はじめの一歩~学習方法編

こちらのページでは、スタートアップガイド「はじめの一歩~学習方法編」をお伝えします。「はじめの一歩~マインドセット編」をまだ確認していない場合には、はじめにマインドセット編から参照してください。

過去問は実力テストではありません。

前編のマインドセット編でもお伝えしたように、学習スタート時には、最近の回の中から、1回分の過去問を解くことをおすすめしています。

何点取れたのかは、全く気にしないでください。油断も悲観も、しないでください。

現在の得点と合格ラインとの差は、これから試験までの期間の伸びしろにほかなりません。まずは、合格への距離を探りましょう。

そのための現在地を確認しましょう。

あと10問、あと5問、と合格ラインまでの距離を詰めていき、合格ラインに+5問、10問を目指していくことが、試験対策の基本戦略です。

過去問解説で正誤と解説、出典を確認しましょう。

過去問などの問題を解いた際に、知らなかった内容間違えた問題は、必ず選択肢ごとの正誤と解説を確認しましょう。これが過去問を解くことの目的です。

その内容が再度出題された場合に自信を持って答えられるようにすることが、過去問演習の目的です。35問が取れていたからといって安心してはいけません。

その際には、みん合の過去問解説をご活用ください。過去問解説の見方や活用法を紹介します。

【過去問解説の例:第24回問7の過去問解説を一部抜粋】

問題番号と出題範囲名を記載し、出題のポイント、難易度などをコメントした後に、正答、各選択肢の正誤、具体的な解説、出典となったと思われる書籍や資料の参照ページを掲載しています。

時事問題や雇用指標に関する問題の場合には、官公庁等の資料や文献の名称とページ数、サイトや資料へのリンクを掲載しています。また、同じ理論家の問題や同じ内容など、過去に出題された類題の情報などを随時掲載しています。

難易度評価をしています。

国家試験の第15回以降の過去問解説では、「難易度評価の一覧表」を作成しています。ABCランクで問題を評価しており、Aは易しい、Bは差がつく、Cは難しいと評価をしています。各回の過去問解説のページに一覧表も用意しています。

 (例)第25回難易度評価の一覧表

ただ、Cランクの難問であっても、今後、同じような内容が出題された場合には、獲得すべき問題(AまたはBランク)へと変わります。

間違えた問題は、解説を読み、可能な限り出典を確認し、「なるほど!」と腑に落ちたらヨシとしましょう。

間違えた問題は伸びしろです。

知らないことを知る」、または既に知っている内容については、「試験ではどのように問われるのかを実感する」ことが、試験対策の要と言えるでしょう。

過去問題は、印刷してファイリングし、それほど時間を置かずに、数日または、数週間後に、間違えた問題を中心にもう一度解き、根拠を持って正誤判断ができれば、試験に出てもまず大丈夫。

間違えた問題は、スマートフォンに撮影し、移動時間などに見返すのもおすすめです。

知識の定着には、二巡、三巡の繰り返しが有効です。

特に出題数の多い書籍(参考書)があります。

主なキャリア理論、カウンセリング理論(療法)は、海外の研究者や実務家の理論(療法)が多いこともあり、日本の研究者、実務家の「日本語訳」には差異や個性があります。

ですから、よく出題されている参考書の表現に普段から馴染んでおくことが大切です。選択肢の文章は、参考書や資料から、そのままの語句で構成されていることは多いです。

必ずしも養成講座のテキストの表現で出題されるのではなく、主要な参考書の表現で出題される、という点は試験対策の注意点として挙げられます。

そして、出典と思われる内容が多い参考書の1位と2位はこちらです。

【第1位】キャリアコンサルティング理論と実際6訂木村周/下村英雄共著

これまでの試験では、平均して毎回6問~7問の出典となっていると思われる書籍です(みん合調べ)。キャリア理論、カウンセリング理論(療法)、自己理解、職業理解、システマティックアプローチやグループアプローチなど、記述内容は非常に幅広く、教科書的な存在です。

ただし、出題箇所には偏りがあるため、全編を丁寧に読み込むというよりは、出題箇所を中心に参照していく使い方が良いでしょう。

【第2位】新版キャリアの心理学第2版渡辺三枝子著

キャリアに関する理論で、これまで平均して毎回3問~4問が出題されています。理論家ごとに章立てがされており、考え方の背景や学問的な人脈なども含め、理解を深められることが特徴です。出題箇所をチェックしつつ、興味のある理論家の章からでも良いので、じっくり読んでみると発見があるでしょう。

