【技能検定】第32回問36~問40の解き方

第32回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問36.相談過程の総括

【A】木村先生の著書に根拠を見いだせますが、読んでいなくても、支援の基本姿勢から判断しましょう。

正答:3

1.×:カウンセリングの終了を正式に宣言し、クライエントとカウンセラーがその後も延々とカウンセリング関係を続けることを避ける。【木村先生P399】

2.×:一定の期間に一定の方法でフォローを行うのは良いが、「頻繁に」フォローすることまでは必要ない。カウンセリングやカウンセラーへの依存を防ぐことも大切である。【木村先生P399】

3.○:カウンセリングの終了時に行うこととして適切である。【木村先生P399】

4.×:過度な依存を防ぐことは重要だが、将来、必要があればカウンセリングに戻れるようにすることも伝える。【木村先生P399】

問37.相談場面の設定

【B】閉ざされた質問というと、「多用は避ける」とインプットしている方が多いかもしれませんが、選択肢1のように有効な活用法もあります。なお、本問は2級第25回問33とまったく同じ問題でした。

正答:1

1.○:閉ざされた質問は短い言葉や、はい、いいえで答えられるため、リレーションが十分に出来ていない段階では、クライエントが回答しやすいメリットがある。

2.×:感情を先取りして、は適切ではない。相手の話をよく聴いて、相手が直前に話したことや少し前に話したことに、しっかりついていくことが大切である。

3.×:話が脱線したり拡散した時や話が続けられずに困っているときは、むしろ要約を行うことは適切である。

4.×:感じ取った感情表現をクライエントに伝え返し、その感情を言語化していくことは有効である。

問38.自己理解の支援

【C】統計学の中では基礎的な用語かもしれませんが、馴染みのない人には大変難しい問題です。総務省統計局の「なるほど統計学園」が比較的わかりやすいです。

なるほど統計学園

正答:4

1.×:集団の中心的傾向を示す値を代表値といい、代表値の一つで最も度数の多い値を、最頻値という。【総務省統計局

代表値には他に、平均値や中央値がある。

2.×:2つの変数の関係を数量的に表すのは、相関係数である。【総務省統計局

3.×:母集団から抽出した標本の特徴を表す統計量を母数という。【参考サイト:統計用語集-統計WEB

4.○:データを標準化すると平均値は0に、標準偏差は1になる。

もしくは、平均値が0に、標準偏差が1になるように変換する作業のことを標準化する、という表現もできる。

偏差は平均値からの差のことであり、標準偏差は標準的な平均値との差のことである。【総務省統計局

例えば、1~6の数字を全て足すと21となり、6で割り算をすると平均は3.5となる。

それぞれの数字の平均との差(例:1であれば1-3.5=-2.5)を全て合計すると0になるため、それを6で割っても0であり、平均値は0となる。

また、平均3.5に対する標準偏差を算定すると、約1.87となり、1から6の数字を1.87で割ると、標準化された数値が算定できる。

標準偏差の算定は、以下のサイトで行い、標準化(換算)された数値は以下である。

標準偏差電卓

0.53
1.07
1.60
2.13
2.67
3.21

これらの標準偏差を算定したところ、1.001…とほぼ1となった。

統計学を学ぶ機会がこれまでになく、馴染みのない内容のため、いろいろ調べ説明を組み立てており、おかしなことを言っていましたら、お手数ですがご指摘ください。

問39.自己理解の支援

【B】選択肢2の文章の解釈が難しく、消去法で2を残しましたが、難易度はC寄りのBと感じます。

正答:2

1.×:文意がやや捉えにくいが、アセスメントの結果は、期間的な間隔を空けて再度行うと、違いが出てくることもあり、固定的で確定的なものではなく、流動的で暫定的なものと捉える。

2.○:アセスメントの結果は一つの結果であり、それを過信してはならないし、ある一面を示しているに過ぎない。

そのため、結果の解釈や、その後の意思決定について話し合いを行うこと自体は適切である。

ただし、結果を拡大解釈したり、キャリアコンサルタントの価値観によって、恣意的に、ある方向へ誘導するようなことはあってはならない。

3.×:クライエントにとって、職務分析の方法を学ぶことは重要な目標ではない。

職務分析とは、仕事の内容と責任(職務の作業内容)、要求される能力(職務遂行要件)を調査、分析して、職務記述票などに記述することである。【木村先生P186】

4.×:結果の解釈は両者で行い、どのような情報が有用かは、最終的にクライエントが判断する。

問40.仕事の理解の支援

【C】しょくばらぼは、両試験でまだ本格的な出題がなかったため、総仕上げ模試などでも要注意とお伝えしていましたが、出題内容は予想よりも細かい内容で難問でした。

しょくばらぼについては、頻出化する可能性がありますので、内容を確認しておきましょう。

しょくばらぼ(しょくばらぼについて)

正答:1

1.×:しょくばらぼ(職場情報総合サイト)は、若者雇用促進総合サイト女性の活躍推進企業データベース両立支援のひろばなどに掲載されている職場情報を横断的に検索、参照出来るサイトである。

2.○:掲載している職場情報は以下である。

・企業の基本情報
・採用状況に関する情報
・働き方に関する情報
・女性の活躍に関する情報
・育児、仕事の両立に関する情報
・能力開発に関する情報
・ハローワークインターネットサービスに掲載されている求人情報

3.○:画面上部に日本語/英語の言語切替ボタンがあり、英語表示が出来る。

4.○:くるみん認定、えるぼし認定、ユースエール認定、グッドキャリア企業アワード(受賞企業)や健康経営銘柄、イクメン企業アワード(受賞企業)など、さまざまな認定や受賞歴での検索が可能である。【しょくばらぼ

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