はじめの一歩~マインドセット編

このページでは、試験対策学習のスタートアップに役立つ情報をお届けします。

まずはマインドセット編で、試験対策の特徴を知り、気持ち整えましょう。本編に続いて、学習方法編もご覧ください。

養成講座が終わったら、本格的に始動しましょう。

キャリアコンサルタント試験合格を目指す方の9割超の方は、厚生労働大臣が認定する講習(養成講座や養成講習と呼ばれる講習)を150時間以上受講し、受験資格を得ています。

この講習は、国家資格キャリアコンサルタントに相応しい知識と技能を習得するために行われるものであり、国家試験合格のための講習ではなく、養成講習は「国家試験対策ではありません」と明確に伝える指導機関もあるとお聞きしています。

そのため、国家試験対策は、養成講習が終了してから、もしくは養成講座の終盤くらいから並行し、各自で徐々にスタートさせる必要があります。受験申請を終えてから、本格スタートという方は毎回多いです。

みんなで合格サイトでは、学科試験対策に特化し、なるべく効率よく、確かな知識を得て合格するためのコンテンツを書籍とWebを通じて提供しています。

なお、実技試験対策(特に面接試験)は、ロープレを主とした有志による自主勉強会や、有料のロープレ勉強会(遠隔指導含む)などでの研鑽をする人が多いです。

学科も実技も、養成講習での学びのみで、スムーズに合格することは、難しいと言えるでしょう。

学科試験対策に要する期間

国家試験終了後に毎回実施しているアンケートで、学科試験対策に要した期間をお聞きしています。みなさんは、学科試験対策にどのくらいの期間をかけているのでしょうか。

出典:第24回試験アンケート結果の公開【自己採点/学習期間編】

学科試験対策に要した期間として、最も多いのは3ヶ月以上6ヶ月未満ですが、その期間を確保できるかどうかは、養成講座を修了する時期によるところはあるでしょう。

みなさんの様子を見ていると、試験まであと3ヶ月または2ヶ月の時期になりますと、試験対策を本格的に意識し、時間を費やすようになってくる印象があります。

また、キャリアコンサルタント試験を受験するみなさんは、公私において重要な役割を担い、重い責任を負っている、ご多忙な方が多い印象を受けます。

試験対策の時期が、公私の繁忙期と重なってしまう、ということもあるでしょう。特に年末年始や年度の前後の繁忙期にはご注意ください。

ですから、それぞれの状況によりますが「そろそろ始めようかな、いや、始めなきゃ!」と思い立ったら、少しずつでも学習をスタートすることをおすすめしています。

楽習(がくしゅう)しましょう

学びの方法を確立してペースに乗ってくると、試験対策を超え、学び自体が楽しいものになってくることがあります。その内容は試験のみならず、未来の実務における専門分野、得意分野の開拓にも繋がります。

どうせやるのですから、自己効力感を高めながら楽しく学ぶ、楽習(がくしゅう)をしましょう。

なお、試験の手応えや良かった勉強法など、受験の先輩方からのその他のアンケート結果につきましては、各回の過去問解説及び解答速報のページからご覧になることができます。学習のヒントがたくさん詰まっていますので、お時間のある時にご覧ください。

(例)第24回を受験した365名の学習法やご感想

みん合サイトの人気コーナーであり、みん合の、いや、キャリコン界の宝といえる情報源です。

試験対策の臨場感が伝わってくるお声が多く、学習方法の参考にもなり、合格への羅針盤ともいえるでしょう。モチベーションが低下気味の際にもおすすめです。

何から始める?

まずは養成講座のテキストを読み返そう、いや、本気でじっくり読んでみなくては。」と思っている方も、多いのではないでしょうか。

積ん読(つんどく)状態になってしまっている、膨大な○分冊のテキストや、机上にどーんと鎮座している巨大なバインダーが、ひょっとして、プレッシャーになっていませんか。

養成講座終了後にそれらを通読、精読、振り返ることは、養成講座中とは異なる気づきや、理解の深まりを感じることもあり、もちろんそれは良いことです。

でも、私は、無理をしてまでそれらを読む必要はないと捉えています。

特に、試験対策のスタート時にすべきことではありません。

すべての養成講座の教材を見ているわけではなく、私の見聞きをする中でのお話ですが、養成講座が試験対策講座ではないのと同じく、養成講座テキストは必ずしも、試験対策テキストではないということです。

過去問からはじめよう。

国家試験の回数は20回を超え、学科試験の出題バランスや出題内容には、明らかに「傾向」と言えるものがあります。

また、広範囲ではあるものの、出題範囲表から、「出題範囲ごとに一定の割合」で問題は出題されています。

そのため、学科試験の全体像と出題傾向は、学習初期の段階で、掴んでおくことを、みん合ではおすすめしています。詳しい学びはその後で良いでしょう。

学科試験対策のファーストステップとしては、「まず、過去問にトライする」ことをおすすめしています。

「そんな、無茶な…。」と思われる方もいるかもしれませんが、過去問を試験対策のスタート地点とすることをみん合では提案しています。

学習スタート時には現在地を確認しましょう。

合格ラインまでに距離があっても、その距離は試験までの期間の伸びしろですから、全く気にすることはありませんが、思ったよりも出来たという感覚、35問を確保できたという手応えを掴む方もいるかもしれません。その場合には、むしろ、気をつけてください。油断をしないでください。 

