はじめの一歩~マインドセット編

このページでは、試験対策学習のスタートアップに役立つ情報をお届けします。

まずはマインドセット編で、試験対策への心構え、あらかじめ知っておいた方が良いことをお伝えします。本編に続いて、学習方法編をご覧ください。

養成講座が終わったら、本格的に始動しましょう。

キャリアコンサルタント試験合格を目指す方のほとんどの方は、厚生労働大臣が認定する講習(養成講座や養成講習と呼ばれる講習)を150時間以上受講し、受験資格を得ています。

この講習は、国家資格キャリアコンサルタントに相応しい知識と技能を習得するために行われるものであり、国家試験の合格への講習、国家試験の予備校という位置づけではなく、養成講習は「国家試験対策ではありません」と明確に伝える指導機関もあるようです。

そのため、試験合格対策は養成講習が終了してから、もしくは養成講座の終盤くらいから並行し、各自で徐々にスタートさせる必要があります。試験までの時期によりますが、養成講座の終盤くらいから試験合格対策を意識されると良いでしょう。

みんなで合格サイトでは、学科試験対策に特化し、なるべく効率よく確かな知識を得て合格するためのコンテンツを提供しています。

学科試験対策はみなさん、主に書籍やWEB、過去問題を活用した自学自習を中心に行います。

また、実技試験対策(特に面接試験)は、ロープレを主とした有志による自主勉強会や、有料のロープレ勉強会(遠隔指導も含む)などでの研鑽をする人が多いです。学科も実技も、養成講習での学びのみで、スムーズに合格することは難しいと言えるでしょう。

学科試験対策に要する期間

国家試験終了後に毎回実施しているアンケートで、学科試験対策に要した期間をお聞きしています。みなさんは、学科試験対策にどのくらいの期間をかけているのでしょうか。

出典:第21回試験アンケート結果を共有します【難易度/自己採点/学習期間編】

学科試験対策に要した期間として、概ね毎回、最も多いのは3ヶ月以上6ヶ月未満ですが、養成講座を修了する時期によるところはあるでしょう。

みなさんの様子を見ていると、試験まであと3ヶ月ほどの時期になりますと、試験対策を本格的に意識し、時間を費やすようになってくるという印象があります。

また、キャリアコンサルタント試験を受験するみなさんは、公私において重要な役割を担い、責任を負っている、ご多忙な方が多い印象を受けます。

試験対策の時期が、公私の繁忙期と重なってしまう、ということもあるでしょう。

ですから、それぞれの状況によりますが「そろそろ始めようかな、いや、始めなきゃ!」と思い立ったら、少しずつでも学習をスタートすることをおすすめしています。

楽習(がくしゅう)しましょう

学びの方法を確立してペースに乗ってくると、試験対策を超え、学び自体が楽しいものになってくることがあります。その内容は試験のみならず、未来の実務における専門分野、得意分野の開拓にも繋がります。

どうせやるのですから、自己効力感を高めながら楽しく学ぶ、楽習(がくしゅう)をしましょう。

なお、試験の手応えや良かった勉強法など、受験の先輩方からのその他のアンケート結果につきましては、各回の過去問解説及び解答速報のページからご覧になることができます。学習のヒントがたくさん詰まっていますので、お時間のある時にご覧ください。

(例)第21回を受験した267名の学習法やご感想【アンケート】

みん合サイトの人気コーナーであり、みん合の、いやキャリコン界の宝といえる情報源です。

試験対策の臨場感が伝わってくるお声が多く、多くの方が学習方法の参考にしている、合格への羅針盤の一つと言えるでしょう。

何から始める?

まずは養成講座のテキストを読み返そう、いや、本気でじっくり読んでみなくては。」と思っている方も、多いのではないでしょうか。

積ん読(つんどく)状態になってしまっている、膨大な○分冊のテキストや、机上にどーんと鎮座している巨大なバインダーが、ひょっとして、プレッシャーになっていませんか。

養成講座終了後にそれらを通読、精読、振り返ることは、養成講座中とは異なる気づきや、理解の深まりを感じることもあり、もちろんそれは良いことです。

ただ、私は、無理をしてまでそれらを読む必要はないと捉えています。

特に試験対策のスタートにすべきことではありません。

すべての養成講座の教材を見ているわけではなく、私の見聞きをする中でのお話ですが、養成講座が試験対策講座ではないのと同じく、養成講座テキストは必ずしも、試験対策テキストではないということです。

過去問からはじめよう。

国家試験の回数は20回を超え、学科試験の出題バランスや出題内容には、明らかに「傾向」と言えるものがあります。

各学習項目のおけるポイント、というものはやはりありますから、同じような内容が繰り返し出題されることは、決して珍しくはなく、時には全く同じ文章で出題されることさえあります。

