はじめの一歩~学習方法編

こちらのページでは、スタートアップガイド「はじめの一歩~学習方法編」をお伝えします。「はじめの一歩~マインドセット編」をまだお読みでは無い方は、はじめにマインドセット編をお読みください。

過去問解説で正誤と解説、出典を確認しよう。

マインドセット編では、まず、学習スタート時に、最近の回の中から、1回分の過去問を解いてみることをおすすめしています。

何点が取れたのかは、全く気にしなくても良いです。

現在の得点と合格ラインとの差は、これからの期間の伸びしろに他なりません。まずは、合格への距離感を探りましょう。あと10問、あと5問の距離を詰めていき、できれば合格ラインプラス5問、10問を確保していくことが、試験対策の基本戦略となります。

間違えた問題は伸びしろに他なりませんから、過去問を解いた後には、選択肢ごとの正誤と解説を確認しましょう。

その際には、みん合☆の過去問解説をご活用ください。

過去問解説では、各選択肢の解説(正誤のポイント)と出典と思われる書籍や資料と参照するページ数などを記載しています。

過去問解説の見方や活用法を紹介します。

【過去問解説の例:第21回問7の過去問解説を一部抜粋】

出題のポイントや難易度の評価などをコメントした後に、各選択肢の正誤判定、解説、出典となったと思われる書籍や資料の参照ページを掲載しています。

時事問題や雇用指標に関する問題の場合には、官公庁等の資料や文献の名称とページ数、サイトや資料へのリンクを掲載しています。

また、同じ理論家の問題や同じ内容など、過去に出題された類題などは、「ヨコ解きリンク」として過去問解説へのリンクを付しています。

難易度評価をしています

上記の過去問解説の見出しのタイトルは出題範囲表に記載されている「出題範囲名」で、その右に☆マークを付している問題が一部あります。

☆マークを付している問題は、出題頻度が高いものや、比較的容易に解くことができる、本番では必ず獲得したい、Aランクの問題です。

なお、国家試験の第16回以降の過去問解説では、「難易度評価の一覧表」を毎回作成しています。

ABCランクで問題を評価していますので、攻略の参考にしてみてください。各回の過去問解説のページにご用意をしています。

 第21回キャリアコンサルタント試験(学科)難易度評価の一覧表

間違えた問題は、解説を読み、可能な限り出典を確認し、「なるほど。」と腑に落ちたらヨシとしましょう。

「知らないことを知る」、または既に知っている内容については、「試験ではどのように問われるのかを実感する」ことが、試験対策の要と言えるでしょう。

過去問題は印刷をして、ファイリングなどをしておき、数日または、数週間後にもう一度解いてスムーズに解ければ、試験に出てもまず大丈夫。間違えた問題などは、スマートフォンに撮影しておき、移動時間などに見返すのも良いでしょう。

一度解いたものは、是非、もう一度(不安なものは二度)解きましょう。

知識の定着には、繰り返しが有効です。

特に出題数の多い書籍(参考書)があります。

主なキャリア理論、カウンセリング理論(療法)は、海外の研究者や実務家の理論(療法)が多いこともあり、日本の研究者、実務家の「日本語訳」には差異や個性があります。

ですから、よく出題されている参考書の表現に普段から馴染んでおくことが大切です。選択肢の文章は、参考書や資料から、そのままの文章、語句で出題されていることが実際にかなり多いです。これも養成講座テキストが、必ずしも試験対策テキストでは無いと感じる理由の一つです。

そして、出典と思われる内容が多い参考書の1位と2位はこちらの市販書籍です。

【第1位】キャリアコンサルティング理論と実際6訂木村周/下村英雄共著

これまでの試験では、平均して毎回6問~7問の出典となっていると思われる書籍です(みん合調べ)。キャリア理論、カウンセリング理論(療法)、自己理解、職業理解、システマティックアプローチやグループアプローチなど、記述内容は非常に幅広く、教科書的な存在です。

出題されている箇所には偏りがあるため、全編を読み込みというよりは、出題箇所を参照していく使い方が良いでしょう。

【第2位】新版キャリアの心理学第2版渡辺三枝子著

キャリアに関する理論で、これまで平均して3問~4問が出題されています。理論家ごとに章立てがされており、その考え方の背景や学問的な人脈なども含めた詳しい解説で理解を深めることができるのが特徴です。出題箇所をチェックしつつ、興味のある理論家の章からでも良いので、じっくり読んでみると様々な発見があるでしょう。

