第8回問11~問15の解き方

第8回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.キャリアに関する理論

 エリクソンは再頻出の理論家の一人と言っても良いでしょう。今回は個体発達分化の図式(漸成的発達理論)のから、発達課題が出題されました。エリクソンに関連する問題はこんなにあります…。回数横断的に「横解き」するのもおすすめです。[第1回問9、第2回問4、第3回問9、第4回問11、第5回問11、第6回問11]

1.×:アイデンティティ(同一性)対アイデンティティ(同一性)拡散である。【岡田先生P80】

2.○:親密性対孤立は、成人前期の課題として正しい。【岡田先生P80】

3.○:世代性対停滞は、成人期の課題として正しい。【岡田先生P80】

4.○:統合性対絶望は、老年期の課題として正しい。【岡田先生P80】

知識の整理が難しい「生涯発達の理論」については、日本マンパワーの養成講座テキスト等に詳述されていますが、お手元の養成講座テキストに記述が無ければ、参考書では岡田先生の「働くひとの心理学」に、コンパクトにまとめられています。

問12.キャリアに関する理論

 シュロスバーグの4Sは、これまでにも同趣旨の問題が出題されています。4Sはそらで言えるようにしましょう。[第1回問12、第2回問13、第3回問11]

1.×:Subject(主題)、Sustainability(持続可能性)が誤り。

2.×:Society(社会)、Subject(主題)、Sustainability(持続可能性)が誤り。

3.×:Society(社会)が誤り。

4.○:Situation(状況)、Self(自己)、Support(周囲の援助)、Strategies(戦略)のすべてが正しい。【渡辺先生P137】

問13.キャリアに関する理論

 ニコルソンは第7回問12に続いて2回目の登場。内容も同じく4段階のトランジション・サイクルに関する出題でした。正解選択肢は超頻出のブリッジズ。必ず取りたい問題です。

1.×:準備→遭遇→適応→安定化の4段階のトランジション・サイクルをニコルソンは提唱している。次のサイトが参考になる。【そうだ!これからはメンタルだ】[第7回問12]

2.×:シュロスバーグはトランジションの理論(トランジション・モデル)の立場に立っており、社会的学習理論はバンデューラが提唱し、クルンボルツが展開した理論である。【岡田先生P42】

3.×:キャリア・サバイバルは職務・役割分析と職務・役割プランニングを意味し、明らかとなったキャリア・アンカーを仕事として実現するためのものとして、シャインが提唱した。なお、シャインは組織と個人の相互作用に価値を置いている。【渡辺先生P121】過去にも同趣旨の問題が出題されている。[第2回問8、第5回問9]

4.○:「ブリッジズは転機の始まりは何かが始まるときではなく、何かが終わるときとしている。」【渡辺先生P136】[第2回問12、第3回問11、第5回問12、第7回問7、第7回問12]

問14.個人の特性の知識

 障害のある人への支援の中でも、リハビリテーション・カウンセリングについては、第4回試験以来、2回目の出題となります[第4回問12]。本問は支援の基本姿勢から常識的にアプローチして消去法で判断するのが良いですが、リハビリテーション・カウンセリングの定義が、リハビリテーション・カウンセリング研究会にありますので、引用して紹介しておきます。一読しておきましょう。

リハビリテーションカウンセリングの定義
「リハビリテーションカウンセリングとは、身体障害、知的障害、発達障害、認知障害、情緒障害のある人の個人的な目標や、職業及び自立生活における目標を、最も統合化された場で達成するために体系化された支援過程のことである。このカウンセリング過程とは、本人自身による権利擁護の促進や、心理学的・職業的・行動学的な介入を通じて、コミュニケーション、目標設定、望ましい発達や変化を促すものである。」
(2003年Commission for Rehailitation Counselor Certification 全米リハビリテーションカウンセラー認定委員会による定義:八重田訳2008.05.31)

1.○:支援の基本姿勢から違和感なく適切である。

2.○:内容に違和感はなく適切である。

3.○:内容に違和感はなく適切である。

4.×:心理的・社会的な側面に目を向けることには違和感はないが、「人間の全体性ではなく就労に向けて優先順位の高いものに焦点をあてて」、に違和感を感じる。むしろ人間の全体性を念頭に置く必要がある。

問15.個人の特性の知識

 合理的配慮指針の事例集にありそうな内容ではあるものの、直接、同じ内容の記述が無いため、出典は不明ですが、発達障害(自閉症・アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害等)の人への職場での配慮等を考え、消去法でアプローチしましょう。

1.○:不注意傾向や注意散漫傾向のある人には、集中して取り組むための環境をつくることは適切である。

2.×:多動で落ち着きが無い人に、動きの少ない仕事に就かせるのは適切とはいえない。

3.×:時間の管理ができない人に、過密にスケジュールを入れることは適切とはいえない。

4.×:先延ばし傾向のある人には、できるときにやればよい、は適切とはいえない。

マストではありませんが、合理的配慮指針事例集に目を通しておきましょう。第7回問14で出題がありました。

 障害者雇用に係る合理的配慮指針事例集第三版

参考文献・資料

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2007年)

そうだ!今からはメンタルだ

リハビリテーション・カウンセリング研究会

合理的配慮指針事例集第三版(PDF)

 

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