第30回問26~問30の解き方

第30回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問26.学校教育制度及びキャリア教育の知識

【B】GIGAスクール構想は、今回が初めての出題でした。コロナ禍の影響もあり、端末や通信環境などのハード面の整備が進み、現在はそれらをより効果的に活用する方法の検討という次の段階へ進んでいると考えられます。

正答:3

1.×:2人に1台ではなく、1人に1台の端末の整備である。

コロナ禍におけるオンライン授業等への必要性も追い風となり、令和6年の時点で既に1人1台端末は実現し、端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムとなっている。【文部科学省:PDF

2×:特別な支援を要する児童生徒に対する学習活動等の支援も目指すものであり、特別支援学校も対象である。【文部科学省:PDF

3.○:ネットリテラシーという用語ではなく、情報モラルという用語を使用しているが、ICT活用の学習の例として以下が挙げられている。

実際に情報・情報技術を活用する場面(収集・発信など)が増えることにより、情報モラルを意識する機会が増加する。【GIGAスクール構想の実現へ:PDF

4.×:国語の学習においても、文書作成ソフトで文章を作成し、コメント機能や校閲機能を用いてよりよい文章作成に役立てている。【GIGAスクール構想の実現へ:PDF

問27.メンタルヘルスの知識

【B】具体的な精神障害に関する出題内容では、最近は発達障害に関する出題が目立っています。第28回問30第29回問30も、あわせて演習しておきましょう。

正答:4

1.○:学習障害(限局性学習障害)の特性として適切である。

「話す」「理解」は普通にできるのに、「読む」「書く」「計算する」ことが、努力しているのに極端に苦手である。【厚生労働省

2.○:広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の特性として適切である。

見通しの立たない状況では不安が強いが、見通しが立つ時はきっちりしている。【厚生労働省

3.○:気分障害の一種である双極性障害では、躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことがみられる。【こころの情報サイト

4.×:次々と周囲のものに関心を持ち、周囲のペースよりもエネルギッシュに様々なことに取り組むことが多いのは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴である。【厚生労働省

注意欠陥多動性障害(ADHD)の主な特徴は、不注意(集中力がない、忘れっぽい)、多動性(落ち着きがない)、衝動性(考えずに行動する)の3つである。

なお、パニック障害は、突然、激しい動悸、息苦しさ、めまいなどの身体症状と共に死への強い恐怖などに襲われる「パニック発作」が繰り返されることが特徴である。【厚生労働省

問28.メンタルヘルスの知識

【A】厚生労働省白書からの大問での出題は第20回問1以来でしたが、内容的には時事問題ではなく、白書の中のコラム(MEMO)から、ストレスに関する知識を問う問題でした。選択肢2の積極的な選択は困難ですが、消去法でアプローチしましょう。

正答:2

 令和6年版厚生労働白書

1.○:ストレスの内容として適切である。【P6】

2.×:もともとは物理学の言葉で、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態をいう。その後、アメリカの生物学者が生理学に応用し、カナダの医学者のハンス・セリエが研究を進め、「ストレス学説」を唱えたのが、「ストレス」の始まりといわれている。【P6】

北里柴三郎は「日本近代医学の父」とも呼ばれる細菌学者であり、世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功、血清療法の基礎を築いたほか、ペスト菌の発見者である。【参考サイト:くすり偉人伝(日本製薬工業協会)

3.○:ストレッサーの内容として適切である。

なお、普段、私たちが「ストレス」というものの多くは、この心理的・社会的なものである。【P6】

4.○:ストレスへの適応、不適応の内容として適切である。

なお、同じストレッサーでも受け止める人によって「よいストレス」になるか「悪いストレス」になるかが大きく異なる。【P7】

問29.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識

【A】出典は岡田先生の著書と思われます。エリクソンは青年期のアイデンティティの確立を重視しています。そして、人間の生涯を8つの発達段階に分類、各段階での発達課題を整理した、個体発達分化の図式(漸成的発達理論)を提唱しました。

正答:2(A.アイデンティティ B.人間生涯全般 C.ライフサイクル)

アイデンティティを中核として人間生涯全般を捉えるライフサイクル論に基づき、心理社会的発達を「個体発達分化の図式」に示した。【岡田先生P80】

問30.人生の転機の知識

【A】シュロスバーグは、大問では久しぶりの出題で、定番の4Sの内容を問う問題でしたが、4つのSに該当するものが選択肢2のみでしたので、正答の選択は容易でした。

正答:2

1.×:これはSituation(状況)の内容である。【渡辺先生P196】

2.○:Support(周囲の援助)の内容として適切である。【渡辺先生P197】

3.×:これはSelf(自己)の内容である。【渡辺先生P196】

4.×:これはStrategies(戦略)の内容である。【渡辺先生P198】

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