【第30回対策】問1~問10の解説
第30回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説
目次
問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解
正答:3
1.×:これらの業種はむしろ低い傾向があり、最も積極的な業種は「金融業、保険業」であり、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「建設業」が続く。【P15】
2.×:従業員数が多いほど積極性が高い。特に1,000人以上規模の従業員数の企業の積極性が高い。【P18】
3.○:従業員に占める45歳以上比率が1割程度(59.9%※)の企業が、最も能力開発に対する積極性が高く、6割以上(34.4%※)の企業が最も低い。【P20】
※「積極的である」と「やや積極的である」の割合の合計
また、従業員に占める45歳以上比率が高いほど、「人材育成・能力開発について特に方針を定めていない」企業の割合が高くなる。【P21】
4.×:3年前と比較して新入社員の定着率が「大幅に増加・上昇」したと回答した企業の 65.8%が能力開発に積極的であった。【P22】
問2.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解
正答:4
1.×:37カ国の中で概ね中位程度である。アイルランド、ルクセンブルク、ノルウェー、スイス、アメリカが上位に位置している。【P146】
2.×:59歳以下の女性では「出産・育児・介護・看護のため」が最も多い。【P149】
3.×:正規雇用労働者では労働時間を減らしたい者が、非正規雇用労働者は労働時間を増やしたい者が多い傾向がある。【P151】
4.○:国際的にみても、我が国の高齢者の就業率は高い水準にある。【P158】
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問3.キャリアコンサルティングの役割の理解
正答:3
1.○:ITや新たな技術を活用した職業訓練等の推進の施策の一つとしてあげられている。【14ページ目】
2.○:雇用のセーフティネットとしての離職者向け訓練の実施の内容の一つとしてあげられている。【23ページ目】
3.×:職業能力評価基準ではなく、ジョブ・カードである。【28ページ目】
4.○:職業能力開発施策に関する情報発信の強化の施策の一つとしてあげられている。【29ページ目】
問4.キャリアに関する理論
正答:2
1.○:組織心理学者である、シャインの発達的視点の表現として適切である。【渡辺先生P152】
2.×:階層の移動は、垂直方向への移動で表現される。水平方向への移動は、販売⇔マーケテイング⇔研究開発など職能の拡大を示している。【渡辺先生P158】
3.○:同一の職業においても複数のアンカーとマッチする部分があり、どこに価値を置くかは様々であるため、アンカーと職業を一対一で結びつけることはできない。また、アンカーは職務経験により展開していくものであり、予測することは適切ではない。【渡辺先生P162】
なお、シャインのキャリア・アンカーは次の8つである。
専門・職能別コンピテンス 全般管理コンピテンス 自律・独立 保障・安定 起業家的創造性 奉仕・社会貢献 純粋な挑戦 生活様式 【木村先生P235】
覚え方:せんぜん じぶんは ほうきで ほうしした じんせい
4.○:キャリア・サバイバルは、キャリア・アンカーを仕事として現実に実現するためのプランニングであり、それにより組織においてサバイバルする(生き残る)。【渡辺先生P163】
問5.キャリアに関する理論
正答:3
1.×:これはハンセンの統合的人生設計の内容である。ハンセンは、人生の役割についてキルト(パッチワーク)に例えた。【渡辺先生P208】
2.×:アダプタビリティを適応コンピテンスと適応モチベーションの積(掛け算)であるとしたのは、ホールである。【渡辺先生P174】
3.○:スーパーのキャリア発達理論は、シャーロッテ・ビューラーの発達心理学の影響を受けている。【木村先生P71】
4.×:キャリア・アダプタビリティを構成する4次元(キャリア関心、キャリア統制、キャリア好奇心、キャリア自信)を提唱したのは、サビカスである。【渡辺先生P97】
覚え方:かとうこうじ
問6.キャリアに関する理論
正答:1
1.○:ジェラットの前期理論である、連続的意思決定モデル(システム)の内容として、経済学における投資戦略理論であることも含めて適切である。【木村先生P86】
予測システム:選択可能な行動と結果の予想を行う。
価値システム:予測される結果の望ましさを評価する。
基準(決定)システム:決定基準にあっているものを選択する。
2.×:前期の理論と後期の理論が逆である。
前期の理論の「客観的で合理的なストラテジー」だけではなく、「右脳的な主観的で直感的なストラテジー」も統合するべきであると主張し、積極的不確実性の考え方を、後期の理論で提唱した。【渡辺先生P120】
3.×:これはクランボルツの計画的偶発性理論の考え方である。【渡辺先生P145】
4.×:才能と能力(何が得意か)、動機と欲求(何をやりたいのか)、意味と価値(何をやっている自分が充実しているのか)は、シャインのキャリア・アンカーを確かめるための3つの問いかけである。【渡辺先生P164】