他の出典と思われる参考書等については、過去問解説の中や、こちらの教材ガイドでご確認ください。

木村先生、渡辺先生の2点はお手元に揃えておいた方が良いでしょう。また、木村先生の著書は5訂版と6訂版のどちら?と言われれば6訂版がおすすめです。

まずは出題された箇所を確認するだけでも良いですが、興味がありましたら、前後も精読すると理解が深まることでしょう。

最低限、出たところチェックをしてください。同一箇所をチェックすることも多く、出題傾向を掴むことに繋がります。

みなさんの時間は有限ですから、こってりとあっさり、メリハリをつけて学ぶことをおすすめしています。  

得意はさらに固めて、苦手はじっくり克服しよう。

そして、1回~3回分程度を問1から問50まで解いてみると、出題内容や出題順序、レベル感等が掴めてくるでしょう。本試験では35問の合格ライン確保がみなさんの必達目標となります。

難易度の高い回では高得点者が極端に減少するのが、この試験の特徴の一つです。最近では第17回試験がそうでした。

正答を判断することが非常に困難な捨て問題が毎回あります

上記の難易度評価の一覧表で、「Cランク」をしているような問題です。

実は、多い時では10問前後、通常の回でも5問前後はあります。

そのため、あまり完璧主義になってもいけません。35問を確保する作戦を立てていきましょう。

過去問攻略法としての「ヨコ解きとタテ解き」

得意は伸ばし、苦手を克服していくために、みん合では過去問を出題範囲(項目)ごとに、回数横断的に解く、「ヨコ解き」をおすすめしています。

ヨコ解きは、例えば「今日は15回から21回までの7回分のメンタルヘルスに関する知識(毎回2問出題)の全14問分を一気に解いてしまおう。」という方法です。

それによって、その出題範囲の出題傾向、よく出題されるテーマや出典資料などを体感することができるとともに、今後の出題に備えることができます。

解いた問題の内容が、自分の知識になりましたら、さらに過去の回に遡って解くのも良いでしょう。

ヨコ解きによって、比較的短時間で効率よく、その分野の知識を整理して補強することができます。得意は伸ばし、苦手を克服するためには、有効な方法と考えています。

それに対して、過去問を回ごとに問1から問50まで解くことを「タテ解き」と呼んでいます。タテ解きは、学習初期段階に試験範囲の全体像を掴むことや、試験直前に試験の予行演習をする際に適しています。

なお、タテ解きの際には、練習用の答案用紙をご用意していますので、ご活用ください。

キャリアコンサルタント試験「合格シート(答案用紙)

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

ヨコ解きの際には、問題番号ごとに出題範囲名を明らかにして整理した、出題範囲マトリックス・タテヨコくんを活用して、出題範囲を確認しながら、過去問を解いていきましょう。下記より、どなたでも無料でダウンロードすることが出来ます。

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

タテヨコくんの使い方、過去問を解く際の注意点などは別の記事にまとめていますので、お時間のあるときにご覧ください。

過去問の解き方、私の場合(タテヨコくんのススメ)

何回分、過去問を解けば良いの?問題。

タテヨコくんを見て、「こんなにたくさんの過去問、気が遠くなるよ…。」という方もいらっしゃるでしょう。

合格したみなさんが過去問を何回分やったのか?のアンケート結果を紹介します。

出典:第21回試験アンケート結果の公開【自己採点/学習期間/過去問実施回】

毎回、「4回分から9回分くらい」としている方が最も多いのですが、さらに回を重ねたほうが、合格率は有意に高まります。

第21回試験後に行った、自己採点アンケートによると、具体的には、10回以上を実施している方の合格率は9割を超え、100%に近いところまで高くなります。

過去問の回数と合格率(自己採点)の関係は次のようになりました。

過去問の回数 人数 合格者数 合格率
これまでのすべて(20回分) 67 66 98.5%
10回~19回分くらい 104 101 97.1%
4回~9回分くらい 244 221 90.6%
1回~3回分くらい 182 152 83.5%
過去問は特にやっていない。 13 10 76.9%
合計 610 550 90.2%

出典:第21回受験のみなさんは何回分の過去問を解いたのか?

