3-4相談過程において必要な技能(前半)【テキスト編】
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テキスト&一問一答(第4版)P236~P242
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この範囲からの出題は問40前後から7問~9問程度と多く出題されますが、対策しやすい内容も多く、合格作戦上、失点を防ぎたい出題範囲です。常識的にアプローチできる問題もありますが、安定して出題される「自己理解の支援」では、アセスメントツールの種類や特徴に関する正しい知識が問われます。しっかりと対策をしておきましょう。
相談場面の設定
クライエントとの相談に当たり、キャリアコンサルタントが留意すべき点として、物理的な環境と心理的な環境の整備がある。
物理的環境を整えるために
カウンセリングを成功に導くための条件の一つとして、メイヤーは物理的な環境を整えることを挙げている。相談場面における物理的環境は、次のような点に配慮する。
・キャリアコンサルタントが適切な服装を身につける
・キャリアコンサルタントとクライエントの間に物を置かないようにする
・静かな場所でキャリアコンサルティングを行う
・進行を遮る可能性のある電話等を切っておく、取り次がないようにする
・開始や終了の時間を守る
・必要な備品をそろえる(時計やティッシュ等)
着席の際には、一直線上に向かい合うよりも、90度から120度の角度をつけて座ることも望ましい。また、プライバシーの保護のため、オープンな場でのキャリアコンサルティングを極力避けることや、記録のための内容の録音等はクライエントの同意に基づいて行うことが大切である。
心理的な環境を整えるために
特にインテーク面談(初回面談、受理面談)においては、クライエントとキャリアコンサルタントとの間に信頼関係(ラポール、リレーション)をつくることが大切である。
相談場面における心理的環境は、次のような点に配慮する。
・ クライエントが話しやすい雰囲気をつくるため、キャリアコンサルタント自身の話し方、表情、態度、姿勢等に注意する
・ 支援の内容や保有資格、守秘義務等について、事前の説明、インフォームド・コンセントを行う
・ 到達目標や相談の範囲等については、クライエントの同意を得ながら進行する
・ クライエントが自己開示できるよう、キャリアコンサルタントは、受容的態度、共感的態度、自己一致(純粋性)を実践する
・ クライエントの自己決定権を尊重する
・ 専門領域と照らして、自らが対応することが不適切であると判断した場合には、他の専門家にリファー(紹介)する
なお、受容的態度とは、ありのままのクライエントの姿を受け容れることであり、共感的態度は、ただクライエントを純粋に感じ、あたかもキャリアコンサルタントがクライエント自身であるかのように感じることである。そして自己一致(純粋性)は、キャリアコンサルタント自身があるがままの自分でいることである。
自己理解の支援
自己理解の支援については、その重要性、方法、アセスメント(検査)の種類、アセスメント(検査)実施の際の留意点についてよく出題される。
自己理解の重要性
キャリアコンサルティングの第一歩は、クライエントの自己理解である。自分をいくつかの視点から見つめ直し、自分の像を明らかにする。自己理解の意義と特徴は、次に挙げるとおりである。
・自分の像を明らかにし、自分の言葉で説明できるようになる
・自分を描写する方法は、客観的であるべき
・自己と環境との関係を知る
・自己理解は包括的であり、継続的に行われる
自己理解の方法
自己理解の方法には、観察法、検査法、面接法がある。
観察法はクライエントの表情、態度、行動等を観察し、客観的な記録分析を行う。検査法は、アセスメントツールなどを活用した検査を実施する。面接法はクライエントと直接面接することにより理解する。
▼自己理解の方法
| 方法 | 種類や特徴 | |
| 観察法 | 自然的観察法 | あるがままを観察し記録 |
| 用具的観察法 | 検査等を用いて観察し記録 | |
| 実験的観察法 | 場面や状況を設定して観察し記録 | |
| 検査法 | 知能検査、適性検査、学力検査 | |
| 性格検査、興味検査、進路適性検査 | ||
| VPI職業興味検査、職業レディネス・テスト等 | ||
| 面接法 | 面接により、クライエントを直接理解する | |
アセスメント(検査)の種類
検査に用いるアセスメントツールは、個人の特性を科学的・客観的に測定できるため、自己理解に役立つ。主なアセスメントツールの種類とその対象者、特徴について整理する。なお、これまでに次に示す11種類が出題されている。
