第11回問01~問05の解き方

第11回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

 平成29年度男女共同参画白書からの出題です。同白書は、女性活躍、男女共同参画に関する基本的で重要な資料ですから一読しておきましょう。過去の出題も是非解いておきましょう。[第3回問14]

 平成29年版男女共同参画白書(Ⅰ)

白書の全体は内閣府サイトのこちらから参照してください。

1.×:生産年齢人口における女性の就業率は近年上昇しており、平成28年には66%まで上昇している。【P5】

(平成29年版男女共同参画白書P5)

2.×:女性の就業率については、都道府県別の違いがあり、福井県、山形県、鳥取県、富山県などが高い。【P7】

(平成29年版男女共同参画白書P7)

3.×:「子供ができても、ずっと職業を続けるほうがよい」と考える人の割合は、男女ともに増加している。【P9】

4.○:図表から「多い」という客観的な判断が難しいが、本文に同様の文章がある。

(平成29年版男女共同参画白書P14)

ちなみにこの問題は判断の難しい選択肢もあり、消去法でのアプローチはやむなしの問題でした。時折、問1が非常に難しいことがあります。出鼻をくじかれないように、一問目の対応には気をつけましょう。

問2.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

 職業能力開発促進法は、キャリアコンサルタントの法的根拠が示された法律であり、最頻出と言って良い法律ですのです。内容はしっかりと確認しましょう。ただし、こちらの問題もやや即答は難しく、消去法でのアプローチになってもやむを得ないでしょう。

職業能力開発促進法

 1.○:労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとする。【職業能力開発促進法3条の3

2.×:援助に努めるとしている。国及び都道府県は、事業主等の行う職業訓練及び職業能力検定並びに労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な援助その他労働者が職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上を図ることを容易にする等のために事業主の講ずる措置に関し、次の援助を行うように努めなければならない。【職業能力開発促進法第15条の2

3.○:この法律において「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう。【職業能力開発促進法2条の5

4.○:労働者が自ら職業能力の開発及び向上に関する目標を定めることを容易にするために、業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の内容及び程度その他の事項に関し、情報の提供、キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うこと。【職業能力開発促進法第10条の3

2016年の改正のポイントについては、慶應義塾大学の花田光世先生のまとめがわかりやすく、本問の表現も非常によく似ています。試験対策を超えて、花田先生の発信内容には注目する必要があります。下記の資料を通勤時間などに確認しましょう。

花田 光世「キャリア開発の新展開 改正職業能力開発促進法のキャリア自律に与える影響」

問3.キャリアコンサルタントの役割の理解

 第11回試験は問1と問2の最初の2問が難しい問題でしたが、本試験では心折れることなく、35問の獲得だけを考えましょう。問3からの数問は、支援の基本姿勢から常識的にアプローチすることができます。

1.×:個人のみならず、組織や経営者に対する相談支援もある。

2.×:キャリアコンサルティングは、キャリア形成や教育・普及活動と切り離して行うべきではない。ちなみに、木村先生の著書にも記述がある。「カウンセリングのみでなく、コンサルテーション(Consultation)、関係者の協力(Coordination)、教育(Education)の機能を重視する。【木村先生④P222、⑤P226】

※2018年10月に5訂版がリリースされたため、木村先生の著書「キャリアコンサルティング理論と実際」の参照ページ数は、4訂版を④、5訂版を⑤と表記しています。学科試験出典ナンバー1のバイブルですので机上に是非ご用意ください。

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版

3.○:「個人と組織の共生関係」は適切である。

4.×:職業生活上の課題だけ、ということはない。

問4.キャリアコンサルタントの役割の理解

 こちらの問題も、支援の基本姿勢から常識的にアプローチしましょう。1は積極的に×と判断することができます。

1.×:キャリアコンサルタントの役割として、組織や環境への働きかけもある。なお、「徹する」というオンリー(唯一)表現には正誤判断上、注意する。木村先生の著書にも環境への介入に関する記述があります。【木村先生④P145、⑤P148】

2.○:支援の基本姿勢として、自分の役割に意味を見出し、自ら積極的に変化を起こしていけるよう援助することは正しく、適切である。

3.○:支援の基本姿勢として、発達段階や適正や価値観を職業選択のプロセスを援助することは正しく、適切である。

4.○:支援の基本姿勢として、大きな視点から考えることができるよう援助することは正しく、適切である。

問5.キャリアコンサルタントの活動

 具体的な事例での出題ですが、その背景にあるのは、頻出のキャリアコンサルタント倫理綱領の規定です。支援の基本姿勢から常識的にアプローチすることもできますが、ページ数も多くはありませんので、必ず一読しておきましょう。

 キャリアコンサルタント倫理綱領

1.×:適切ではない。多重関係の禁止などの相談者との関係については第10条に規定されている。【第10条】

2.×:適切ではない。「相談者に気づかれないようにして」は不適切である。守秘義務については第5条に規定されている。【第5条】

3.×:適切ではない。「イニシャル化さえすれば」は不適切である。守秘義務については第5条に規定されている。プライバシー保護には最大限の配慮が必要である。また、第7条の説明責任の観点からも不適切である。【第5条、第7条】

4.○:倫理綱領には明記がないものの、例えば自殺企図など生命の危険などの緊急を要する場合や、本選択肢のように法律上の要請がある場合には、守秘義務や説明責任の例外となりうる。

参考文献・資料

平成29年版男女共同参画白書(Ⅰ)(PDF)

職業能力開発促進法

花田 光世「キャリア開発の新展開 改正職業能力開発促進法のキャリア自律に与える影響」

キャリアコンサルタント倫理綱領(PDF)

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年)

厚生労働省

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