こども基本法のまとめと本試験レベル問題
Check Sheet機能をONにしてご確認ください。
2026年2月16日まで無料公開(以降はプラス会員限定)
こども基本法からの出題が、2級第35回問21でありました。内容的には難しいものでありませんが、知らないと自信を持って解答できないものもあるため、内容を確認します。一読(一聴)しましょう。
参考資料
こども基本法(条文)
こども基本法とは?(こども家庭庁)![]()
こども基本法の全体像
こども基本法は、すべてのこどもが将来にわたって幸せな生活を送ることができる「こどもまんなか社会」を実現するために、2023年(令和5年)に施行された新しい法律です。
それまでの日本の法律は、福祉や教育など分野ごとに分かれていましたが、この法律は「こども施策」の土台となる共通の理念を定めた、文字通り「基本法」としての役割を持ちます。

こども基本法の目的(第一条)
日本国憲法と「子どもの権利条約」の精神に基づき、全てのこどもが将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会を実現するため、基本理念や国の責務などを定め、国や社会全体でこども施策を総合的に推進することを目的としている。
「こども」の定義(第二条)
この法律において「こども」とは、心身の発達の過程にある者をいう。
年齢で一律に区切るのではなく、個々の状況に合わせて、大学生世代や社会に出たばかりの若者も切れ目なく支援の対象に含めるという考え方です。
「こども施策」の3つの定義(第二条)
こども施策とは…。
1.新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの心身の発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援である。
2.子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じて行われる支援である。
3.家庭における養育環境その他のこどもの養育環境の整備のことである。
こども施策は、こどもに対する支援だけではなく、こどもを育てる大人への支援、こどもを取り巻く環境整備もその範囲として挙げています。
こども基本法の基本理念
6つの基本理念(第三条)
こども基本法の核心となるのが、以下の6つの理念である。
①人権の尊重
全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的取扱いを受けることがないようにすること。
②適切な養育と教育
全てのこどもについて、健やかに育ち自立するための「福祉の権利」と、「教育を受ける機会」が等しく保障されること。
③意見の表明と参画
全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること。
④こどもの最善の利益
全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。
⑤家庭への支援
こどもの養育は家庭が基本で保護者に第一の責任があるという前提の下、保護者を十分に支援し、家庭で暮らせないこどもには家庭的な環境を確保して、健やかな成長を支えること。
基本姿勢として、 子育てはまず「家庭」が中心であり、保護者が責任を持つべきものとしています。
そして、社会は保護者をサポートし、様々な事情で家庭で暮らせないこどもには家庭に近い環境を確保することを基本理念としています。
⑥社会環境の整備
家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備すること。
国や事業主の責務と国民の努力
国・地方自治体の責務(第四条、第五条)
国は基本理念にのっとり、こども施策を総合的に策定、実施し、地方自治体は国などとの連携を図り、その区域内におけるこどもの状況に応じた施策を策定、実施する。
事業主の責務(第六条)
事業主は、基本理念にのっとり、その雇用する労働者の職業生活及び家庭生活の充実が図られるよう、必要な雇用環境の整備に努めるものとする。
国民の努力(第七条)
国民は、基本理念にのっとり、こども施策について関心と理解を深めるとともに、国や地方公共団体が実施するこども施策に協力するよう努める。
事業主にも責務があり、国民には努力が求められている点に注意しましょう。
こどもの意見の反映
国や地方公共団体は、こども施策を策定、実施、評価するにあたり、こども、またはこどもを養育する者、その他、関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じる。
法律によって誕生したもの
・こども政策の「司令塔」として、こども家庭庁が創設され、こども政策推進会議が設置された。
・こども施策を総合的に進めるための長期的な指針「こども大綱」を作成している。
・都道府県は、施策についての計画、都道府県こども計画を定めるよう努める。
本試験レベル問題
問.こども基本法に関する次の記述のうち、 最も適切なもの はどれか。
1.この法律において、支援の対象としているのは、「こども」のみである。
2.この法律において、こどもの養育は学校を基本とし、教師その他の教育者が第一義的な責任を有するものと位置づけている。
3.この法律において、「こども」とは心身の発達の過程にある者をいい、具体的な年齢が定められているわけではない。
4.この法律において、事業主の責務は定められていない。
▼ クリックして正答・解説を表示
正答:3
1.×:子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現を目指しており、こどもの親なども支援の対象としている。
2.×:こどもの養育は、家庭を基本とし、父母その他の保護者が第一義的な責任を有するものと位置づけている。
3.○:「こども」の年齢を一律に区切るのではなく、個々の状況に合わせ、大学生世代や社会に出たばかりの若者も切れ目なく支援の対象に含めている。
4.×:雇用する労働者の職業生活及び家庭生活の充実が図られるよう、必要な雇用環境の整備に努めることが、事業主の責務として求められている。