▼検査の種類、対象者と特徴
| 種類 | 対象者 | 特徴 |
| VPI職業興味検査 | 短大生、大学生以上 | ホランド理論に基づくVPIの日本版。6つの興味領域(RIASEC)に対する興味の程度と5つの傾向尺度(自己統制、男性-女性傾向、地位志向、稀有反応、黙従反応)を表示する。160個の職業名に対する興味の有無を回答する |
| 職業レディネス・テスト(VRT) | 中学生・高校生(大学生も可) | ホランド理論に基づく6つの興味領域に対する興味の程度と自信度を表示する。職業興味を測定するA検査と基礎的志向性を測定するB検査、職務遂行の自信度を測定するC検査からなる |
| 新版OHBYカード | 児童・生徒~若者、中高年 | 職業カードソート技法を行うために開発されたカード式職業情報ツールであり、48枚のカードにまとめられている。自分の興味や関心とともに必要最小限の職業情報も得ることができる |
| 厚生労働省編一般職業適性検査(GATB) | 中学生~成人(45歳程度) | 11種の紙筆検査と4種の器具検査からなり、9つの適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を測定する |
| VRTカード | 児童・生徒~成人 | 職業レディネス・テストの職業興味及び職業遂行の自信度の検査部分をカード化し、簡便に測定できるもので、54枚のカードに書かれている仕事内容への興味や、その仕事を行うことについての自信を判断していくことで、興味の方向や自信の程度が簡単にわかる |
| (内田)クレペリン検査 | 中学生~成人 | 作業能率等の能力面の特徴、持ち味やクセといった性格・行動面の特徴の2つの側面がわかる |
| キャリア・インサイト(統合版) | 若者~中高年 | 職業選択のための適性評価、適性に合致した職業リスト参照、職業情報の検索、キャリアプランニング等を実施できる総合的なキャリアガイダンスシステムであり、18歳から34歳程度の若年者向け(EC:アーリーキャリア)と35歳から60歳代程度で職業経験のある方向け(MC:ミッドキャリア)がある |
| 新版TEG3 東大式エゴグラムVer.3 | 16歳以上 | バーンによって提唱された、交流分析理論に基づき、誰もが持っている5つの自我状態のバランスから性格特徴を知り、自己理解を深める。オンライン版、検査用紙、マーク式用紙の3種類の実施方式がある |
| CADS&CADI(Ver2.2) | 企業の従業員等 | CADS(キャッズ)は自己理解を深めるためのワークシート、CADI(キャディ)は、変化に対応していくキャリア形成力と個人的傾向を把握するための心理学的検査である |
| Y-G性格検査 | 小学2年~成人 | 行動特性、情緒の安定、人間関係に関する特性、仕事に取り組む姿勢、リーダー資質、集団や社会的な場面での適応性、知覚の特性といった性格の特性がわかる |
| キャリアシミュレーションプログラム(CSP) | 大学生・若者 | 就業経験のない(あるいは浅い)大学生等や若年者向けに開発された、就職後の職業生活のイメージを伝えるためのグループワーク型授業用教材。主として大学2~3年生を対象とした集団実施を想定している。シミュレーションとふりかえりの2部構成で構成される |
アセスメント実施の際の留意点
アセスメントの実施に当たっては次の点に留意して行う。
・検査の限界を認識する
・目的に応じた、妥当性・信頼性の高い検査を選定する
・手引き等を遵守して実施する
・結果の解釈においては、拡大解釈をしない
・結果のフィードバックを行う
・今後のキャリアコンサルティングのために記録、保管を行う
なお、妥当性と信頼性の「妥当性」とは検査の対象や目的に対して適切な検査であるかどうかをいい、「信頼性」とは検査結果の正確性を表す。
エンプロイアビリティとコンピテンシー
自己理解において、重視すべき自らの職業能力の視点として、自らが持つエンプロイアビリティとコンピテンシーを把握していることが重要である。
▼エンプロイアビリティとコンピテンシーの意味
| 用語 | 意味 |
| エンプロイアビリティ | EmployとAbilityを合わせた語句。「労働移動を可能にする能力」+「当該企業の中で発揮され、継続的に雇用されることを可能にする能力」と日経連(現・日本経団連)が定義 |
| コンピテンシー | 高業績者の成果達成の行動特性 |
続きは後半をご覧ください。
テキスト編は以上です。一問一答編で知識を確認しましょう。