第30回問46~問50の解き方

第30回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問46.相談過程の総括

【A】相談過程の総括に関する基礎的な内容です。「ありえないもの」を排除しましょう。

正答:2

1.×:カウンセリングの評価は、できるだけ客観的に行う必要がある。そのため、時間を割いて、適切かつ客観的に、どの程度効果的にやったか、将来のために何を学んだかなどを検討する必要がある。【木村先生P400】

2.○:カウンセラーの成果の評価は、カウンセラーとしての専門性を高める重要な機会である。【木村先生P400】

3.×:記憶や直感を重視するのは適切ではない。

カウンセリングの終了後、今後のため、あるいはクライエント自身または第三者に対する責任を果たすためにケース記録を整理し、保存する。【木村先生P400】

4.×:面談の評価は、カウンセラー、クライエント、そしてスーパーバイザーなど第三者による評価の3種類がある。【木村先生P400】

問47.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

【A】キャリアの悩みというのは、はっきりと明確になっている場合ばかりではありません。ぼんやりと、なんとなく、漠然とした、不安や焦りなどもあるものです。キャリアコンサルタントは、気軽に相談してもらえる存在になりたいものです。

正答:3

1.×:キャリアコンサルティングは悩みが明確でない段階でも利用できる支援であり、「なんとなく不安」「今後の方向性を考えたい」といった初期的な段階の相談を受け止めることも大切である。

2.×:「○○よりも」表現に気をつける。

従業員への説明、普及啓蒙も大切だが、企業内でキャリア形成支援を進めるには、経営者や人事部門などの理解と支援が不可欠である。

3.○:個人や組織のみならず、社会一般に対しても、様々な活動を通じてキャリア形成、キャリアコンサルティング、リスキリングなどの重要性、必要性等について教育・普及する。

4.×:「よりも」表現に気をつける。

キャリアコンサルタント同士も、他の専門機関・専門家との連携も、どちらも普及に重要である。

問48.ネットワークの認識及び実践

【A】「○○であれば十分」といった表現には注意しましょう。選択肢1、3、4はネットワークの構築に関する基本的な考え方で内容も共通していますので、仲間外れを探すのは容易な問題でした。

正答:2

1.○:キャリアコンサルタントは「何でも自分で対応」ではなく、必要に応じて他分野の専門家につなぐことが求められる。特に医療・心理・福祉などの支援機関との連携体制は、支援の安全性と専門性を担保するために不可欠です。

2.×:「であれば十分」や「しさえすれば」といった表現には注意する。

企業内で活動する場合でも、外部の専門機関・専門家との連携は非常に重要である。社員のメンタルヘルス不調や家庭問題、法律的なトラブルなど、社内では対応しきれない課題もある。

リファーやコンサルテーション先を日頃から構築しておく必要がある。

3.○:キャリア相談には、金銭的な問題、家族関係の問題、様々な契約などのトラブルや不安が背景に存在することが多く、包括的な支援を行うには、多様な領域の他機関・専門家とのネットワークを構築する必要がある。

4.○:キャリアコンサルタントが他の専門家に助言を求める「コンサルテーション(照会)」は、支援の質向上に欠かせない。

問49.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

【A】本報告者からの出題は、前回29回問47から連続しています。試験までに一読しておきましょう。

 キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書

正答:2

1.○:スーパービジョンの定義や効果として適切である。【P11】

2.×:キャリアコンサルタントは、個人の相談支援に特化しているわけではなく、組織への働きかけもその役割の一つである。

キャリアコンサルタントが、職業能力開発推進者の役割を担い、事業内職業能力開発計画の策定や、労働者に対する相談・指導、組織課題の改善・解決に向けた関係者との調整の役割等を担っていくことが期待される。【P16】

3.○:一方で、スーパービジョンを行うことのできる指導力を身につけることの必要性にも留意が必要である。【P12】

4.○:そのため、スーパービジョンの提供やスーバーバイザーと指導を受けるキャリアコンサルタントのマッチングの仕組みづくりに取り組むことが求められる。【P12】

問50.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

【A】やや変則的な出題形式でしたが、これまでにも、第5条の守秘義務の例外については、特によく出題されています。しっかりと確認しておきましょう。

 キャリアコンサルタント倫理綱領

正答:4(相談者の身体・生命の危険が察知される場合)

相談者の身体・生命の危険が察知される場合、または法律に定めのある場合は、守秘義務の例外となる。

例として、自殺企図や暴力行為など相談者や他者の生命、身体に重大な危険がある場合、児童や高齢者、障害者への虐待等、通報義務のある違法行為の発見等がある。

キャリアコンサルタントは、業務並びにこれに関連する活動に関して知り得た秘密に対して守秘義務を負う。但し、相談者の身体・生命の危険が察知される場合、又は法律に定めのある場合等は、この限りではない。【第5条】

以上、全50問の解説をお伝えしました。

お疲れさまでした。じっくり復習して正誤判断力を高めましょう。

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