【技能検定】第32回問46~問50の解き方

第32回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問46.ネットワークの認識及び実践

【A】やや言葉不足で意図が汲みにくい問題文もありましたが、「他の専門職を参加させることはない」や「検討する必要はない」は積極的に消去しましょう。

正答:2

1.×:間接(的な)支援は、周囲の関係者の問題解決を目指すものではない。

直接支援は相談者本人への相談や情報提供などの支援を意味し、間接支援は、相談者の周囲の人、環境への働きかけなどによる支援を意味していると思われるが、間接支援も相談者本人の問題解決のために行われる。

2.○:多職種連携は、他の分野の専門職等との連携を意味していると思われるが、他者の力を得るには、キャリアコンサルティングの意味や活動実績等の普及啓蒙も必要である。

3.×:グループでの指導や学習に十分な知見や経験が得られない場合には、他の専門職に参加してもらうことは十分ありうる。キャリアコンサルタントのみで行う決まりはない。

4.×:学び直しのための社会資源の開発や開拓は、キャリアコンサルタントは常に意識し、必要性が明らかであれば、それを紹介、提案する。

問47.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

【A】スーパービジョンを受ける意義、スーパーバイザーの役割に関する問いです。自らがスーパービジョンを受けることを想定しながら検討しましょう。

正答:4

1.○:スーパービジョンを受ける意義として適切である。スーパーバイザーと共に振り返ることで気づき、自覚することもある。

2.○:スーパービジョンを受ける意義として適切である。自分だけの振り返りではなかなか気付けないこともある。

3.○:スーパービジョンを受ける意義として適切である。相談できる専門家がいることは心強いものがある。

4.×:スーパーバイジーの成長課題を明確化して教育指導を行うことも、スーパーバイザーの役割の一つである。

問48.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

【A】正誤判断は容易な問題ですが、2級第27回問47とまったく同じ問題でした。

正答:3

1.×:概念化された典型的な特定の理論を学習すれば十分ということはない。典型的な特定の理論しか知らないと、その理論に無理矢理に当てはめたり、押し付けることになりがちである。

2.×:相談記録をもとに相談者の周囲の関係者から情報収集をすることは、守秘義務の遵守に反する可能性があり、プライバシーの保護の点から適切とはいえない。

3.○:新しい倫理綱領にも次のように記されている。

キャリアコンサルタントは、経験豊富な指導者やスーパーバイザー等から指導を受ける等、常に資質向上に向けて絶えざる自己研鑽に努めなければならない。【キャリアコンサルタント倫理綱領第6条3:PDF

4.×:「AよりもB」には気をつける。比べられるものなのか、比較の優劣に違和感がないかを確認する。

他者の事例から学ぶこともあるが、自分自身の実践内容の振り返りも大切である。

問49.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

【B】選択肢2や3は意外にも、これまで問われたことがない盲点であり、判断が難しいと感じた方もいるかもしれません。

正答:4

1.×:守秘義務の例外であり、緊急の対処を行う。

キャリアコンサルタントは、業務並びにこれに関連する活動に関して知り得た秘密に対して守秘義務を負う。但し、相談者の身体・生命の危険が察知される場合、又は法律に定めのある場合等は、この限りではない。【キャリアコンサルタント倫理綱領第5条:PDF

2.×:判例などから、違法行為、犯罪行為の通報は、正当な理由があれば、守秘義務の例外として認められると捉えておくのがよい。

3.×:本人の面接記録や心理検査結果は、本人から開示が求められ場合には開示を行う必要がある。

なお、個人情報取扱事業者が遵守すべき、個人情報保護法においても、本人により本人の個人データについて請求できる旨と、遅滞なく開示することについて定められている。【個人情報保護法第33条

4.○:キャリアコンサルティング面談により得られた情報を、人事部門及び関連部門(産業医等)と共有化するルールを整備する必要がある。【「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開P16:PDF

問50.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

【A】キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢に関する事例問題です。個人情報保護、多重関係の防止などの視点からアプローチしましょう。なお、本問は2級第27回問49とまったく同じ問題でした。

正答:2

1.×:個人情報データの取扱として適切とはいえない。

2.○:リファーの理由やその後について説明し、選択肢を提示することは適切である。また、選択肢について、判断できるような情報提供が必要である。

3.×:多重関係にあたり、不適切である。

4.×:標準化された心理アセスメントは、通常は利用人数分の試験用紙を購入するなどの購入条件があり、コピーを使用して無料で提供することは、多くの場合において、権利上の問題があり、不適切である。

全50問の目次