他の出典と思われる参考書等については、過去問解説の中や、こちらの教材ガイドでご確認ください。

木村先生、渡辺先生の2点は、手元に揃えて、いつでも参照できるようにしておくと便利です。最低限、出たとこチェックをしてください。

同一箇所をチェックすることも多く、出題傾向を掴むことに繋がります。  

得意はさらに伸ばし、苦手はじっくり克服。

過去問を1、2回分(1回分でもよいです)を問1から問50まで解いてみると、出題内容や出題順序、レベル感等が掴めてくるでしょう。本試験では35問の合格ライン確保がみなさんの必達目標です。

みなさんの時間は有限ですから、対策学習には、こってりとあっさり、メリハリをつけ、苦手を減らし、得意を増やしていきましょう。

過去問1回分を解いた後は、拙著「テキスト&問題集」を早めに一巡することをおすすめています。

本書は、出題範囲ごとに、重要の内容や出題が予想される内容のまとめを赤色チェックシートを用いて確認、一問一答問題で知識の定着を図ることができる教材です。

最初は理解半分でも良いですから、早めに一巡をさせると、試験の全体像や頻出の内容、選択肢での問われ方の特徴を掴むことができ、知識の凸凹が解消され、その後の過去問演習がスムーズになります。

カバンの中に入れておいて、移動時間や隙間時間に使用するのもおすすめです。

過去問攻略法「ヨコ解きとタテ解き」

過去問1回分を解き、テキスト&問題集で、試験の全体像やレベル感を体感しましたら、続いては、複数回分の過去問を解き、内容理解を深める段階に入ります。

得意は伸ばし、苦手は克服していくために、みん合では過去問を出題範囲ごとに、回数横断的に解く、「ヨコ解き」をおすすめしています。

例えば、国家試験の23回~25回(3回分)+2級技能検定の29回~31回(3回分)の合計6回分の「メンタルヘルスの知識」の問題を一気に解いてしまおう、という方法です。

「メンタルヘルスの知識」からの出題は、国家試験では毎回2問、2級技能検定では毎回3問出題されますから、過去問6回分で合計15問あります。

それにより、その出題範囲の出題傾向、よく出題されるテーマや、度々登場する出典資料などを体感することができ、今後の出題に備えることができます。

ヨコ解きの際には、出題範囲マトリックス×タテヨコくんをご活用ください。

また、テキスト&問題集総仕上げ問題集も、原則として出題範囲ごとに編集しています。いわばヨコ解き方式で編集していますので、ヨコ解きの前後にそれらの書籍を活用すると、より効率的に学習ができます。

それに対して、過去問を回ごとに問1から問50まで解くことを「タテ解き」と呼んでいます。

タテ解きは、上記にも記述した、対策学習の初期段階や、試験直前に試験の予行演習をする際に適しています。

関連する情報、知識を効率よくマスターすることができますので、普段の過去問研究は出題範囲ごとに、過去問を解いたり、テキスト&問題集や参考書などで理解を深めることをおすすめしています。

何回分、過去問を解けば良いの?問題。

これまでに受験者されたみなさんが、過去問を何回分やっているのか?のアンケートを試験ごとに行っています。最近の試験では難易度が高い、第24回及び第25回でのアンケート結果を紹介します。

出典:第25回試験アンケート結果の公開【過去問回数編】

回数では「4回~6回分」の割合が高いようです。また、過去問の回数と合格率(自己採点)の関係は次のようになりました。

出典:第25回試験アンケート結果の公開【過去問回数編】

合格率は「7回~10回分」が最も高い結果となりましたが、いきなり10回分というのも、気が遠くなってしまいますから、まずは3回分、6回分と目標を徐々に増やしていくのがよいでしょう。

2級の過去問題を取り入れましょう。

出題範囲が同一で、出題内容や順序がよく似ている、2級キャリアコンサルティング技能検定の直近3回分などの過去問を解いておくのも大変有効です。時事問題もホットなものを演習でき、それらがスライドして出題されることも少なくありません。

合格率の裏付けもあり、2級技能検定の学科試験を、国家試験対策に活用した受験生の合格率は高いです。

出典:第25回試験アンケート結果の公開【過去問回数編】

回数で最も合格率が高かったのは「4回分以上」で84.6%、「3回分」も84.5%と有意に高いといえます。

国家試験と2級の組合せ回数と合格率の相関も、第25回試験のアンケートに基づいて整理しています。

 25回対策過去問組み合わせの詳細資料

おすすめの組合せ回数

みん合では、本試験で出題される四肢択一形式の問題、500問(2,000選択肢分)が、その回の難易度に関わらず、合格に必要な問題演習量の目安になると考えています。

そのため、国家7回分程度+2級3回分の合計10回分程度を過去問演習の目標にすることをおすすめしています。

もしくは、国家直近3回分+2級直近3回分の全6回分に、総仕上げ問題集(全200問)や、みん合☆総仕上げ模試(これまでの4回分)を組み合わせることにより、全10回分以上の問題量を確保することができます。

