はじめの一歩~学習方法編

こちらのページでは、スタートアップガイド「はじめの一歩~学習方法編」をお伝えします。「はじめの一歩~マインドセット編」をまだお読みでは無い方は、はじめにマインドセット編をお読みください。

過去問は実力テストではありません。

前編のマインドセット編でもお伝えしましたが、学習スタート時には、最近の回の中から、1回分の過去問を解くことをおすすめしています。

何点が取れたのかは、全く気にしないでください。
悲観も油断も、しないでください。

現在の得点と合格ラインとの差は、これから試験までの期間の伸びしろにほかなりません。まずは、合格への距離を探りましょう。現在地を確認しましょう。

あと10問、あと5問、と合格ラインまでの距離を詰めていき、合格ラインプラス5問、10問を目指していくことが、試験対策の基本戦略です。

また、過去問で合格ラインを確保しているからと言って、油断をしないでください。本試験では、事前に過去問を解いた際と比べ、5問~10問、正解数を減らしてしまう方が少なくありません。

自分が受けた試験が最も難しかったという感想を持つ方が、どの回でも多いです。

それは、当日の緊張感や不安、焦りなどから、事前に過去問を解く際よりも「迷う」からでしょう。

過去問解説で正誤と解説、出典を確認しましょう。

そのため、試験当時に「迷う」問題を一つでも減らすために、自信を持って答えられる問題を増やしていきましょう。

知らなかった問題間違えた問題は、過去問を解いた後に、必ず選択肢ごとの正誤と解説を確認しましょう。これが過去問を解くことの目的です。

その際には、是非、みん合の過去問解説をご活用ください。過去問解説の見方や活用法を紹介します。

【過去問解説の例:第24回問7の過去問解説を一部抜粋】

問題番号と出題範囲名を記載し、出題のポイント、難易度などをコメントした後に、正答、各選択肢の正誤、具体的な解説、出典となったと思われる書籍や資料の参照ページを掲載しています。

時事問題や雇用指標に関する問題の場合には、官公庁等の資料や文献の名称とページ数、サイトや資料へのリンクを掲載しています。また、同じ理論家の問題や同じ内容など、過去に出題された類題の情報などを随時掲載しています。

難易度評価をしています。

国家試験の第15回以降の過去問解説では、「難易度評価の一覧表」を作成しています。ABCランクで問題を評価しており、Aは易しい、Bは差がつく、Cは難しいと評価をしています。各回の過去問解説のページに一覧表も用意しています。

 第24回難易度評価の一覧表

ただ、Cランクの難問であっても、今後、同じような内容が出題された場合には、がっちり獲得すべき問題(AかBランク)へと変わります。間違えた問題は、解説を読み、可能な限り出典を確認し、「なるほど。」と腑に落ちたらヨシとしましょう。

間違えた問題は伸びしろです。

知らないことを知る」、または既に知っている内容については、「試験ではどのように問われるのかを実感する」ことが、試験対策の要と言えるでしょう。

過去問題は、印刷してファイリングし、それほど時間を置かずに、数日または、数週間後に、間違えた問題を中心にもう一度解き、根拠を持って正誤判断ができれば、試験に出てもまず大丈夫。また、間違えた問題は、スマートフォンに撮影し、移動時間などに見返すのもおすすめです。

一度解いたものは、是非、もう一度(不安なものは二度)解きましょう。

知識の定着には、二巡、三巡の繰り返しが有効です。

特に出題数の多い書籍(参考書)があります。

主なキャリア理論、カウンセリング理論(療法)は、海外の研究者や実務家の理論(療法)が多いこともあり、日本の研究者、実務家の「日本語訳」には差異や個性があります。

ですから、よく出題されている参考書の表現に普段から馴染んでおくことが大切です。選択肢の文章は、参考書や資料から、そのままの文章、語句で出題されていることは多いです。この点も、養成講座テキストが、必ずしも試験対策テキストでは無いと感じる理由の一つです。

そして、出典と思われる内容が多い参考書の1位と2位はこちらの市販書籍です。

【第1位】キャリアコンサルティング理論と実際6訂木村周/下村英雄共著

これまでの試験では、平均して毎回6問~7問の出典となっていると思われる書籍です(みん合調べ)。キャリア理論、カウンセリング理論(療法)、自己理解、職業理解、システマティックアプローチやグループアプローチなど、記述内容は非常に幅広く、教科書的な存在です。

