第10回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説！

問26.労働関係法令及び社会保障制度の知識

労働関連法規から、妊産婦への規定などを問う問題です。「必ず」や「しなければならない」、「できる」といった表現に気をつける必要があります。

1.○：婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等の規定である。【男女雇用機会均等法第9条】

2.×：「必ず」が誤りである。使用者は、六週間（多胎妊娠の場合にあつては、十四週間）以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。【労働基準法第65条】

3.○：育児時間の規定は条文の通りである。【労働基準法第67条】

4.○：産前産後の規定は条文の通りである。第4回問19でも同様の選択肢が問われている。【労働基準法第65条３】

健康保険に関して、重要な内容が幅広く出題されています。協会けんぽに情報がよくまとめられています。公私において知っておいた方が良い内容も多いですから、一度確認しておきましょう。

1.○：資格喪失日の前日までに継続して「2ヶ月」以上の被保険者期間がある人は、本人の申し出によって、「2年間」は任意継続被保険者として健康保険に加入できる。【協会けんぽ】

2.○：高額療養費とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額（自己負担限度額）を超えた分が、あとで払い戻される制度である。【協会けんぽ】

3.○：傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度であり、休業4日目から、標準報酬月額の3分の2を、最長1年6ヶ月支給される。【協会けんぽ】

4.×：一律3割ではなく、小学校入学前は2割、小学校入学以後70歳未満は3割、70歳以上は2割（現役並み所得者は3割）である。【協会けんぽ】

すべて木村先生の著書からの出題ですが、常識的にもアプローチすることができます。

1.○：適切である。【木村先生⑤P217、⑥P365】

2.○：適切である。【木村先生⑤P217、⑥P365】

3.○：適切である。【木村先生⑤P217、⑥P365】

4.×：「方策の実行」は、進学、就職及びキャリア・ルートの選択など、意思決定したことを実行するよう援助すること。選択肢の内容は、「追指導・職場適応」である。【木村先生⑤P217、⑥P365】

アイビイのマイクロカウンセリングからの出題です。内容をじっくりと学ぶのなら、福原先生の「マイクロカウンセリング技法」がおすすめです。良い例、悪い例の逐語録が多数収載されていて、マイクロカウンセリング技法の習得にかなり役に立ちます。

1.×：「凝視するのではなく、『聴いていますよ』というメッセージがクライエントに伝わるような視線」を心がける。【福原先生P7】

2.×：自分の姿勢などに注意を払うことも大切。「無意識のうちに身体で相手にメッセージを伝えてしまっています。」【福原先生P7】

3.×：「話すスピードや声のトーンも相手に様々な印象を与えます。」【福原先生P7】

4.○：相手の話にしっかりとついていくことが大切である。【福原先生P7】

マイジョブ・カード（旧ジョブ・カード制度総合サイト）からの出題は超頻出です。過去問のヨコ解きとともに、サイトを一度、じっくりと確認しましょう。

マイジョブ・カード（サイト）の新設により、本問の正答は無しになりました。

1.※：ジョブ・カード作成支援ソフトウェアには、作成支援WEB、作成支援ソフトウェア（インストール型）がある。

2022年10月に新サイト「マイジョブ・カード」が誕生し、ジョブ・カードをWEB上で作成、更新、保管できるようになった。それに合わせ、ジョブ・カード作成支援WEB/ソフトウェアの提供が終了した。

2.×：ジョブ・カードの作成支援ができるのは、キャリアコンサルタント又はジョブ・カード作成アドバイザーである。【マイジョブ・カード】

なお、ジョブ・カード作成アドバイザーは2024年3月末をもって登録者全員の有効期間が終了することになり、以降はキャリアコンサルタントのみが作成支援を行うことになる。

3.×：ジョブ・カードは「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールであり、ある期間に限定して活用するものではない。【マイジョブ・カード】

4.×：キャリア・プランニングや実務能力の証明、教育訓練などにおいて、企業で活用することも想定している。【マイジョブ・カード】

参考文献・資料

男女雇用機会均等法

労働基準法

協会けんぽ

マイジョブ・カード

キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著（雇用問題調査会2022年）

マイクロカウンセリング技法福原眞知子著（風間書房2007年）