過去問は、実力テストではなく、伸びしろリスト

過去問は「知っているか、知らないか」を確認し、知らないことは自分の知識にするためのツールです。また、知っていることをより確かな知識にするためのツールです。

ですから過去問は、何点取れるかを測定するためのテストではなく、出題傾向や出題意図、時事的な要素が盛り込まれた、学習効率の良い教材と捉えましょう。

過去問で合格点が取れたからといって安心することなく、間違えた問題や、自信を持って正誤判断ができなかった内容理解を心がけて下さい。

・自信を持って正解できた問題→○
・自信は無いけれど正解出来た問題→△
・知識がなく、正解できなかった問題→×
・問題の指示の見落としや誤解があり、正解出来なかった問題→×

問題を解き、正答を確認した際には、上記のように○、△、×といった三段階の記号などを余白に書いてもいても良いでしょう。

問題を解いた後には、正答や解説、出典等を確認しながらじっくり理解を深めましょう。同じトピックの問題、似たような問題が出題されたときには、自信をもって正誤判断ができるかどうかが大切です。

このうち、△や×だった問題を中心にあまり間隔を空けずに、解き直しをしてみましょう。

それでは、はじめに第何回の学科試験を解くのが良いかというと、第18回以降であれば、どの回でも良いですが、最近の回では第22回や第23回などが良いでしょう。

くれぐれも、合格率が特に低かった第4回や第9回、次に難しい第7回や第11回、第17回、第24回といった難しい回をいきなり解いて、心折れないでください。

試験の出題範囲を意識する。

キャリアコンサルタント試験は、実は、定められた出題範囲に基づいて出題されています。1回分の過去問にトライした後には、出題範囲表を一度じっくりと確認しましょう。

拙著の「テキスト&問題集(第3版)」や「総仕上げ問題集(初版)」の巻末にも収載していますが、出題範囲表は、登録試験機関のホームページに掲載されています。

キャリアコンサルティング協議会

日本キャリア開発協会(JCDA) 

両機関で実技試験(論述と面接試験)の内容は異なりますが、学科試験の内容は共通で、出題範囲表からは、毎回ほぼ一定の割合で問題が出題されています。

例えば、スーパーやシャイン、サビカス、シュロスバーグなどのキャリア理論家に関する出題は、第2科目「①キャリアに関する理論」から3問〜4問程度、「⑨中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識」と「⑩人生の転機の知識」から2問〜4問の合計7問前後の出題があります。

また、第2科目の「⑦学校教育制度及びキャリア教育の知識」や「⑧メンタルヘルスの知識」は第1回試験からずっと、毎回2問ずつ出題されているという具合です。

他の出題範囲についても、概ね同じことが言え、その出題割合が大きく変わるようなことは、今までにはありません。

詳しくは、後編の学習方法編でお伝えしますが、出題範囲と実際の出題数を一覧にした表をご用意しています。

出題範囲マトリックス・タテヨコくん

あれ、キャリア理論家やキャリア理論に関連する問題は7問前後しか出ないのか、と思った方もいるでしょう。

学習がこれらの分野に偏ってしまう方もいて、他の分野の学習がおろそかになってしまう方が少なくありません。気をつけましょう。

なお、この「出題範囲」は、2020年度(令和2年度)に改訂されました。

国家試験の回で言うと、第15回試験からが該当します。なお、それ以前の出題範囲と何が変わったかというと、出題範囲名や出題の順序、若干の出題割合の変更がありましたが、学習内容自体には大きな変更はありません。

そのため、それ以前の過去問を解くことも、無駄ではないのですが、既に試験回は20回を超えて多くなっていますから、第15回以降の過去問を試験対策の軸とするのが良いでしょう。

具体的な過去問の実施回数については、後編の学習方法編でお伝えします。

学科試験の合格率

学科試験の合格には、50問中35問の正解が求められます。傾斜配点や配点調整などはなく、1問2点の100点満点の試験です。

そして、学科試験の合格率は回によって異なりますが、第10回までの間は、合格率の高い回と低い回の落差があり、第4回(21.30%)、第9回(30.50%)は特に低い合格率でした。

その後は60%~80%台の合格率で比較的安定していますが、第17回や第24回には50%台の厳しい合格率になりました。

各回の合格率はこちらのページでまとめています。

本ページでは、出題範囲表改定後の第15回以降の合格率の趨勢を見てみましょう。

第17回、第19回、第21回が谷のように合格率が落ち込んでいますが、第24回は、第17回よりも低い合格率でした。

今後の難易度や合格率については、神のみぞ知るところですが、試験問題の内容自体は進化していくことは間違いありません。

落ち着いて35問を確保できるよう、出来る対策を積み重ねていきましょう。

全体像を掴みましょう

当初は試験範囲の広さに愕然としてしまうものですが、出題範囲ごとに内容を整理していくと、実際には、無限に広大な出題範囲というわけではありません。

出題範囲の全体は、大きな木のようなものであり、幹となる部分、枝や葉となる部分があります。それを文字で表現したものが、出題範囲表ですから、出題範囲表は学習する際には常に傍らに置いておき、時折参照するのも良いでしょう。

まずは、実際に出題された問題を、じっくりと解き進め、知っていることはより定着させ、知らないことはあらためて確認して、自分の知識にしていきましょう。

過去問の解き方や、そのほかの学習方法については、次の学習方法編でお伝えしますので、是非ご覧ください。

みんなで合格を目指して、共に、積み重ねていきましょう。

(最終更新:2024年1月)