【技能検定1級】第14回問21~問25の解き方
第14回キャリアコンサルティング技能検定1級学科試験問題を徹底解説!
選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。
目次
問21.メンタルヘルスの知識
【B】適応障害にはストレス因(原因)があり、それの軽減、除去や、適応能力を高めることにより、治療や回復ができる点をインプットしておきましょう。
正答:4(CとD)
A.×:幻覚と妄想がみられるのは、統合失調症である。【こころの情報サイト】
B.×:適応障害では、抑うつ気分や不眠などが生じることがある。【参考サイト:池澤クリニック】
C.○:適応障害は「ストレス因」によって引き起こされる。【参考サイト:池澤クリニック】
D.○:ストレス因の始まりから、3か月以内に情緒面や行動面に症状が現れる。【参考サイト:北戸田駅前まつもとクリニック】
E.×:適応障害はストレス因に起因することが明らかな場合が多いため、その原因から離れると、症状は次第に改善する。【参考サイト:北戸田駅前まつもとクリニック】
問22.メンタルヘルスの知識
【A】ストレスチェック結果の取扱いでは、個人情報の保護が重視されます。本人の同意なく、人事管理部署に共有されることはありません。
正答:2
1.○:ストレスチェック制度の導入を、法令順守にとどめるだけでなく、実効ある活動を通じて、1人ひとりの労働者が生き生きと働ける職場の実現を目指す。【P121】
2.×:結果は直接本人に通知され、事業者には通知されない。事業者が結果を入手するには、結果の通知後、本人の同意が必要である。【ストレスチェック制度導入ガイド(P9):PDF】
3.○:職場環境改善や職場復帰支援など、他のメンタルヘルス活動、さらに産業保健活動全般を日ごろから活発に進めることによって、労働者がより自然にストレスチェックや面接指導を受けることができる職場づくりを目指す。【P121】
4.○:法に基づくストレスチェックは、仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポートの3領域を含むことが必要である。【P34】
5.○:ストレスチェックはラインによるケアを進めるきっかけともなり、また、メンタルヘルス教育はラインによるケア体制の構築につながる。【P121】
問23.メンタルヘルスの知識
【C】メンタルヘルスに関して、幅広い資料から出題されており難問でした。
正答:1
1.○:自殺念慮の割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティについて、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、理解促進の取組を推進する。【自殺総合対策大綱(P14):PDF】
2.×:使用する労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を2027年までに50%以上とする。
また、メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を2027年までに80%以上とする。【第14次労働災害防止計画(P6):PDF】
なお、2023年の調査では、ストレスチェックを実施している事業場の割合は、50人以上の事業場で81.7%、50人未満の事業場では34.6%となっている。【労働政策研究・研修機構】
3.×:「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」、いわゆるカスタマーハラスメントが追加された。【心理的負荷による精神障害の認定基準の改正概要:PDF】
4.×:支給決定件数は「医療、福祉」219件、「製造業」121件、「卸売業、小売業」103件の順に多い。【過労死等の労災補償状況】
5.×:仕事や職業生活に関するストレスを相談できる人については、「家族・友人」と答える労働者が最も多い。【令和5年労働安全衛生調査(実態調査:個人調査3ページ目:PDF)】
問24.中高年期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
【A】「衰え及び離脱」の段階は40歳から引退まで(衰えの始まる時期は人により異なる)とありますが(40歳は早いですよね)、中高年期~引退の時期を想像して適切なものを選択しましょう。
正答:2
1.×:若干、記載内容と表現は異なるものの、指導者役にあるキャリア後期(40歳から引退まで)に直面する一般問題である。【木村先生P232】
2.○:衰え及び離脱の段階に直面する一般問題として適切である。【木村先生P233】
3.×:正社員資格のキャリア中期の時期(25歳以後)に直面する一般問題である。【木村先生P232】
4.×:キャリア中期の危機(35~45歳)に直面する一般問題である。【木村先生P232】
なお、この時期に、自分のキャリア・アンカーを知り、評価する。【木村先生P232】
5.×:非指導者役にあるキャリア後期(40歳から引退まで)に直面する一般問題である。【木村先生P232】
問25.中高年期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
【A】正誤判断の難しい選択肢もありましたが、キャリア・カオス理論がハンセンの提唱ではないことに気がつければ良い問題でした。キャリア・カオス理論のプライアとブライトは2級においても複数回出題があります。覚えておきましょう。
正答:4
1.○:解放段階には、職業外の役割を開発する。【渡辺先生P47】
2.○:直接の出典は不明だが、キャリア発達、成人発達の理論、ジェンダー役割の理論、女性学や新しい男性像に関する研究、多文化理論等、幅広い分野を吸収しながら、人生上の役割を統合的な理論をまとめあげている、ハンセンの統合的人生設計に繋がる内容である【渡辺先生P206】
3.○:クランボルツのハップンスタンス学習理論の4つの命題の一つである。
クライアントは有益な想定外の出来事を作り出す方法として、探索的な行動に携わることを学習する。【渡辺先生P147】
4.×:キャリア・カオス理論は、プライアとブライトが提唱した。【ジルP49】
5.○:維持段階の課題として適切である。他には「獲得した地位や利益を保持する」などもある。【渡辺先生P47】