第9回問01~問05の解き方

第9回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

 問1の時事問題は、頻出資料からの出題でしたが、驚いたのは、過去問と同じ、もしくはほぼ同じ選択肢が3つもありました(第1回問1をご確認ください。)。必ず取りたい問題です。

第10次能力開発基本計画と平成29年度能力開発開発基本調査は、超が付くほど頻出資料です。必ずダウンロードして、繰り返し確認しましょう。また、本問のように、過去の選択肢が(ほぼ)そのまま出題されることがあります。

1.×:本選択肢は、第1回問1と全く同じ文章である。「何よりも優先」は誤り。ものづくり分野は確かに基幹産業として位置づけられているが、ものづくり以外の分野においても取組の重点化を図る必要があるとしている。【第10次能力開発基本計画P8:PDF】[第1回問1]

2.○:本選択肢は、第1回問1とほぼ同じ文章である。就職氷河期世代の継続的なキャリア形成支援が必要である。【第10次能力開発基本計画P9:PDF

3.×:中高年齢者の就業希望理由のうち、「経済上の理由」は、年齢が上がるごとにむしろ低くなり、「生きがい、社会参加のため」や「健康上の理由(健康に良いからなど)」が増えてくる。【平成28年版厚生労働白書P74:PDF

4.×:本選択肢は、第1回問1とほぼ同じ文章である。現時点で最新の「平成29年度能力開発基本調査」からの出題であるが、自己啓発を行う上での問題点は、仕事(家事・育児)が忙しい、費用がかかりすぎるといった、時間とお金に関する問題が上位である。「自分の目指すべきキャリアがわからない」はアンケートでは四番手。【平成29年度能力開発基本調査P46:PDF

問2.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

 用語の使い方から、おそらく花田光世先生の資料を参考にしたものと想定されますが、当資料をマークしている受験者はほとんどいないでしょう。また、選択肢の内容判断は、やや客観性を欠くものではないかと私は感じており、疑義の残る、後味の良くない問題です。

1.○:直接の出典は不明だが、内容に違和感はなく適切。個人が「育つ」ことを促進する支援の仕組みは必要といえる。

2.○:当事者意識と責任を個々人に根付かせようとする考え方は、花田光世先生の資料にある。ただ、資料を離れて考えると、それを「組織の責任」とまで言って良いものかどうかはやや疑問が残る。【自律的キャリア形成に関してP7:PDF

3.×:花田先生は、この資料において、経営者に対して、セルフ・キャリアドックの仕組みを具体化、明確化し、社内に対して明示・宣言することが求められる、とある。【自律的キャリア形成に関してP13:PDF

4.○:職業能力開発促進法第4条。「事業主は、その雇用する労働者に対し、必要な職業訓練を行うとともに、その労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な援助その他その労働者が職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上を図ることを容易にするために必要な援助を行うこと等によりその労働者に係る職業能力の開発及び向上の促進に努めなければならない。」とあり、努力義務としている。それに対して選択肢では「提供しなければならない」とマストな表現になっているため、疑義が残る問題である。

問3.キャリアコンサルタントの役割の理解

 キャリアコンサルティングの効果については、厚生労働省HPで発表しているPDF版の「調査結果の概要」では、平成28年度には記述がなく、平成29年度には記述があったため、当初は問題文にある「平成28年度」が「平成29年度」の誤りではないかと、解答速報において指摘していましたが、「平成28年度」の書籍版にその内容の記述があることを確認しました。

平成29年度のPDFデータからも、正答を推測できる選択肢もあったものの、入手困難な書籍版から出題されることには疑問です。高価な書籍を購入する必要は無いと考えており、公開されているPDF版の平成29年度版で対策をしましょう。当解説においても、選択肢2~4については、最新のPDF版を参考資料として参照ページを掲載しています。

 平成29年度能力開発基本調査

1.×:役に立ったと回答した人の割合は、9割を超えている。役に立ったとしている人が圧倒的に多数を占めていると捉える。【厚生労働省資料:PDF

2.○:正社員の方が多い。これは平成29年度の調査結果の概要(PDF版)にもあるものの、自信を持って回答するのは難しい選択肢。【平成29年度能力開発基本調査P48】

3.×:最も多いのが、正社員・正社員以外ともに「仕事に対する意識が高まった」である。ランキング1位はしっかり押さえておく。これは平成29年度の結果の概要(PDF版)にもある。【平成29年度能力開発基本調査P48】

4.×:「再就職につながった」は、ひと桁%台である。これは平成29年度の結果の概要(PDF版)にもある。【平成29年度能力開発基本調査P48】

問4.キャリアコンサルタントの役割の理解

 キャリアコンサルタントの役割について、木村先生の著書に明記されているものもありますが、それ以外のものについては、常識的にアプローチしましょう。

引き続き、木村先生の著書は必携です。

1.○:木村先生の著書には、「カウンセリングのみではなく、コンサルテーション、関係者の協力、教育の機能を重視する」とある。【木村先生P222】

2.○:キャリアコンサルタントは、教育機能を有する。【木村先生P222】

3.○:キャリアコンサルタントは、人事部門等との連携機能が必要である。人事部門ではないが、「関係機関が密接に連携する必要」という表現も著書にある。【木村先生P222】

4.○:キャリアコンサルティングの推進、普及啓蒙もキャリアコンサルタントの役割にある。

問5.キャリアコンサルタントの活動

 具体的なケースによる出題ですが、拠り所となるのは、キャリアコンサルタント倫理綱領です。内容的には「それは当たり前でしょう」という内容が多いのですが、キャリアコンサルタントを目指す者として、必ず一読しておきましょう。

 キャリアコンサルタント倫理綱領

1.○:(任務の範囲)第8条2「キャリアコンサルタントは、明らかに自己の能力を超える業務の依頼を引き受けてはならない。」、第8条の3「キャリアコンサルタントは、必要に応じて他の分野・領域の専門家の協力を求めるなど、相談者の利益のために、最大の努力をしなければならない。」

2.×:(相談者の自己決定権の尊重)第9条「キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者の自己決定権を尊重しなければならない。」

3.×:(説明責任)第7条「キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者に対してキャリアコンサルティングの目的、範囲、守秘義務、その他必要な事項について十分な説明を行い、相談者の理解を得た上で職務を遂行しなければならない。」

4.×:(組織との関係)第11条「組織との契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者の利益を損なう問題等 を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織への問題の報告・指摘・改善提案等の環境への働きかけに努めなければならない。」

参考文献・資料

第10次職業能力開発基本計画(PDF)

職業能力開発促進法

キャリアコンサルタント倫理綱領(PDF)

平成28年版厚生労働白書(PDF)

平成29年版能力開発基本調査(PDF)

自律的キャリア形成に関して花田光世著(PDF)

キャリアコンサルティング理論と実際4訂版木村周著(雇用問題調査会2016年)

 

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