやすい問題が比較的多かったのは救われました。

難問に惑わされずに、落ち着いて、35問を確保出来た人の割合は高かったではないかと思われます。

第23回の全体での平均合格率は、第22回よりは低いものの、80%に届くかどうかというラインではないかと予想しています。

みなさんの自己採点結果、試験の手応え、やってよかった勉強法などご意見は、後日、アンケート結果として公開しますので、どうぞご期待ください。

それでは、具体的に気になった問題や出題数の変化などについてお伝えします。

出題内容を振り返る「問1~問10」

・時事問題が問1だけではなく問2もあり、2問体制になったのは出題範囲表が改定された第15回以降では初めてでした。

出題範囲マトリックス・タテヨコくんも更新しました。

・「労働経済の分析」は予想通り令和4年版からの出題、しかも3問も出題がありました。

・「キャリアに関する理論」からの出題は、問4~問7の4問体制で、この構成は第20回から変わらず。

・初登場理論家としては、「デシ」が出題されましたが、直近の2級第30回(問7)で出題され、第23回対策総仕上げ模試にも盛り込んでいました。これらをやっていた方は有利でした。

・問6のキャリアに関する理論のケーススタディは珍しい出題内容でした。

・続く「カウンセリングに関する理論」からの出題は、問8~問10の3問体制で、こちらも第20回からの構成。

・カウンセリング理論、療法に関して、複数の理論家の理論、キーワードの繋がりを問う正誤問題は、第9回から連続して出題されていましたが、今回はありませんでした。

・問9の家族療法は超難問。

出題内容を振り返る「問11~問20」

・このゾーンの出題割合は安定。「職業能力開発」が4問、「キャリア形成支援」が3問、「労働市場の知識」が3問の構成です。

・第11次職業能力開発基本計画(問11)と令和3年度能力開発基本調査(問17)は予想どおり出題。能力開発基本調査はやや細かな内容でした。

・職業情報提供サイト(jobtag)も予想通りでしたが(問12)、内容は細かく、2級第30回をやっていた人以外には厳しい内容でした。

・問14の人材開発支援助成金は難。助成金は対策が難しいです。

・問18の年次経済財政報告は難問でした。

出題内容を振り返る「問21~問30」

・出題割合に異変がありました。「学校教育及びキャリア教育の知識」が通常の2問体制から3問体制へ。

・それらは難問ではなかったのが幸いでしたが、後半の問42でも高等学校のキャリア教育がテーマでしたので、キャリア教育関連は4問と捉えることもできます。

・そのしわ寄せか、「中高年期を展望する…」と「人生の転機の知識」が1問ずつの合わせて2問になったため、キャリア理論、理論家関係の問題は、多い時では8問あるのですが、今回は6問とミニマムな回でした。

・「労働政策及び労働関係法…」はいつも通り易しくはありませんが、難問でもなく、4問中2問は取りたいところです。

出題内容を振り返る「問31~問40」

・出題割合では、「個人の多様な特性の知識」が通常の2問から3問体制へ。第21回も3問でした。「カウンセリングの技能」2問、「グループアプローチの技能」1問は通常通りでした。

・「人生の転機の知識」は、第14回以来久しぶりに、シュロスバーグ単独の大問でした。

・問32は国家試験では初めて、「自閉スペクトラム症」の大問が出題されました。なお、2級第30回で本格的な出題がありました。

・問34の「治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」は定番。同じく定番の「セルフ・キャリアドックの導入の方針と展開」は今回出題がありませんでした。

・問38の厚生労働省の「新たな履歴書の様式例の作成について」はお初でした。

・問40の心理検査に関する用語は難。アセスメントツールの出題が無いのが異例でした。

出題内容を振り返る「問41~問50」

・出題割合には大きな異変はありませんが、「自己啓発の支援」が2問出題されているのは珍しいです。

・問42の高等学校のインターンシップが出題されたのは、国家試験では初めてです。2級では第27回問21で出題があります。

・システマティックアプローチ系の問題は、いつも通り、木村先生の著書からの定番の出題が並びました。

・問49の職業能力開発促進法の大問は珍しく、判断の難しい選択肢もありました。

・問50の「職業倫理」という用語そのものを問う内容は珍しい。

以上、ざざっとですが、気になった問題や出題割合の変化をお伝えしました。

異例の内容もありました…。

上記のように、異例の出題、内容の変化もあったのですが、過去問をやり込んでいる人にとっては、「解きやすい」問題は多かったようです。

表現方法などから正誤判断ができるのは、やはり問題に「慣れている」ことが左右します。

また、いつもは5問~10問前後ある、完全コピーの復活問題がありませんでした

これも異例です(似たものはありますが、全く同じなものは、これまでに見つかっていません。)。

ただ、完全コピーではありませんが、直近の試験の2級第30回との内容の重複が気になりました。

差がつくBランクの問題での重複が目立ちましたので、2級第30回をやっていた人は冷や汗少なめで試験時間を過ごすことができたかもしれません。

2級の学科試験は、国家試験と出題範囲が全く同一で、出題内容が似ていますから、それぞれの試験対策に活用することができます。

キャリアコンサルティング技能検定の過去問題についても、やはり直近3回分は、キャリアコンサルティング協議会のサイトから入手することができます。

キャリアコンサルティング協議会(過去問題)

今後受験する人は、まずはじめの1回目として、第23回国家試験や2級技能検定の第30回を解いてみて、全体のボリューム感や難易度、出題割合や順序を体感してみましょう。

第23回過去問解説

2級第30回過去問解説(みん合☆プラス会員限定公開)

まずは過去問から始めることをおすすめしています。

今後は11月の第24回試験や12月の2級、1級試験合格支援のため、試験情報や教材発信を行いますので、次回試験の合格を目指す方はぜひ、みん合サイトをご活用下さい。

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「テキスト&問題集」は第3版が刊行されました。セットではもちろん最新の第3版をお届けいたします。

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