とはいえ、いきなり10回分なんて無理っ!と思いますよね。

まずは3回分、6回分程度を目標にして、ご自身の得意不得意を把握したうえで、それらの補強を行いましょう。その後に回数を増やしていきましょう。

また、出題範囲が全く同一で、出題順序もよく似ている、2級キャリアコンサルティング技能検定の直近3回分などの過去問を解いておくのも有効です。クロスして似たような内容やトピックが出題されることもあります。

時事問題対策にも有効で、2級技能検定の学科試験は国家試験対策にもオススメです。逆もまた同じことが言えます。

データでの裏付けもあり、2級技能検定の学科試験を、国家試験対策に活用した受験生の合格率もやはり高いです。

2級過去問の実施回数 人数 合格者数 合格率
3回分以上 193 182 94.3%
2回分 62 56 90.3%
1回分 64 53 82.8%

どちらの過去問題もなるべく多く解いておいた方が、同じような内容の出題に対応できる可能性は高くなりますから、合格に有利になると言えるでしょう。

特におすすめしている過去問の回

出題範囲表が改定された、2020年度の試験回からの問題を特におすすめしています。

2020年度の出題範囲表の改定は、学習内容の変更はほぼなく、出題範囲の区分や出題順序の変更が中心のため、それ以前の過去問も大部分は無駄にはなりませんが、時事的な問題などはやはり古くなってしまっていますから、下記の回以降の過去問が良いでしょう。

国家試験:第15回以降の過去問
2級技能検定:第25回以降の過去問

国家試験最近7回分+2級技能検定直近3回分といった組み合わせでも良いと思います。10回分を目標にしてみてはいかがでしょうか。

解きっぱなしはいけません。

過去問の回数についてお伝えしてきましたが、過去問を解く上で、とても大切なことがあります。

解きっぱなしにしないことです。

解きっぱなしではなく、何度か繰り返すことの重要性も、合格者はよく伝えてくださいます。「この問題解いたことあるけど、何だっけ?」は試験当日に大きなダメージを受けます。

ですから、過去問題を演習をする際は、問題用紙をプリントアウトして、以下の内容をメモしましょう。

自信を持って答えられたもの(○)、曖昧なもの(△)、解けなかったもの、知らなかったもの(×)などの印や色付けをしておいて、後日解き直しをすることをおすすめしています。

なお、その過去問題につきましては、サイト等での掲載が固く禁止されています。

直近3回分の過去問については登録試験機関のサイトで公開されていますが、それ以前の過去問の入手につきましては、お気軽にご相談ください。

有償での取引は著作権法により禁止されています。フリマサイトなどでの購入は絶対にしないでください。また、過去問を掲載しているアプリなどについても同様です。

古い過去問は意味あるの?問題。

「古い過去問をやって、意味あるの?」と気になる方もいるかもしれませんが、国家試験が始まったのは2016年ですから、キャリア理論やカウンセリング理論(療法)などは、この数年の間で大きく変わったものはなく、それらの出題傾向にも、大きな変化はありません。

ただし、完全失業率などの統計データや、法令制度の制定改廃の影響はあります。

そのため、みん合では、毎年、定期的に過去問解説を見直し、今後の試験対策に活用できるよう解説の内容を追記するなどして改訂をしています。

そのため、過去問演習の際に、随時、最新の数値、傾向、制度の変更や気になる情報を確認することができます。

なお、過去問解説は直近3回分については、どなたでもご覧になれますが、それ以前の回の過去問解説や、出題範囲が国家試験と同様で、出題内容が類似している2級技能検定の過去問解説(18回~)などは、みん合☆プラス会員向けに限定公開をしています。

学科試験対策の強い味方になります。是非ご検討ください。

みん合☆プラス会員のご案内

最後に試験対策書籍をご案内して、はじめの一歩~学習方法編を締めくくります。

みん合書籍のご紹介

学科試験テキスト&問題集

これまでの出題内容を研究、整理、分析をして、出題された項目を中心とした要点まとめと、主に過去問題の改題からなる一問一答問題を掲載し、出題範囲ごとに効率よく知識を身につけ、合格力を養成することを目的としたテキスト&問題集をご用意しています。

赤色チェックシート付きで、キーワードの暗記にも役立ちます。移動時間や隙間時間に活用している方も多いです。

総仕上げ問題集

出題範囲ごとに出題傾向や対策のポイントをまとめたページを一読してから、四肢択一式問題を解くことで、試験対策のポイントや実際の試験での解き方を実感できる、合格対策に必携の一冊に仕上がりました。

読者特典の一問一答Webアプリや書籍に収載されている模擬問題の解説動画もご用意しています。

これらの書籍は、みん合☆プラス会員の入会時にセットでお得にお求めになることも出来ます。お持ちでない方はご検討ください。

書籍とサイトを併せて、試験対策にご活用ください。

合格目指して、一緒に頑張っていきましょう。

応援しています。

みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験 

原田 政樹 

(最終更新:2023年3月)