ただし、出題箇所には偏りがあるため、全編を読み込むというよりは、出題箇所を参照していく使い方が良いでしょう。

【第2位】新版キャリアの心理学第2版渡辺三枝子著

キャリアに関する理論で、これまで平均して毎回3問~4問が出題されています。理論家ごとに章立てがされており、考え方の背景や学問的な人脈なども含め、理解を深められることが特徴です。出題箇所をチェックしつつ、興味のある理論家の章からでも良いので、じっくり読んでみると発見があるでしょう。

他の出典と思われる参考書等については、過去問解説の中や、こちらの教材ガイドでご確認ください。

木村先生、渡辺先生の2点は、手元に揃えておき、参照できるようにしておくと便利です。最低限、出たとこチェックをしてください。同一箇所をチェックすることも多く、出題傾向を掴むことに繋がります。  

得意はさらに伸ばし、苦手はじっくり克服しよう。

過去問を1、2回分程度を問1から問50まで解いてみると、出題内容や出題順序、レベル感等が掴めてくるでしょう。本試験では35問の合格ライン確保がみなさんの必達目標です。

そのため、あまり完璧主義になってもいけません。35問を確保する作戦を立てていきましょう。みなさんの時間は有限ですから、こってり/あっさり、メリハリをつけ、苦手を減らし、得意を増やしていきましょう。

過去問1、2回分解いた後は、拙著「テキスト&問題集」を早めに一巡することをおすすめています。

本書は、出題範囲ごとに、重要の内容や出題が予想される内容のまとめを赤色チェックシートを用いて確認、一問一答問題で知識の定着を図ることができる教材です。

最初は理解半分でも良いですから、早めに一巡をさせると、試験の全体像や頻出の内容、選択肢での問われ方の特徴を掴むことができ、知識の凸凹が解消され、その後の過去問演習がスムーズになります。

持ち歩きがしやすい大きさですので、移動時間や隙間時間に使用するのもおすすめです。

過去問攻略法としての「ヨコ解きとタテ解き」

続いて、過去問を解く(解きまくる)時期には、得意は伸ばし、苦手は克服していくために、みん合では過去問を出題範囲(項目)ごとに、回数横断的に解く、「ヨコ解き」をおすすめしています。

例えば、国家試験の21回から24回+2級技能検定の29回から31回の合計6回分の「メンタルヘルスの知識」の問題を一気に解いてしまおう、という方法です。

「メンタルヘルスの知識」からの出題は、国家試験では毎回2問、2級技能検定では毎回3問出題されますから、過去問6回分で合計15問あります。

それにより、その出題範囲の出題傾向、よく出題されるテーマや、度々登場する出典資料などを体感することができ、今後の出題に備えることができます。

また、テキスト&問題集総仕上げ問題集も、原則として出題範囲ごとに編集していますので、ヨコ解きの前後にそれらの書籍を活用すると、より効率的に学習ができます。

それに対して、過去問を回ごとに問1から問50まで解くことを「タテ解き」と呼んでいます。タテ解きは、学習初期段階に試験範囲の全体像を掴む際や、試験直前に、みん合☆総仕上げ模試などで、予行演習をする際に適しています。

普段の学習はヨコ解き、出題範囲ごとの学習をおすすめしていますが、タテ解きの際には、練習用の答案用紙をご活用ください。

キャリアコンサルタント試験「合格シート(答案用紙)

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

ヨコ解きの際には、問題番号ごとに出題範囲名を明らかにして整理した、出題範囲マトリックス・タテヨコくんを活用して、出題範囲を確認しながら、過去問を解いていきましょう。下記より、どなたでも無料でダウンロードできます。

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

タテヨコくんの使い方、過去問を解く際の注意点などは別の記事にまとめていますので、お時間のあるときにご覧ください。

過去問の解き方、私の場合(タテヨコくんのススメ)

何回分、過去問を解けば良いの?問題。

タテヨコくんを見て、「こんなにたくさんの過去問、気が遠くなるよ…。」という方もいらっしゃるでしょう。

合格したみなさんが過去問を何回分やったのか?のアンケート結果を紹介します。最近の試験では特に難易度が高かった、第24回でのアンケート結果です。

出典:第24回試験アンケート結果の公開【過去問回数編】

4回~6回分」、「7回~10回分」の割合が高いようですが、過去問の回数と合格率(自己採点)の関係は次のようになりました。

出典:第24回試験アンケート結果の公開【過去問回数編】

合格率は「7回~10回分」が最も高い結果となりましたが、いきなり10回分というのも、気が遠くなってしまいますから、まずは3回分、6回分程度を目標にして、ご自身の得意不得意を把握したうえで、それらの補強をしましょう。

