第32回問31~問35の解き方
第32回キャリアコンサルタント試験学科試験を徹底解説!
問31.メンタルヘルスの知識
【A】主な精神疾患の特徴を横断的に問う問題は久しぶりでしたが、発達障害を除く3つの精神疾患については、第32回対策みん合☆総仕上げ模試でも取り上げていたため、判断のお役に立てたと思います。
正答:4
1.○:うつ病では、気分の落ち込みや意欲・興味の低下だけでなく、集中力、記憶力、判断力などの認知機能が低下することがある。【こころの情報サイト】
2.○:強迫性障害では、自分でも不合理である、あるいはつまらないことであると理解していても、ある考えが頭から離れず、確認などの行為を何度も繰り返してしまう。【こころの情報サイト】
3.○:発達障害は、生まれつきの脳機能の発達の違いにより、物事の捉え方、コミュニケーション、注意の向け方、行動のパターンなどに特徴がみられ、環境との関係によって日常生活や社会生活に困難が生じる状態である。【こころの情報サイト】
4.×:双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患である。気分が高揚する、活動性が過度に高まる、睡眠欲求が減少するなどの躁状態と、気分や意欲が低下するうつ状態がみられる。【こころの情報サイト】
選択肢の内容は、統合失調症の特徴であり、陽性症状には幻覚や妄想、陰性症状には意欲低下や感情表現の減少などがある。【こころの情報サイト】
問32.人生の転機の知識
【B】シュロスバーグの転機を理解し、対処するための構造を問う問題です。4Sだけでなく、転機への対処を3つの段階で捉える点も確認しておきましょう。
正答:4
1.×:「構築」「脱構築」「共構築」は、社会構成主義やナラティブ・アプローチ、キャリア構築理論に関連する用語であり、今回の問7でも選択肢として出題されている。【木村先生P81】
2.×:「転機の分類化」「対処方略の選択」「転機の総括」という3段階は、シュロスバーグが示した転機を理解するための構造には含まれない。
3.×:「転機として認知する」「行動と内省を繰り返す」「転機から学ぶ」という3段階は、シュロスバーグが示した転機を理解するための構造には含まれない。
4.○:シュロスバーグの転機を理解するための構造として適切である。
シュロスバーグは、転機への対処を、次の3つの部分からなる構造として示した。
①転機へのアプローチ:転機を識別する
⇒予測していた転機、予測していなかった転機、期待していたものが起こらなかった転機
②対処のための資源を活用する:4つのSを活用する
⇒Situation:状況、Self:自己、Support:支援、Strategies:戦略
③転機に対処する:資源(4S)を強化する
【渡辺先生P193】
問33.個人の多様な特性の知識
【A】支援する側ではなく、発達障害のある人自身が就職活動を行う際の留意点が問われるのは珍しい出題内容です。過去の職場で生じた困りごとは避けるのではなく、今後の職業選択や配慮事項を検討するための重要な材料となります。
正答:4
1.○:自分の障害や特性を理解し、一定程度受容できていることは、就職活動を進めるうえで重要である。
また、就労支援では、「自己理解と障害受容がどの程度できているか」を適切にアセスメントすることが、支援の重要なポイントとされている。【就労支援マニュアル(P2):PDF】
2.○:自分の障害特性が、仕事の場面でどのように現れるかを分析しておくことが望ましい。
また、就労支援では、①職業能力、②発達障害の特性が職場でどのように表れるか、③自己理解と障害受容、の3点を把握することが重要とされている。【就労支援マニュアル(P3):PDF】
3.○:就職先に希望する配慮を具体的に伝えられるよう準備しておくことが望ましい。
例えば、次のように、仕事上の困難と必要な対応を具体的に説明できることが、職場との調整に役立つ。
①指示は口頭だけでなく、文書でも示してほしい
②予定変更は、なるべく早めに知らせてほしい
③一度に複数の指示をせず、優先順位を示してほしい
4.×:過去の職場における困りごとは、振り返らないのではなく、丁寧に振り返ることが重要である。
また、就労支援では、生活歴、教育歴、職業歴を丁寧に聞き取り、過去の経験を基に課題と支援方法を整理することが重要とされている。【就労支援マニュアル(P4):PDF】
問34.個人の多様な特性の知識
【A】初出の資料ですが、介護を一人で抱え込ませずに仕事との両立を図る方向性の選択肢を検討しましょう。
平成29年度版 仕事と介護両立のポイント あなたが介護離職しないために(概要版)![]()
正答:4
1.×:介護者が働き方を大きく変え、できる限り自ら介護に専念することが望ましいわけではない。
勤務先の仕事と介護の両立支援制度を利用して働き方を変更したり、介護保険サービスを利用したりすることで、仕事と介護を両立させることは可能である。【P1】
2.×:職場に「家族等の介護を行っていること」を伝え、必要に応じて勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」を利用することが、仕事と介護の両立のポイントである。【P2】
3.×:ケアマネジャーには、要介護者のサービスだけでなく、介護者本人の悩みや不安も相談してよい。
ケアマネジャーを信頼し、「何でも相談する」ことが、仕事と介護の両立のポイントである。【P3】
4.○:介護を深刻に捉えすぎずに、「自分の時間を確保」することが、仕事と介護の両立のポイントである。【P4】
問35.カウンセリングの技能
【A】カウンセラーの非指示的な姿勢、必要に応じて伝えるべきことを明確に伝える姿勢、適切に質問することの意義を問う問題です。何でも受け入れ、何も言わないことが「受容」ではありません。
正答:2
1.×:キャリアコンサルティングでは、クライエントの主体性と自己決定を尊重する。カウンセラーは、クライエントの話を聴き、問題を整理し、必要な情報や選択肢を提供するが、特定の結論へ誘導してはならない。
2.○:クライエントに伝える必要があることは、曖昧にせず、毅然とした態度で伝える必要がある。
毅然とした態度とは、一方的に叱ることではなく、相手への敬意を保ちながら、専門家としての役割、限界、面接の枠組みを誠実に示すことである。
3.×:カウンセリングでは傾聴が重要であるが、質問を一切せず、ただ言葉を聴くことだけに徹するわけではない。
適切な質問は、クライエントの状況、考え、感情、希望を具体化し、問題を明確にするために必要である。
4.×:説教をしたり、感情的になって議論したりすることは適切ではない。
カウンセラー自身の価値観を押しつけたり、クライエントを言い負かしたりするのではなく、相手の考えや感情を理解しながら、協働して問題を整理することが求められる。