ジェラットは思い込みなどによる「主観的可能性」による誤った判断を避けるため、客観的なデータを「燃料」として意思決定に活用することを提唱している。【渡辺先生P115】
問7.キャリアに関する理論
正答:1(1つ:Cのみ)
A.×:職業指導の創始者と言われ、1909年に執筆した「職業の選択」の中で特性因子理論の原型を示したのは、パーソンズである。【木村先生P63】
ウィリアムソンは、特性因子論を発展させ、1930年代に特性因子カウンセリングとして理論化した。【木村先生P64】
B.×:バンデューラの自己効力感を高める4つの情報源には、遂行行動の達成、言語的説得、代理的経験、情動的喚起がある。【渡辺先生P136】
覚え方:すいげん だいじよ(水源大事よ)
好奇心、持続性、楽観性、冒険心に、柔軟性を加えると、クランボルツの「偶然の出来事を捉える5つのスキル」になる。【ジルP47】
覚え方:コージくん 柔軟に楽しく冒険
C.○:コクランは、キャリア研究の「物の見方(パラダイム)」として、「ナラティブ(語り)」の導入を提唱し、意味付けがキャリアの中心的主題であることから、語りの有効性について論じている。【岡田先生P67】
なお、コクランについては、木村先生の著書にも記述がある。【木村先生P79】
D.×:フェスティンガーの認知的不協和理論を、意思決定プロセスに応用して、キャリア意思決定モデルを提唱したのは、ヒルトンである。【木村先生P86】
ニコルソンは「準備→遭遇→適応→安定化」のトランジションサイクルを提唱した。ニコルソンは、何度か出題があるが主要参考書には記載がないため、この4つ段階をおさえておくとよい。
問8.キャリアに関する理論
正答:1
1.×:キャリアガイダンスの4つのイデオロギーには、社会と個人のどちらに焦点を当てるのか、変革と現状維持に焦点を当てるのかの二つの軸で整理し、コンサバティブ、リベラル、プログレッシブ、ラディカルがあるが、ワッツはラディカル(社会変革)を重視している。【木村先生P98】
▼キャリアガイダンスの4つのイデオロギー
社会に焦点 | 個人に焦点 | |
変革 | ラディカル(社会変革) | プログレッシブ(個人的変化) |
現状維持 | コンサバティブ(社会統制) | リベラル(非指示的) |
2.○:パーニシャスには致命的、有害の意味がある。【木村先生P99】
社会正義のキャリアカウンセリングは、社会的な問題で不利益を被る可能性のある(あるいはすでに被っている)クライエントを手厚く支援し、自らキャリアを選択する幅を広げるべく支援する視点に立っている。【木村先生P100】
3.○:フアドとビンガムは、多文化キャリアカウンセリングの視点から、文化に配慮したキャリアカウンセリングのプロセスモデルを提唱している。
また、フアドは、クライエントの文化をカウンセラー自身はどう考えているのかという「メタ認知」を特に重視している。【木村先生P94】
4.○:1990年代頃から、先進各国の人口動態と軌を一にする形で、伝統的なキャリア発達理論が批判されるようになった。【木村先生P93】
問9.カウンセリングに関する理論
正答:3
1.×:「あるがまま」を重視するのは、森田正馬(まさたけ)が提唱した森田療法である。内観療法は吉本伊信が創始した精神療法で、浄土真宗に伝わる、「身調べ(みしらべ)」を前身としている。
2.×:ゲシュタルト療法は、パールズが創始した心理療法で、過去にとらわれず、未来を恐れず、「いま、ここ」での気づきを得る療法である。
共同体感覚はアドラー心理学(個人心理学)の特徴であり、家族や地域や職場の中で、「自らがその一員である」という感覚を持つことである。
3.○:システムズ・アプローチは、家族療法で用いられる手法であり、家族をシステムとして捉え、原因追及として、家族の誰かを悪者として追及することはしないアプローチのことである。
4.×:精神分析療法は、クライエントの症状や悩みの背後にある無意識的な葛藤や不満などを表出させることで、自己理解を深め、症状の改善や悩みの解決を目指す療法で、フロイトが有名である。
選択理論は、すべての行動は、外部からの刺激への反応ではなく、自らの選択であると考える理論であり、グラッサーの現実療法(リアリティ・セラピー)で重視する考え方である。
問10.カウンセリングに関する理論
正答:2
1.×:これはエリスが提唱した、論理療法の内容である。
ベックが提唱した認知療法も論理療法と同じく、出来事そのものではなく、その受けとめに焦点をあてるが、認知療法は、自動思考による認知の歪みを修正する。【木村先生P118】
2.○:三項随伴性はスキナーが発見したオペラント条件づけの原理を支えている。【ジルP124】
ねずみの実験で知られるスキナー箱では以下のように説明できる。
①先行刺激(空腹の状態やレバーの存在)
②行動(レバーを押す)
③結果(餌が出てくる)
これにより、②の行動が促進(強化)される。
3.×:これは交流分析ではなく、ゲシュタルト療法の内容である。
交流分析は、バーンによって開発された、自分と他人との交流パターンや人間関係に着目した心理療法であり、構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析の4つの分析により、人格的成長や不適応などの変容を図る。
4.×:これは精神分析療法ではなく、来談者中心療法の内容である。【木村先生P110】
カウンセリング理論対策には、楽習ノートプラスをご活用ください。
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