本格的な対策のスタートが遅くなった場合は後者を、比較的順調な時期でのスタートの場合には、前者を目標にしてみてはいかがでしょうか。

もちろん、より多くの回、より多くの問題を研究して、理解を深めることは大切ですが、欲張りすぎて、曖昧な理解により、明確に解答できない問題を増やしてしまっては本末転倒になってしまいますから、目標設定には気をつけましょう。

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

ヨコ解きの際には、問題番号ごとに出題範囲名を整理した、出題範囲マトリックス・タテヨコくんを活用して、過去問を解いていきましょう。下記より、どなたでも無料でダウンロードできます。

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

出題範囲マトリックス・タテヨコくん(Excel/PDF)には、過去問解説へのリンクが埋め込まれています。なお、著作権の関係で、問題用紙の内容はWeb上などに記載ができないため、問題用紙は机上にご用意ください。

また、学習の本格スタート時には、まずは、国家試験3回分+2級技能検定3回分の全6回分の問題用紙をファイリングして、過去問解きを始め、過去問を活用した学習方法を、まずは軌道に乗せましょう。

試行錯誤はあるものですが、まずは、学習方法を軌道に乗せることが大切です。

私は問題用紙をA4用紙にプリンターの設定により、2ページ分/枚で印刷し、ファイリングしています。イメージとしては次のような形です。

文字は小さくなりますので、小さい文字が苦手な方は、1ページごとに印刷しましょう。

そして、解いた日付、出来、手応え(○、▲、×)や、キーワードなどを余白や付箋に書き込み、印象付けをしたり、復習をする際に見やすくしておきます。

活用する過去問について

2級を含めて、全10回分程度の過去問研究、演習をおすすめしていますが、活用する過去問は、出題範囲表が改訂された2020年度以降の試験の方が、時事問題的にも出題順序や、割合的にも、ストレスが少なく利用できるでしょう。

具体的には、第15回以降の国家試験第25回以降の2級技能検定です。

また、「古くなった過去問に意味はあるの?」と気になる方もいるかもしれませんが、キャリア理論やカウンセリング理論(療法)、学校教育、キャリア教育、メンタルヘルスの知識などは、経年劣化しているテーマはあまりありません。

ただし、完全失業率などの統計データ、法令制度の制定改廃の影響はあります。そのため、みん合では毎年、定期的に過去問解説を見直し、なるべく今後の試験対策に活用できるよう解説の内容を追記するなどして改訂を行っています。

なお、国家試験の直近3回分の過去問解説は、どなたでもご覧になれますが、それ以前の回の過去問解説や、2級技能検定の過去問解説(第18回~)などは、みん合☆プラス会員向けに限定公開をしています。学科試験対策のお供に、是非ご検討ください。

みん合☆プラス会員のご案内

最後に試験対策書籍を紹介し、はじめの一歩~学習方法編を締めくくります。

みん合書籍のご紹介

学科試験テキスト&問題集

「テキスト&問題集」は、これまでの出題内容を研究、整理、分析をして、出題された項目を中心とした要点まとめと、主に過去問題の改題からなる一問一答問題を掲載し、出題範囲ごとに効率よく知識を身につけ、合格力を養成します。

赤色チェックシート付きで、キーワードの暗記にも役立ちます。移動時間や隙間時間に活用している方も多いです。

また、理論家のキーワードをまとめた特典動画も好評です。

総仕上げ問題集

「総仕上げ問題集」は、出題範囲ごとに出題傾向や対策のポイントをまとめたページを一読してから、四肢択一式問題を解くことで、試験対策のポイントや実際の試験での解き方を実感できる、合格対策に必携の一冊に仕上がりました。

読者特典の一問一答Webアプリや書籍に収載されている模擬問題の解説動画もあります。

これらの書籍は、みん合☆プラス会員のご入会時にセットでお得にお求めになることも出来ます。お持ちではない方はご検討ください。

書籍とサイトを併せて、試験対策にご活用ください。

合格目指して、一緒に頑張っていきましょう。

応援しています。

みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験 

原田 政樹 

(最終更新:2024年3月)