令和7年度能力開発基本調査【1.企業調査:まとめ編】
Check Sheet機能をOnにしてご確認ください。
能力開発基本調査は、労働経済の分析と並び、よく出題される官公庁資料です。
本稿制作時点においては、第3回、第25回、第32回試験を除き、すべての回で出題されており、同じ回に2問出題されることも珍しくありません。
そのため、しっかりと対策を立てることが重要であるとともに、十分な準備ができる資料とも言えます。これまでに出題された箇所や、未出題ながら出題が予想される内容を中心に、まとめ編と問題編を作成しました。
【攻略アドバイス】
これまでの出題内容から、試験対策として、細かな数字などを暗記する必要はありません。
正社員と正社員以外ではどちらが多いのか?割合はざっと何割くらいか?ランキング1位は何か?などを想像しながら、Check Sheet機能をONにして、マウスオーバーまたはタップをしながら要点を確認していきましょう。
資料対策の秘訣は、ご自身の感覚とギャップのあったものをよく印象づけておくことです。資料原本はぜひダウンロードし、印刷してファイリングし、すぐに参照できるようにしておきましょう。まとめ編や問題編での【P××】は資料でのページ数を表しています。(全73ページ)
「NEW」のマークは、令和7年度版で新たに公表された調査結果を表しています。企業調査では、P5の(3)人材育成について①②が該当します。
(1)OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用について【P1】
①OFF-JTまたは自己啓発支援に費用を支出した企業の割合は54.4%であり、OFF-JTに支出した企業は50.1%、自己啓発支援に支出した企業は25.9%である。
②支出した費用の労働者一人あたりの平均額は、OFF-JTは2.0万円であり(前回は1.5万円)、自己啓発支援は0.4万円(前回と同様)である。
OFF-JTに支出(50.1%)>自己啓発支援に支出(25.9%)
OFF-JT(2万円)>自己啓発支援(0.4万円)
(2)教育訓練の実績・見込みについて【P3】
細かな数字をインプットする必要はないが、教育訓練の実績と見込みにおいては、正社員以外よりも正社員、自己啓発支援よりもOFF-JTに力点が置かれる傾向がある。
正社員>正社員以外
OFF-JT>自己啓発支援
・過去3年間に支出した費用が「増加した」割合(高い順)
①正社員への「OFF-JT」24.6%
②正社員への「自己啓発支援」12.1%
③正社員以外への「OFF-JT」9.0%
④正社員以外への「自己啓発支援」4.5%
・今後3年間の支出見込みで「増加させる予定」の割合(高い順)
①正社員への「OFF-JT」34.3%
②正社員への「自己啓発支援」28.0%
③正社員以外への「OFF-JT」18.0%
④正社員以外への「自己啓発支援」15.3%
・過去3年間の「実施なし」の割合(高い順)
①正社員以外への「自己啓発支援」83.7%
②正社員への「自己啓発支援」72.4%
③正社員以外への「OFF-JT」72.2%
④正社員への「OFF-JT」48.4%
・今後3年間の支出見込みで「実施しない予定」の割合(高い順)
①正社員以外への「自己啓発支援」75.4%
②正社員以外への「OFF-JT」65.8%
③正社員への「自己啓発支援」58.9%
④正社員への「OFF-JT」41.0%
(3)人材育成について(P5)
①人材開発支援助成金の受給状況
・人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金も含む)の受給状況をみると、受給したことがある企業の割合は15.3%である。
・受給したことがない企業が8割以上を占めている。
内訳は、「制度について知っていたが、受給したことはなかった」は51.9%、「制度について知らなかったため、受給したことはなかった」は32.8%である。
②能力開発を行った労働者の増加割合
①で見たように、人材開発支援助成金を受給したことがある企業は約15%だが、人材開発支援助成金を受給したことがある企業では、受給したことがない企業に比べ、資格取得、スキル向上、社内教育プログラムへの参加、自己啓発を行った労働者の増加割合が全体的に高い。
受給状況別にみた、能力開発を行った労働者の増加割合について、増加割合が最も高い能力開発の項目を紹介する。
| 受給状況 | 増加割合が最も高い能力開発の項目と割合 |
| 令和6年度に初めて受給した | 社内の職業能力評価基準等に沿ったスキルの向上がみられた労働者(49.9%) |
| 令和6年度かつ令和5年度以前に受給した | 職業に関連した資格を取得した労働者(58.5%) |
| 令和5年度以前に受給したことがある | 職業に関連した資格を取得した労働者(47.8%) |
| 制度について知っていたが、受給したことはなかった | 職業に関連した資格を取得した労働者(37.8%) |
| 制度について知らなかったため、受給したことはなかった | 職業に関連した資格を取得した労働者(26.3%) |
受給経験がない企業でも「職業に関連した資格を取得した労働者」の割合が最も高いが、受給経験のある企業の方がその割合は高い。
(4)労働者に求める能力・スキルについて【P7】
