3-2グループアプローチの技能【テキスト編】

Check Sheet ONOFF

Check Sheet機能をご活用ください。

テキスト&一問一答(第4版)P224~P229

全体をつかもう

この出題範囲からは、概ね1問の出題があります。よく出題されるのはベーシック・エンカウンター・グループ、構成的グループ・エンカウンターの特徴に関する出題です。関連人物として、ベーシック・エンカウンター・グループはロジャーズ、構成的グループ・エンカウンターは國分康孝をおさえておきましょう。

時系列で確認する理論家と理論

グループアプローチに関する理論家と主要な理論、提唱年は次のとおりである。

1920年代、サイコドラマを創始したのは、モレノ

1946年、Tグループを創始したのは、レヴィン

1940年代後半、ベーシック・エンカウンター・グループを創始したのは、ロジャーズ

1970年代、構成的グループ・エンカウンターを創始したのは、國分康孝

グループアプローチ

キャリアガイダンスや、キャリアコンサルティングには、その対象を個人とする場合と、グループを対象として行う場合がある。

共通の目標や類似の問題を持つクライエント数人などのグループを対象とするキャリアガイダンスやキャリアコンサルティングのことを、グループアプローチという。

グループアプローチの効果を上げるための原則

グループアプローチの効果を上げるための原則として、次の点が挙げられる。

①双方向のコミュニケーションによるメンバー間の相互作用
②メンバー共通の目標(common goal)の共有
③メンバーの行動を規定する決まりごと、基準(norms)がある
④メンバーには一連の役割(roles)や特定の機能がある
⑤メンバーは個人的特徴を行使し合う
⑥各人のニーズを満たすようにグループが行動する

ベーシック・エンカウンター・グループ

ロジャーズが集団心理療法の手法として開発した。エンカウンターとは「出会い」を意味しており、メンバーが本音を言い合うことによって、相互理解、相互作用を深めるものである。フリートークを主体として行われるものをベーシック(非構成的)・エンカウンター・グループという。なお、通常は必要最低限のかかわりを行うファシリテーター(進行役)が存在する。

得点アップ

フリートーク主体なのが、ベーシック・エンカウンター・グループ。

構成的グループ・エンカウンター

國分康孝がゲシュタルト療法のワークショップを基礎として開発した。構成とは、条件(場面)設定をするということで、エクササイズ(用意された課題)を介して自己開示を促進し、シェアリング(振り返り)を行うことが特徴である。

得点アップ

エクササイズやシェアリングがあるのが、構成的グループ・エンカウンター。

構成的グループ・エンカウンターの原理

構成的グループ・エンカウンターの目的は、他者とのふれあいと自己発見であり、自己発見とは、他者は気づいているが、自分は気づいていない自分(自己盲点)に気づくことである。

構成的グループ・エンカウンターには次の3つの原理がある。

①あるがままの自分、本音に気づく
②エクササイズなどの枠を介しての自己開示が促進される
シェアリングによる認知の拡大や修正がなされる

構成的グループ・エンカウンターのルール

構成的グループ・エンカウンターでは、エクササイズや時間の設定とともに、次のルールを設定する。

①守秘義務がある
②批判的な発言や評価的な発言をしない
③発言の強要をしない
④エクササイズを強要しない

なお、構成的グループ・エンカウンターでは必要に応じてリーダーが介入を行う。

介入は、参加者が他者の尊厳を傷つけるような発言をしたときや、ルールが守られていないときなどに、グループのエクササイズを適切な軌道に戻すために必要に応じて行う。

構成的グループ・エンカウンターのシェアリング

エクササイズを介して、感じたことや気づいたことを、メンバーで振り返り共有することをシェアリングという。これにより、各個人の固有性を共有することにもなり、受容や共感的理解によって受容的態度を培うことができる。

なお、リーダーは上記のような介入をすることはあるものの、ファシリテート(進行)を行い、各個人の発言に対して、解釈、分析、批判はしないことに留意する。

構成的グループ・エンカウンターにおける抵抗

エクササイズなどで、自らの本音を表現することへ抵抗の原因については、精神分析理論の視点では、防衛機制とかかわりがあるとされ、具体的には次の3つを挙げている。

▼自らの本音を表現することへの抵抗の原因

抵抗の原因 内容
超自我抵抗 道徳原則に基づいた、プライドや倫理観に由来する抵抗
自我抵抗 現実原則に基づいた、本能的な満足を断念、延期させるような抵抗
エス抵抗 快楽原則に基づいた、本能的な満足を求める衝動的な抵抗

抵抗は排除しなければならないのではなく、本人がその抵抗に気づき、抵抗を乗り越えることができれば良いが、リーダーはこれらの抵抗への対処が必要になることがある。

構成的グループ・エンカウンターを支える理論

ゲシュタルト療法を基盤とし、論理療法、精神分析療法、行動療法、来談者中心療法、交流分析、特性因子論、内観療法など、様々なカウンセリング理論が、構成的グループ・エンカウンターを支えている。

その他のグループアプローチ

その他のグループアプローチには、レヴィンのTグループや、モレノのサイコドラマなどがある。

Tグループ

Tグループは、Training Groupの略であり、参加者相互の自由なコミュニケーションにより、自己理解、他者理解、リーダーシップなどの人間関係に気づきを得て、人間的成長を得るための学習方法であり、ゲシュタルト心理学者のレヴィンが提唱した。

なお、Tグループはロジャーズのベーシック・エンカウンター・グループの開発に大きな影響を与えたとされている。

サイコドラマ

サイコドラマは心理劇とも呼ばれ、クライエントが抱える問題を、演技を通じて自己理解を深めて解決を目指す集団心理療法であり、精神科医のモレノが提唱した。

監督(治療者)、演者(治療の対象)、観客、舞台、助監督の5つの要素があり、助監督は補助自我とも呼ばれ、演者を代弁したり、支えたりして、演者に本音を気づかせる。

セルフヘルプ・グループ

セルフヘルプ・グループは自助グループとも呼ばれ、同じ問題や悩みを抱えている人たちが、思いや体験を語り合い、悩みや苦しみを分かち合い、相互に援助し合うことで、自分らしく生きる力を得ようとする目的で集まるグループのことをいう。

対人関係ゲーム

言語的、非言語的に人とかかわり合う遊びによって、人と人とを心理的につなぐカウンセリング技法であり、行動療法を基礎としている。田上不二夫(たがみふじお)が開発し、学校現場などで活用されている。

様々なワークショップの手法

参加者が自発的な作業や発言、交流によって、学びや問題解決、トレーニングができる場のことをワークショップという。ワークショップには様々な方法があるが、ここでは過去に出題されたものを主に紹介する。

▼ワークショップの種類

種類 内容
ディベート 討論を行うこと。あるテーマが与えられ、賛成(肯定)・反対(否定)の2組に分かれ、議論を戦わせるための主張、質問、反論を繰り返すこと
ブレイン・ライティング法 旧西ドイツで開発された思考法。6人ずつの参加者で、3つずつアイデアを各自が考え、5分以内で用紙に記入し隣に回す方法でアイデアを書き出していく方法
コンセンサスゲーム 重大な問題に直面した際に、チームメンバーとの合意形成(コンセンサスを取る)をしながら一つの結論を導くゲーム
ワールドカフェ テーマについて小グループで自由に話し合い、一定時間後に1人を除いてグループを移動し、残った1人から説明を受けたのち再び対話を行い、これを繰り返す。あたかも参加者全員との話し合いをしたような効果がある

テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。

3-2グループアプローチの技能【一問一答編】

みん合☆聴くテキスト(第4版対応)目次