【技能検定1級】第9回問21~問25の解き方
第9回キャリアコンサルティング技能検定1級学科試験問題を徹底解説!
選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。
目次
問21.メンタルヘルスに関する知識
統合失調症に関して、難しい問題が出題されました。今後の出題に備え、3つのタイプや症状や頻度については、知識を整理しておきましょう。![]()
1.○:統合失調症は、破瓜(はか)型、緊張型、妄想型の3タイプに大別され、破瓜型は思春期から青年期にかけて、緊張型は青年期に、妄想型は破瓜型や緊張型よりも発病年齢が遅く、多くは30歳前後に発病する。【統合失調症ナビ】
2.×:統合失調症の症状は、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲の低下などの「陰性症状」、臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」に分けられる。【統合失調症ナビ】
3.×:症状は上記のとおりであり、知的障害が引き起こされることはない。
4.×:統合失調症は、自殺のリスク要因となる。
5.×:統合失調症は、およそ100人に1人弱がかかる頻度の高い病気である。【こころの情報サイト】
問22.メンタルヘルスに関する知識
「平成30年中における自殺の状況」(厚生労働省、警察庁)からの出題です。女性よりも男性の方が自殺者が多い傾向にあることをおさえておきましょう。「令和元年中における自殺の状況」が令和2年3月に公開されたため、内容を確認していますが、特に傾向の変化はありませんでした。![]()
1.○:平成22年以降、9年連続の減少となり、2万1千人を下回った。【平成30年P2】
平成22年以降、10年連続の減少となった(20,169人)。【令和元年P2】
2.○:平成30年の自殺死亡率は16.5となり、平成22年以降、9年連続の低下となっている。また、昭和53年から始めた自殺統計で過去最小となった。【平成30年P3】
令和元年の自殺死亡率は16.0となり、平成22年以降、10年連続の低下となっている。【令和元年P3】
3.○:平成30年は、3月が最も多く、12月が最も少ない。【平成30年P4】
令和元年は、3月が最も多く、12月が最も少ない。【令和元年P4】
4.×:男性の自殺者数は、女性の約2.2倍となっている。【平成30年P2】
男性の自殺者数は、女性の約2.4倍となっている。【令和元年P3】
5.○:自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有している。【平成30年P9】
自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きている。【令和元年P9】
問23.メンタルヘルスに関する知識
ストレスチェックに関する、幅広い知識を問う問題です。常時50人以上の労働者を使用する事業者に義務付けられているものの、労働者の受検義務がない点は覚えておきましょう。ストレスチェックについては、導入ガイドがあります。![]()
1.×:ストレスチェック制度の目的は、メンタルヘルス不調の未然防止のためであり、うつ病などの一次予防(健康増進、疾病予防)にあたる。二次予防(早期発見、早期治療)では「うつスクーリング質問票」等を用いたスクーリングなどを行う。【厚生労働省】
2.○:労働者にストレスチェックを受ける受検義務はないが、メンタルヘルス不調を未然に防止するため、ストレスチェックを受けることが望ましい。【P6】
3.×:ストレスの原因、ストレスによる心身の自覚症状、周囲のサポートに関する質問項目が調査票には必要である。【P6】
4.×:ストレスチェック結果が労働者の意に反して人事上の不利益な取扱いに利用されることがないよう、労働者の人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者(人事部長等)は、実施事務従事者になることはできず、ストレスチェックの実施の事務に従事してはいけない。【P5】
5.×:希死念慮とは、「死にたいと願うこと」を表す。ストレスチェックの調査票に含めるべきとはされていない。
問24.ライフステージ、発達課題に関する知識
ワーク・ライフ・バランスが健康やメンタルヘルスに及ぼす影響について、スピルオーバーという視点で考察している問題です。非常に難しい問題ですが、出典と思われる論文がありましたので、紹介いたします。![]()
1.×:出典は不明だが、伝統的性役割意識がいまだ根強いとは、必ずしも言い切れないのと、多重役割に直面し葛藤することは、もっぱら女性の発達課題であるというのも、言い過ぎであろう。
2.×:スピルオーバーとは、一方の役割における状況や経験が他方の役割における状況や経験にも影響を及ぼすと定義され、仕事⇒家庭一方通行のものではなく、家庭⇒仕事の2つの方向性を有している。【資料P77】
3.×:ワーク・ライフ・バランスと先行要因およびアウトカムとの関連の表でみると、「仕事の負担」から、家庭への「正の関連」や、「家庭の資源」から仕事への「負の関連」は、いずれもネガティブ・スピルオーバーであり、健康や満足感、パフォーマンスなどのアウトカムに悪影響を及ぼす。【資料P77】
4.○:仕事が忙しくて家族との時間を取れないのは、ネガティブ・スピルオーバーである。【資料P77】
5.×:成人期以降のキャリア行動は、暦年齢ではなく社会的年齢によって規定される。社会的年齢は社会的規範によって影響される。【木村先生P39】
問25.ライフステージ、発達課題に関する知識
青年期後期のアイデンティティ(自我同一性)の確立に関する横断的な問題です。正答選択肢の出典は不明なものの、消去法でアプローチは比較的しやすい問題でした。内容をよく理解しておきましょう。
1.×:「社会的ひきこもり」は、狭義の精神疾患を有するために生じる「ひきこもり」状態とは区別されるものである。【厚生労働省】
2.×:斎藤環氏は著書の中で、「社会的引きこもり」について、「20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、ほかの精神障害がその第一の原因とはかんがえにくいもの」と、その定義を述べている。【厚生労働省】
3.×:モラトリアムは、バンデューラではなく、青年期におけるアイデンティティの確立を重視した、エリクソンが提唱した言葉である。
4.×:出典は不明だが、アイデンティティの確立と社会的ひきこもりには、むしろ強い関係があるといえる。
5.○:出典は不明だが、親子間において、相手の意見に敬意を表しながら、自己主張や反対意見を遠慮なく表明できるアサーティブな関係は、アイデンティティの探究や確立なくしてできないだろう。
参考文献・資料
平成30年中における自殺の状況(PDF)
令和元年中における自殺の状況(PDF)
ストレスチェック制度導入ガイド(PDF)
厚生労働省