労働者に求める能力・スキルについては、正社員(50歳未満)、正社員(50歳以上)、正社員以外に分類して調査結果が発表されています。![]()
ランキングは1位を確認しましょう。なお、令和6年度版から第1位の変動はありません。
≪50歳未満の正社員≫
チームワーク、協調性・周囲との協働力(54.3%)![]()
≪50歳以上の正社員≫
マネジメント能力・リーダーシップ(57.0%)![]()
≪正社員以外≫
チームワーク、協調性・周囲との協働力(53.1%)![]()
(5)事業内職業能力開発計画及び職業能力開発推進者について【P8】
①事業内職業能力開発計画の作成状況

令和7年度能力開発基本調査を元に作表
・事業内職業能力開発計画は、「すべての事業所において作成している」とする企業は14.6%、「一部の事業所においては作成している」は5.6%であり、両者を合わせ全体の約2割であり、「いずれの事業所においても作成していない」とした 企業が約8割(79.8%)と多くを占めている。
・産業別に、すべての事業所において作成している企業の割合が最も高いのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」(32.0%)である。
令和6年度版では、「情報通信業」が最も高かった。また、令和5年度版では「電気・ガス・熱供給・水道業」の割合が最も高かった。
②職業能力開発推進者の選任状況

令和7年度能力開発基本調査を元に作表
職業能力開発推進者は、「すべての事業所において選任している」とする企業が10.9%、「一部の事業所においては選任している」は6.8%であり、合わせて約2割(17.7%)である。「いずれの事業所においても選任していない」企業が約8割(82.2%)と多くを占めている。
・産業別に、職業能力開発推進者を、すべての事業所において選任している企業の割合が最も高いのは、情報通信業(25.0%)である。これは令和6年度版から変化はない。
・職業能力開発推進者を選任している企業における選任方法は、「本社が一人を選任し、すべての事業所について兼任させている」が64.8%で最も多い。
事業内職業能力開発計画は約8割が作成しておらず、職業能力開発推進者も約8割が選任していないという状況である。なお、職業能力開発推進者は、キャリアコンサルタント等からの選任が推奨されている。
【職業能力開発推進者には、専門的な知識・技術をもつキャリアコンサルタント等から選任しましょう!:PDF】
(6)教育訓練休暇制度、教育訓練短時間勤務制度及び教育訓練所定外労働時間免除制度の導入状況について【P12】
| 導入している | 導入を予定している | 導入する予定はない | |
| 教育訓練休暇制度 | 5.7% | 8.8% | 85.4% |
| 教育訓練短時間勤務制度 | 4.7% | 9.1% | 86.2% |
| 教育訓練所定外労働時間免除制度 | 4.6% | 8.9% | 86.4% |
・教育訓練休暇制度を導入している企業のうち、長期休暇(30日以上の休暇) の取得、有給休暇としての取得可否については、「長期休暇の取得はできないが、有給休暇として取得できる」の割合が最も高い(60.9%) 。
プラスα:教育訓練休暇給付金制度
教育訓練休暇のある会社の労働者が、就業規則や労働協約に基づいた、30日以上の無給の教育訓練休暇を取得した場合に、雇用保険から賃金の一定割合の支給が受けられる制度で、給付額は基本手当(いわゆる失業保険)と同じである。給付日数は雇用保険の加入期間に応じて、最大150日である。【厚生労働省】
プラスα:サバティカル休暇
企業が従業員に対して、一定期間の長期休暇を与える制度のことであり、一般的に、数ヶ月から1年程度の期間が設定され、従業員は自己啓発や、専門知識、語学力取得などスキルアップなどのために休暇を取得する。
・教育訓練休暇制度、教育訓練短時間勤務制度及び教育訓練所定外労働時間免除制度の導入予定がない理由の第1位(令和6年度版から変更なし)
代替要員の確保が困難であるため![]()
第2位は「制度自体を知らなかったから」、第3位は「労働者からの制度導入の要望がないため」である。
(7)特別集計( 令和7年度調査を基に人材開発統括官にて集計)(P14)
①人材開発支援助成金の受給の有無とOFF-JT及び自己啓発支援に支出した労働者一人あたりの費用の関係
令和6年度の1年間に企業が及び自己啓発支援に支出した労働者一人あたりの費用( 教育訓練投資額)は、いずれも受給したことがある企業が受給したことがない企業を上回っている。
・人材開発支援助成金の受給したことがある場合の、OFF-JTに支出した労働者一人あたりの費用は2.4万円であり、受給したことがない場合の費用は2.0万円である。
・人材開発支援助成金の受給したことがある場合の、自己啓発支援に支出した労働者一人あたりの費用は0.7万円であり、受給したことがない場合の費用は0.3万円である。
②人材開発支援助成金の受給の有無と能力開発が行われる労働者の増減の関係
職業に関連した資格を年度中に取得した労働者数について、「増加した」としているのは、受給したことがある企業では50.9%、受給したことがない企業では33.3%と大きな差がみられる。
企業調査のまとめ編は以上です。対応する問題編で知識を固めましょう。