2-11学校教育制度及びキャリア教育の知識【テキスト編】
Check Sheet機能をご活用ください。
テキスト&一問一答(第4版)P156~P165
全体をつかもう
この範囲からは毎回3問の出題がありますが、これまでの出題を整理すると、学校教育に関連する法律や計画、学校教育におけるキャリア教育の位置づけ、キャリア・パスポート、インターンシップ、統計調査が対策の柱です。そして、統計調査については、学校基本調査が要注意です。
学校教育に関する法律や計画
学校教育に関する法律は、日本国憲法第26条(教育を受ける権利及び義務教育)を最上位として、教育基本法、学校教育法、政令や省令から構成される。
教育基本法
日本国憲法の精神に則り、日本の未来を切り拓く教育の基本を確立し、振興を図るために制定された法律であり、教育の目的や理念、教育の機会均等などが定められている。
学校教育法
学校教育制度に関する基本を定めた法律で、学校の種類、学校の設置、教員の配置、教育目標などが定められている。
学習指導要領(文部科学省告示)
全国どの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準である。キャリア教育の位置づけなども明記されており、およそ10年に一度、改訂されている。
学習指導要領に明記されているキャリア教育の位置づけ
社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図る。
教育振興基本計画
教育基本法に示された理念の実現と、教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、5年ごとに政府として策定する計画である。
社会教育法
社会教育に関する国や地方公共団体の任務を明らかにするための法律である。社会教育は、青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動を指す(学校の教育課程を除く)。具体的には、公民館や図書館や自然体験などの活動である。
学校の種類
学校教育法からの出題は、学校の種類に関する内容の出題実績があるため、それぞれの特徴を確認する。
学校種
学校教育法では、学校種(学校の種類)を定めている。
以前からの学校種には、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、大学(大学院、短期大学)、高等専門学校、専修学校、各種学校があるが、平成になってから、中等教育学校(平成11年度)、義務教育学校(平成28年度)、専門職大学等(平成31年度)が誕生している。
▼学校種ごとの目的や特徴
| 学校種 | 目的や特徴 |
| 小学校 | 心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施す |
| 中学校 | 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す |
| 義務教育学校 | 心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施す。修業年限は9年である |
| 高等学校 | 中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施す |
| 中等教育学校 | 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育を一貫して施す。中学校と高等学校を合わせたものであり、修業年限は6年である |
| 大学 | 学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる |
| 専門職大学 | 深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開させる。専門職大学の課程は、全課程を前期・後期に区分して学科を設けることが可能である |
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)
キャリア教育に関して、出題が多い資料の一つに「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」がある。平成23年(2011年)の資料ということでやや古いものの、学校におけるキャリア教育の指針、拠り所となる資料であり、その内容は定期的に出題されている。
キャリア教育・職業教育の課題と基本的方向性と、キャリア教育の充実を図るための方策が記されている資料であり、キャリア教育と職業教育の言葉の定義がよく出題されている。
キャリア教育とは
一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育のことを、キャリア教育という。
職業教育とは
一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育を、職業教育という。
キャリア教育と職業教育は、学校におけるキャリア形成支援の両輪といえる。
キャリア教育の基本的な方向性
時期を限定するのではなく、幼児期から高等教育(大学・短大・専門学校等)まで体系的にキャリア教育を進める。その中心として、基礎的・汎用的能力の確実な育成と、実践的・体験的な活動を充実させる。
基礎的・汎用的能力の内容
①人間関係形成・社会形成能力
②自己理解・自己管理能力
③課題対応能力
④キャリアプランニング能力
基礎的・汎用的能力の育成を主軸とした、体系的なキャリア教育の実施を推進している。
各学校段階におけるキャリア教育推進のポイント
各学校段階におけるキャリア教育の推進のポイントは次のとおりである。
▼各学校段階におけるキャリア教育推進のポイント
| 学校段階 | キャリア教育推進のポイント |
| 幼児期 | 自発的・主体的な活動を促す |
| 小学校 | 社会性、自主性・自律性、関心・意欲等を養う |
| 中学校 | 自らの役割や将来の生き方・働き方等を考えさせ、目標を立てて計画的に取り組む態度を育成し、進路の選択・決定に導く |
| 高等学校 | 生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を育成し、これを通じて勤労観・職業観等の価値観を自ら形成・確立する |
| 特別支援教育 | 個々の障害の状態に応じたきめ細かい指導・支援の下で行う |
| 大学等 (高等教育) |
学校から社会・職業への移行を見据え、教育課程の内外での学習や活動を通じ、社会的・職業的自立に必要な能力や態度を伸長・進化させる取り組みを充実させる |
社会人基礎力
社会人基礎力は、2006年に経済産業省が提唱した、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」のことである。「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と12の能力要素から構成されている。
キャリア・パスポート