2級の過去問題を取り入れましょう。

また、出題範囲が全く同一で、出題順序もよく似ている、2級キャリアコンサルティング技能検定の直近3回分などの過去問を解いておくのも有効です。

相互に似たような内容やトピックが出題されることもあります。

合格率での裏付けもあり、2級技能検定の学科試験を、国家試験対策に活用した受験生の合格率もやはり高いです。

2級の過去問を国家試験対策に活用したかについては、第24回試験のアンケートでは、1回分でも実施している場合の合格率は80.5%、やっていない場合の合格率は73.4%で、7.1ポイントの差がありました。

出典:第24回試験アンケート結果の公開【過去問回数編】

回数で最も合格率が高かったのは「3回分」で83.9%です。国家試験問題と組合せて活用すると、効果が高いと考えています。

みん合では、国家7回分程度+2級3回分の合計10回分程度を過去問演習の目標にすることをおすすめしています。

もしくは、国家直近3回分+2級直近3回分の全6回分に、総仕上げ問題集(全200問)や、みん合☆総仕上げ模試(これまでの4回分)を組み合わせることで、全10回分の問題量を確保することができます。

この試験を長く見てきて、本試験で出題される、四肢択一形式の問題、500問(2,000選択肢分)が、難易度に関わらず、合格に必要な問題演習量の目安になると考えています。

これならば、例えば、試験まで残り2ヶ月、土日中心の学習でもなんとかなるのではないでしょうか。

おすすめしている過去問の回

出題範囲表が改定された、2020年度の試験回からの問題を学習素材として活用することをおすすめしています。

具体的に国家試験は第15回以降2級技能検定は第25回以降の過去問題です。

2020年度の出題範囲表の改定は、学習内容の変更はほぼなく、出題範囲の区分や出題順序の変更が中心のため、それ以前の過去問も大部分は無駄にはなりませんが、時事的な問題などはやはり古くなってしまっていますから、上記の回以降の過去問が良いでしょう。

古い過去問は意味あるの?問題。

「古い過去問をやって、意味あるの?」と気になる方もいるかもしれませんが、国家試験が始まったのは2016年。キャリア理論やカウンセリング理論(療法)などは、この数年の間で大きく変わったものはなく、それらの出題傾向にも、大きな変化はありません。

ただし、完全失業率などの統計データ、法令制度の制定改廃の影響はあります。

そのため、みん合では、毎年、定期的に過去問解説を見直し、今後の試験対策に活用できるよう解説の内容を追記するなどして改訂を行っています。

過去問演習の際に、随時、最新の数値、傾向、制度の変更や気になる情報を確認することができます。

なお、直近3回分の過去問解説は、どなたでもご覧になれますが、それ以前の回の過去問解説や、出題範囲が国家試験と同様で、出題内容が類似している2級技能検定の過去問解説(18回~)などは、みん合☆プラス会員向けに限定公開をしています。

学科試験対策の強い味方に、是非ご検討ください。

みん合☆プラス会員のご案内

最後に試験対策書籍を紹介し、はじめの一歩~学習方法編を締めくくります。

みん合書籍のご紹介

学科試験テキスト&問題集

「テキスト&問題集」は、これまでの出題内容を研究、整理、分析をして、出題された項目を中心とした要点まとめと、主に過去問題の改題からなる一問一答問題を掲載し、出題範囲ごとに効率よく知識を身につけ、合格力を養成します。

赤色チェックシート付きで、キーワードの暗記にも役立ちます。移動時間や隙間時間に活用している方も多いです。

また、理論家のキーワードをまとめた特典動画も好評です。

総仕上げ問題集

「総仕上げ問題集」は、出題範囲ごとに出題傾向や対策のポイントをまとめたページを一読してから、四肢択一式問題を解くことで、試験対策のポイントや実際の試験での解き方を実感できる、合格対策に必携の一冊に仕上がりました。

読者特典の一問一答Webアプリや書籍に収載されている模擬問題の解説動画もあります。

これらの書籍は、みん合☆プラス会員のご入会時にセットでお得にお求めになることも出来ます。お持ちではない方はご検討ください。

書籍とサイトを併せて、試験対策にご活用ください。

合格目指して、一緒に頑張っていきましょう。

応援しています。

みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験 

原田 政樹 

(最終更新:2024年1月)