ですから、学科試験の全体像と出題傾向を、学習初期の段階で、早めに掴んでしまうことを、みん合ではおすすめしています。

詳しい学びはその後です。

まずは合格へのマップの全体像を眺めてみましょう。全体像とゴールを確認しましょう。ゴールというのは、50問中、35問以上の獲得です。

毎回の試験を見ていて思うことですが、高得点を獲得することは非常に難しい試験ですが、合格ラインの35問の確保という点で言えば、そこまで厳しい試験ではありません。

完璧主義は捨てましょう

ですから、満点を取らなくては、といった、100%の完璧主義は捨ててしまいましょう

やや乱暴な話に聞こえるかもしれませんが、試験対策のファーストステップとしては、「まず、過去問にトライする」ことをおすすめしています。

「そんな、無茶な…。」と思われる方もいるかもしれませんが、過去問を試験対策のスタート地点とすることをみん合では提案しています。

何問獲得できるのか、リラックスした気持ちで良いですから、是非トライしてみてください。合格ラインに距離があっても、気にすることはありませんが、思ったよりも出来た、という感覚を掴む方もいるかもしれません。

まず、1回分を解いてみる。

一気に全50問を解いても良いですが、数問ごとで構いません。確保できる学習時間の中で、なるべく心地よいリズム感で楽しく学習を進めるのが最も大切です。

過去問は「知っているか、知らないか」を確認し、知らないことは自分の知識にするためのツールです。また、知っていることはより確かな知識にするためのツールです。

アウトプットからのインプットが、この試験対策の王道ととらえています。

正答や解説、出典等を確認しながらじっくり理解をしていきましょう。解けないものがあっても、全く気にしないでください

知らないことは、習得すれば良いですし、試験ではこれはもうお手上げ!という難問があることも確認しましょう。いくら準備をしても、正答を導くことが困難な捨て問題というのも、実際にはあります。

解説にも、随時その旨を明記していますので、それも含め、学科試験の全体像、レベル感、得意不得意を確認しましょう。得意不得意には個人差もあります。

では、はじめに第何回の学科試験を解くのが良いかというと、第18回以降であれば、どの回でも良いでしょう。

それ以前の回でも構いませんが、合格率が特に低かった第4回や第9回、次に難しい第7回や第11回、第17回といった難しい回をいきなり解いて、心折れないでください。

ただし、第18回から本稿執筆時点の第22回までは、比較的落ち着いた、穏やかな難易度となっています。

試験の出題範囲を意識する。

キャリアコンサルタント試験は、試験範囲に基づいて出題されています。1回分の過去問にトライした後には、出題範囲表を一度じっくりと確認しましょう。

出題範囲表は、登録試験機関のホームページに掲載されています。

キャリアコンサルティング協議会

日本キャリア開発協会(JCDA) 
下部に「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」のリンクがあります。

両機関で実技試験(論述と面接試験)の内容は異なりますが、学科試験の内容は共通で、出題範囲表からは、毎回ほぼ一定の割合で問題が出題されています。

例えば、スーパーやシャイン、シュロスバーグなどのキャリア理論家に関する出題は、第2科目「①キャリアに関する理論」から5問〜6問程度、「⑨中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識」と「⑩人生の転機の知識」から2問〜3問の合計8問前後の出題があります。

第2科目の「⑦学校教育制度及びキャリア教育の知識」や「⑧メンタルヘルスの知識」は第1回試験からずっと、毎回2問ずつ出題されているという具合です。

他の試験範囲についても、概ね同じことが言え、その出題割合が大きく変わるようなことは、今までにはありません。

なお、この「出題範囲」ですが、2020年度(令和2年度)に改訂されました。

国家試験の回で言うと、第15回試験からが該当します。

ちなみに、それ以前の出題範囲と何が変わったかというと、出題範囲名や出題の順序、若干の出題割合の変更がありましたが、学習する内容には大きな変更はありません。

そのため、それ以前の過去問を解くことも、全く無駄ではなく、有効なのですが、既に試験回は20回を超えて多くなっていますから、特に第15回以降の過去問を試験対策の軸とされるのが良いでしょう。

学科試験の合格率

学科試験の合格には、50問中35問の正解が求められます。傾斜配点や配点調整などはなく、難問も易しい問題も1問2点の100点満点と捉えて良いです。

学科試験の合格率は回によって異なりますが、第10回までの間は、合格率の高い回と低い回の落差がありました。第4回(21.30%)、第9回(30.50%)は特に低い合格率でした。

ただし、その後は60%~80%台の合格率で比較的安定しています。

最近では第17回が56.80%と、目立って低かったものの、70%台半ばの合格率が高い回も多くなっています。最も高いのは第18回の81.10%でした。

今後の難易度や合格率については、神のみぞ知るところではありますが、捨て問題と言われるような解答困難な難問は毎回出題されます。

落ち着いて35問を確保できるよう、出来る対策を積み重ねていきましょう。

全体像を掴みましょう

当初は試験範囲の広さに愕然としてしまうものですが、出題範囲ごとに内容を整理していくと、実際には途方もなく無限に広大な出題範囲というわけではありません。

出題範囲の全体は、大きな木のようなものであり、幹となる部分、枝や葉となる部分があります。それを文字で表現したものが、出題範囲表になりますから、出題範囲表は学習する際には常に傍らに置いておいても良いでしょう。

まずは、実際に出題された問題を、じっくりと解き進め、知っていることはより定着させ、知らないことはあらためて確認して、自分の知識にしていきましょう。

過去問の解き方や、そのほかの学習方法については、次の学習方法編でお伝えしますので、是非ご覧ください。

みんなで合格を目指して、共に、積み重ねていきましょう。

(最終更新:2023年3月)