2020年度より、児童生徒がキャリア教育に係る活動を記録、蓄積し、次の学年へとつないでいく「キャリア・パスポート」の仕組みが導入された。
文部科学省では次のように目的を定め、定義をしている。
目的
キャリア・パスポートの目的は、児童生徒にとっては、小学校から高等学校を通じて、自らの学習状況やキャリア形成を見通したり、振り返ったりして、自己評価を行うとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなぐものである。
また、教師にとっては、その記述をもとに対話的にかかわることによって、児童生徒の成長を促し、系統的な指導に資するものである。
定義
児童生徒が、小学校から高等学校までのキャリア教育にかかわる諸活動について、特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心として、各教科等と往還し、自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら、自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオのことである。
ポートフォリオとは、「書類を持ち運ぶためのケース」のことである。
また、文部科学省では、具体的な様式例や留意事項を示している。
様式例と指導上の留意事項
・ 各地域・各学校における実態に応じ、学校間で連携しながら、柔軟な工夫を行うことが期待され、柔軟にカスタマイズされることを前提とする
・ 各シートはA4判(両面使用可)に統一し、各学年での蓄積は数ページ(5枚以内)とする
・ 小学校入学から高等学校卒業までの記録を蓄積する前提の内容とする
・ 大人(家族や教師、地域住民等)が対話的にかかわることができるものとする
・ 通常の学級に在籍する発達障害を含む障害のある児童生徒については、児童生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じて指導する
・ 特別支援学校においては、個別の教育支援計画や指導計画等により「キャリア・パスポート」の目的に迫ることができると考えられる場合は、「キャリア・パスポート」の活用に代えることができるとしている
・ 学年間の引き継ぎは、原則、教師間で行う
・ 校種間の引き継ぎは、原則、児童生徒を通じて行う
・ 個人情報を含むことが想定されるため「キャリア・パスポート」の管理は、原則、学校で行う
学校基本調査(令和6年度)
在学者数や学校卒業後の進路等については、文部科学省が毎年行っている学校基本調査によって確認することができる。細かな数字は覚える必要はないが、大まかな割合や趨勢(動向)を把握しておく。
【お知らせ】状況や傾向の変化はないため、こちらのまとめもそのまま活用できますが、最新版の学校基本調査(基本統計)の内容は楽習ノートプラスにあります。8分ほどで確認できますので、気になる方はご確認下さい。
学校区分ごとの在学者数と趨勢(動向)
少子化の影響により地域の学校の再編が行われ、その影響により、小学校と中学校を合わせた義務教育学校や、中学校と高等学校を合わせた中等教育学校が新設されている。
そのため、それらの学校数や在学者数は、ここ数年、過去最高を更新する傾向がある。一方、既存の小学校、中学校、高等学校の学校数や在学者数は減少傾向にある。

高等学校卒業者の進路
高等学校卒業者(全日制・定時制)の進路は次のとおりである。
▼高等学校卒業者の進路とその割合
| 進路 | 割合 |
| 大学(学部)・短期大学進学率(過年度卒を含む) | 62.3%(過去最高) |
| 大学(学部)進学率(過年度卒を含む) | 59.1%(過去最高) |
| 専門学校進学率 | 24.0%(過去最高) |
▼大学(学部)卒業者の進路とその割合
| 進路 | 割合 |
| 大学院等への進学率 | 12.6% |
| 就職者の割合 | 76.5% |
テキストには記載していないが、この就職者の割合は、卒業者に占める就職者の割合である。よく大卒就職率が90何パーセントというニュースなどがあるが、これは就職希望者に占める就職者の割合であり、注意が必要である。
女子学生の割合
大学学部における女子学生の割合は、45.9%で過去最高である。また、大学学部の女子学生は120万6千人で過去最多である。
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
インターンシップの意義や位置づけ、在り方や留意事項等について、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が共同でまとめている。
なお、令和4年(2022年)の一部改正では、インターンシップの定義づけがあらためて行われ、「学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組」は次の4つの類型に整理された。
| タイプ | 類型 | 取り組みの性質 |
| タイプ1 | オープン・カンパニー | 情報提供・PR |
| タイプ2 | キャリア教育 | 教育 |
| タイプ3 | 汎用的能力・専門活用型インターンシップ | 就業体験、能力の見極め、評価材料の取得 |
| タイプ4 | 高度専門型インターンシップ(試行結果を踏まえ、今後判断) | 就業体験、実践力の向上、評価材料の取得 |
このうち、タイプ1やタイプ2は今回の定義ではインターンシップとは称されず、タイプ3とタイプ4がインターンシップと称される。
つまり、企業の実務を経験する就業体験を伴うものが「インターンシップ」であるとあらためて定義された。なお、取得した学生情報を採用活動に活用することについて、タイプ1、2は活用不可、タイプ3、4は採用活動開始以降に限り活用可である。
▼産学協働の取り組みの意義や留意事項
| 項目 | 内容 |
| インターンシップの形態 | ・正規の教育課程として、授業科目とする ・大学等の課外活動等の一環とする ・大学等と無関係に学生が個人的に参加する |
| 大学等及び学生にとっての意義 | ・キャリア教育・専門教育としての意義 ・教育内容・方法の改善・充実 ・高い職業意識の育成 ・自主性・独創性のある人材の育成 |
| 企業等における意義 | ・実践的な人材の育成 ・大学等の教育への産業界等のニーズの反映 ・企業等に対する理解の促進、魅力発信 |
なお、インターンシップであっても、企業と学生の間に使用従属関係があると認められる場合等には労働関係法令が適用され、報酬は無給が基本であるが、有給となる場合もある。
採用選考に係る統一応募書類
新規高等学校卒業者について、応募者の適性・能力に基づく差別のない公正な採用選考が行われるよう、文部科学省、厚生労働省及び全国高等学校長協会の協議により「全国高等学校統一応募書類」が定められ、使用の徹底を図っている。なお、全国高等学校統一応募書類は、履歴書と調査書からなる。
テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。