【技能検定1級】第10回問31~問35の解き方

第10回キャリアコンサルティング技能検定1級学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問31.教育指導及び事例指導

 学習方法、手法に関する横断的な問題です。知らない手法、用語を確認しておきましょう。

1.○:ICT(情報通信技術)の活用により、コミュニケーションの改善をすることができる。

2.×:eラーニングとは、情報技術を使った学習のことである。選択肢の内容はレポートや小中学校などで行われている総合的な学習を感じさせる。【参考資料:総合的な学習(岡山県):PDF

管理人の感想だが、アクティブ・ラーニングの説明としては、やや不十分に感じる。

3.×:OCW(オープンコースウェア)は、大学や大学院などの高等教育機関で正規に提供された講義とその関連情報を、インターネットを通じて無償で公開する活動である。【Wikipedia

選択肢の内容はKJ法の内容と思われる。

KJ法とは、データをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて、図解し、論文等にまとめていく方法である。【Wikipedia

4.×:これはeラーニングの内容である。アクティブ・ラーニングは、学修者主体の学習手法の一つであり、学修者が能動的(アクティブ)に学修(ラーニング)に参加する学習法の総称である。【Wikipedia

5.×:反転学習とはそのような意味ではない。自宅等であらかじめインプット(予習)をして、教室ではアウトプット(復習・演習)や意見交換を中心に行う学習方法である。

家庭でいわゆる「授業」を映像教材・動画を用いて予習の形で受講し、学校の教室で行う授業の時間では通常「宿題」として扱われる演習や、学習内容に関わる意見交換などを行うものです。【ベネッセ教育情報サイト

問32.教育指導及び事例指導

 スーパービジョンの目的や方法に関する基本的な理解を問う問題です。消去法でアプローチしましょう。

1.×:それぞれスーパーバイザーの役割(機能と責任)に違いがある。

2.×:経験を積んだキャリアコンサルタントにもスーパービジョンは有効である。

3.×:自身が専門とする特定の理論や学派に基づく指導に縛られる必要はない。

4.○:スーパーバイジー(指導を受ける人)の成長とクライエントの利益に資することが期待される。

5.×:事例そのものへの介入や組織へのコンサルティングなどの事例指導を行うことまる。

問33.教育指導及び事例指導

 事例検討の指導や、報告の内容に関する問題です。「○○すればよい」という表現は正誤判定上、注意しましょう。

1.×:守秘義務の観点から不適切である。

2.×:カウンセラー側の関わりや心理状態もまた大切な資料となる。

3.×:一つだけ簡潔に記載すれば良いというものではない。

4.×:個人を特定できないように加工すれば良い、というだけではなく、許諾が得られるのであれば得るのが適切である。

キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングの事例や研究の公表に際して、プライバシー保護に最大限留意し、相談者や関係者が特定されるなどの不利益が生じることがないように適切な措置をとらなければならない。【キャリアコンサルタント倫理綱領第5条:PDF

5.○:事例検討の内容として適切である。

問34.キャリアシートの作成指導及び活用の技法

 この問題の出典は、マイジョブ・カードの作成支援者向けのマニュアルに見出すことができます。内容を確認しておきましょう。

 実践的能力証明シート活用マニュアル

1.○:実践的能力証明シートを作成することで、自分がこれまでに身につけてきた実践的な職業能力を明らかにすることができる。【P4】

2.○:明らかにした能力は、自分の強みとして就職活動や社内の人事面接等でのアピールポイントになるとともに、キャリア・プランを考える上での軸になる。【P4】

3.×:ホワイトカラー分野、医療・介護分野、IT分野に分かれており、それぞれ学生・社会人(エントリ)向けと、社会人向けに分かれている。【P4】

4.○:実践的な職業能力には、資格だけでは表せない、経験、態度・姿勢等も含まれる。【P5】

5.○:上記で紹介している、「実践的能力証明シート活用マニュアル」である。

問35.カウンセリングの技能

 支援の基本姿勢からアプローチをしましょう。

1.×:共感をしても、同調をしてはいけない。同調をせずに、どのようなことがあったのか、詳しく聴き続ける。

2.×:実績を誇示すべきではない。

キャリアコンサルタントは、自己の身分や業績を過大に誇示したり、他のキャリアコンサルタントまたは関係する個人・団体を誹謗・中傷してはならない。【キャリアコンサルタント倫理綱領第7条:PDF

3.○:共感を示し、どのようなことがあったのか、どのような思いになったのかに耳を傾けることは適切である。

4.×:カウンセラーの感想を伝えることは、応答として大切なことではない。

5.×:「同じような」という決めつけがある可能性があるし、問題の内容や、それを受けとめる自己概念はそれぞれ異なるものである。

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