第9回問11~問15の解き方

第9回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.キャリアに関する理論

 中年期の発達課題に関する出題。直接の出典が不明であり、いわゆる「中年の危機」の内容に照らして消去法によりアプローチしましょう。

1.×:中年期の危機は、身体的変化のみならず、心理的変化の影響もある。

2.○:岡本祐子先生は、中年期のアイデンティティ再体制化のプロセスを明らかにしている(アイデンティティのラセン式発達モデル)。【岡田先生P83】

3.×:上記のラセン式発達モデルを見ても、中年期が「最も安定」しているとはいえない。【岡田先生P83】

4.×:選択肢の内容は、中年期よりも前の段階の発達課題と考えられる。

問12.キャリアに関する理論

 消去法で1、2が除外できるものの、3を適切なものとして選択することは非常に困難な問題です。

1.×:職業外での役割を開発したり、退職地点を見出すことは大切だが、「一刻も早く引退し、あらゆる活動を停止していく」は適切ではない。【渡辺先生①P43、②P47】

2.×:エリクソンの個体発達分化の図式より、「世代性対停滞性」は老年期ではなく、成人期の心理社会的危機である。老人期は、「統合性対絶望」である。【岡田先生P80】エリクソンは非常によく出題されています。[第1回問9、第2回問4、第3回問9、第4回問11、第5回問11、第6回問11、第8回問11]

3.○:「満足のいく住宅の確保」が「老年期」の発達課題の一つであることは、定番の参考書等では確認することができませんでしたが、石川県立看護大学の論文に記述がある。出典はハヴィガーストの「発達課題と教育」という書籍ですが、深追いすべきではない。【地域における高齢者ケアの課題P53:PDF

ハヴィガーストの発達課題については、こちらのサイトがよくまとまっており、おすすめです。【そうだ!今からはメンタルだ

4.×:シャインの「キャリア・サイクルの段階と課題」によれば、衰え及び離脱の時期の特定の課題として、「配偶者とより親密に暮らす方法を学ぶ」ことがある。「自立して暮らす」ではない。【木村先生P65】

問13.キャリアに関する理論

 正解選択肢は定番のシュロスバーグの4Sの内容だったため、正答を積極的に判断できる問題でした。

1.×:頻出のブリッジズ。トランジションのプロセスは「終焉」⇒「中立圏」⇒「開始」と覚える。【岡田先生P86】[第2回問12、第3回問11、第5回問12、第7回問7、第7回問12、第8回問13]

2.○:同じく頻出のシュロスバーグの4S。Situation(状況)、Self(自己)、Support(支援)、Strategies(戦略)の4つは正しく覚える。【渡辺先生①P138、➁P196】[第1回問13、第3回問11、第8回問12]

3.×:職業的発達段階に、歴年齢にゆるく関連した「移行期(Transition)」があるとしたのは、ハンセンではなく、スーパーである。【渡辺先生①P41、➁P45】[第8回問9]

4.×:バンデューラは、「偶然は予測されずに起こるが、いったん起こると予定されていたことと同じように、通常の連鎖の中に組み込まれて、人間の選択行動に影響を与える」としている。【木村先生P33】

問14.個人の特性の知識

 個人の特性の知識からの出題の1問目は高齢者の継続雇用に関する出題でした。この資料からは初めての出題です。

高齢社員の人事管理と展望ー生涯現役に向けた人事戦略と雇用管理の研究委員会報告書ー(平成27年度)

1.×:継続雇用者の平均年収は、50歳代の年収と比べると約4割減少している。【3章P13:PDF

2.○:第3章P10に記載の通りであり、スタンスとしては、新しいことに挑戦するより積み上げてきた経験をいかす仕事につくという希望が強い。【3章P10:PDF

3.×:継続雇用者側の準備としては、半数近く(45.9%)が準備を行っていない。【3章P11:PDF

4.×:ほぼ3人に1人が65歳を超えて働きたいとしている。【3章P10:PDF

消去法でも対応できたかもしれませんが、現状の継続雇用に関するトレンドを整理するため、この報告書は一読しておきましょう。アンケート結果などで違和感を感じたデータは要チェックです。

問15.個人の特性の知識

個人の特性の知識からの2問目は、前回同様にリハビリテーション・カウンセリングでした。このトピックは第4回、第8回に続く3回目の出題となります。支援の基本姿勢から常識的にアプローチして消去法で判断しましょう。[第4回問12、第8回問14]

リハビリテーション・カウンセリング研究会のサイトより、リハビリテーション・カウンセリングの定義を引用して紹介しておきます。一読しておきましょう。

リハビリテーションカウンセリングの定義
「リハビリテーションカウンセリングとは、身体障害、知的障害、発達障害、認知障害、情緒障害のある人の個人的な目標や、職業及び自立生活における目標を、最も統合化された場で達成するために体系化された支援過程のことである。このカウンセリング過程とは、本人自身による権利擁護の促進や、心理学的・職業的・行動学的な介入を通じて、コミュニケーション、目標設定、望ましい発達や変化を促すものである。」
(2003年Commission for Rehailitation Counselor Certification 全米リハビリテーションカウンセラー認定委員会による定義:八重田訳2008.05.31)

1.○:支援の基本姿勢から適切と判断できる。

2.○:支援の基本姿勢から適切と判断できる。

3.○:支援の基本姿勢から適切と判断できる。

4.×:重視されないは不適切。職業を得て、自立生活を行えるよう支援する。

参考文献・資料

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

高齢社員の人事管理と展望ー生涯現役に向けた人事戦略と雇用管理の研究委員会報告書ー(平成27年度)

そうだ!今からはメンタルだ

リハビリテーション・カウンセリング研究会

 

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