第8回問06~問10の解き方

第8回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問6.キャリアに関する理論

 シャインのキャリア・アンカーが出題されました。キャリア・アンカーの種類ではなく、それぞれの意味が問われましたが、内容の判定は比較的易しめでした。なお、キャリア・アンカーについては、第1回問6で詳しく問われています。

1.○:起業家的創造性は、「新規に自らのアイデアで起業・創業することを望む」。【渡辺先生P119】

2.○:全般管理コンピテンスは、「総合的な管理職位を目指す」。【渡辺先生P118】

3.○:生活様式は、「仕事生活とその他の生活との調和/バランスを保つことを重要視する。なお、このアンカーは最近増加の傾向にある」。【渡辺先生P120 】

4.×:純粋な挑戦は、「誰もしたことがないことに取り組むことを求める」。挑戦すること自体に価値を置くため、選択肢の内容は不適切である。【渡辺先生P119】

キャリア・アンカーは、特定専門分野/機能別のコンピテンス、全般管理コンピテンス、自立/独立、保障・安定、起業家的創造性、純粋な挑戦、奉仕/社会献身、生活様式の8つです。皆様のキャリア・アンカーも一度考えてみましょう。

問7.キャリアに関する理論

 キャリア・アダプタビリティに関して問われた設問です。キャリア・アダプタビリティに関する設問は、第5回問8でも問われています。

1.×:ホランドではなくスーパーである。キャリア・アダプタビリティは、「スーパーの研究を引き継ぎ、キャリア構築理論のなかに、キャリア・アダプタビリティを中核概念として取り入れた」。【渡辺先生P182】

2.×:キャリア・アダプタビリティは、関心、統制、好奇心、自信の4つの次元から構成されている。【渡辺先生P186】

3.○:「キャリア・アダプタビリティを向上させることの目的は、自己概念を実現することにある」。【渡辺先生P185】

4.×:安定性から機動性へと働き方が変わりつつある昨今的状況を考察したサビカスは、「機動性という変化を常態するキャリア構築の概念としてキャリア・アダプタビリティの重要性を主張している」。【渡辺先生P184】

各理論家に関して、その背景や経緯、その理論が詳しく記されているのが渡辺三枝子先生のこちらの書籍です。出典となることも多く、試験対策的には、木村先生の書籍の次にオススメの書籍です。

養成講座で学んだ各理論家の理論の知識を肉付けするには最も適した書籍です。

問8.キャリアに関する理論

 ハーズバーグは誤った選択肢での出題はありましたが、大問、正解選択肢での登場は初めてです。バンマーネンも聞き慣れないキャリア理論家です。これを機に、木村先生第2章を熟読しておきましょう。

1.○:ハーズバーグは、職務満足や不満足を規定する要因として、動機づけ要因と衛生要因があるとした。なお、衛生要因の改善は不満足を減少させるが、職務満足は動機づけ要因の充足によって初めてもたらされるとした。【木村先生P60】

2.×:組織内キャリアを「機能」、「地位」、「中心性」の3次元のモデルから説明したのは、シャインである。【木村先生P62】

3.×:これら3つの次元の相互作用によりキャリアの形成や変革がもたらされるとしたのは、バンマーネンである。【木村先生P62】

4.×:これはマズローの欲求段階説の説明である。生理的欲求、安全の欲求、所属と愛情の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現の欲求の5つの階層は覚えておこう。【岡田先生P23】

問9.キャリアに関する理論

 スーパーの理論に関して、主に木村先生の著書からの出題です。本文に馴染んでいないと答えづらい選択肢もありました。

1.×:「成人期以降のキャリア行動は、その個人の暦年齢ではなく社会的年齢によって規定される。」【木村先生P39】

2.×:5つのステージ、段階を設定した。成長段階・探索段階・確立段階・維持段階・下降段階の5つである。【木村先生P37 】なお、下降段階は解放段階ともよばれる。【渡辺先生P41】

3.×:(6/12修正)出題意図が汲み取れていない可能性もあるが、職業的用語ではなく、職業的発達課題に置き換えられる。

職業的発達の12の命題の4より、「自己概念は、青年期以前に形成され始め、青年期にさらに明確となり、青年期に職業的用語に置き換えられる。」【木村先生P35】

4.○:「職業発達は、個人の全人的な発達の1つの側面であり、他の知的発達、情緒的発達、社会的発達などと同様、発達の一般原則に従うものである。」【木村先生P36】

問10.キャリアに関する理論

 スーパーの発達段階について、一瞬身構えてしまう選択肢でしたが、肩の力を抜いて消去法でアプローチしましょう。仲間外れは比較的探しやすい選択肢でした。

維持段階といえば、成長→探索→確立→『維持』→下降(解放)という段階です。記述内容(課題)がこのタイミングに該当するか、しないかを考えてみましょう。

1.○:渡辺先生の著書にそのままの記述もあるが、一読して積極的にバツにすることもできない選択肢である。【渡辺先生P43】

2.○:渡辺先生の著書にそのままの記述もあるが、維持段階は40歳中期から退職までの時期であり、これはありうる。【渡辺先生P43】

3.×:希望する仕事をする機会を見つけるのは、20代の成人前期における課題。維持段階においては、あまり相応しくない。【渡辺先生P42】

4.○:渡辺先生の著書にそのままの記述もあるが、この時期における課題として相応しい。

参考文献・資料

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2007年) 

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

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