第11回問06~問10の解き方

第11回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問6.キャリアに関する理論

 頻出のホランド、VPIからわかることは、6つのパーソナリティタイプと5つの傾向尺度です。間違い探しは比較的容易でしたが、他の選択肢の内容も理解を深めておきたいところです。なお、ホランドに関するこれまでの大問(まるごと一問)での出題は次の通りです。[第2回問6、第4回問7、第6回問9、第7回問9]

1.○:「人間は、個人的特性と環境との相互作用の結果としてできあがるもの」であるとしている。木村先生の著書にある「パーソナリティの発達図式」も参考になる。【木村先生④P30、⑤P30】

2.○:「自分の役割や能力を発揮し、価値観や態度を表現し、かつ自分にあった役割や課題を引き受けさせてくれる環境を探し求めている。」【木村先生④P30、⑤P30】第6回問9においても同様の内容が問われている。[第6回問9]

3.×:適職領域ではなく、行動傾向尺度である。VPI(Vocational Preference Inventory)は、6つのパーソナリティ・タイプ(RIASEC)と5つの行動傾向尺度の合計11の尺度得点で解釈できるように構成されている。【渡辺先生①P50、②P63】同様の趣旨の問題が過去にも出題されている。[第5回問41、第7回問46]

※渡辺先生の著書「新版キャリアの心理学」の参照ページ数は、初版を①、第2版を②と表記しています。ご活用ください。

新版キャリアの心理学【第2版】渡辺三枝子編著

4.○:「個人の行動は、その人のパーソナリティと環境の特徴との相互作用によって決定される」としている。【木村先生④P30、⑤P30】 

問7.キャリアに関する理論

 ジェラットの積極的不確実性に関する出題(大問)は第3回、第6回、第10回と定期的に出題されています。ジェラットについては、渡辺先生の著書が詳しく、本問の出典にもなっています。[第3回問8、第6回問7、第10回問40]

1.×:文章の内容は正しいが、これは積極的不確実性の内容ではなく、ジェラットの前期理論の「主観的可能性」に関する記述である。【渡辺先生①P94、②P115】

2.×:これはクランボルツのプランド・ハプンスタンス(計画された偶然性)の内容である。【ジル資料P46】

当サイトでは通称、ジル資料と呼んでいますが、労働政策研究・研修機構で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

3.×:文章の内容は正しいが、これは積極的不確実性の内容ではなく、ジェラットの前期理論の「連続的意思決定プロセス」に関する記述である。【渡辺先生①P96、②P116】

4.○:「客観的で合理的なストラテジーだけでなく、主観的で直感的なストラテジーを統合して用いていかねばならないと考えた」【渡辺先生①P100、②P120】

ジェラットの後期理論では、左脳だけではなく「右脳」も使う意思決定を唱えています。ちなみに、ジェラット先生は、クランボルツ先生とはテニス仲間で仲良しだそうです。

問8.キャリアに関する理論

 サビカスのキャリア・アダプタビリティの4次元(関心、統制、好奇心、自信)に関する出題で、第9回問7とほぼ同様の内容で似たような文章でした。初見では難しいものの、第9回で対策ができていれば答える事ができる問題でした。[第9回問7]

1.○:キャリア関心は、未来志向のものである。【渡辺先生①P188、②P98】

2.○:キャリア統制は、2番目の次元であり、みずから決断しようとする態度である。【渡辺先生①P189、②P100】

3.○:キャリア好奇心は、3番目の次元であり、好奇心をもって、職業に関わる環境を探索することを意味している。【渡辺先生①P189、②P101】

4.×:意思決定能力ではなく、自己効力感である。キャリア自信とは、「進路選択や職業選択を行う際に必要となる一連の行動を適切に実行できるという自己効力感を意味している」。【渡辺先生①P190、②P102】

問9.キャリアに関する理論

 統合的生涯設計といえば、ハンセンの代名詞とも言える代表的な考え方ですので選択は容易でした。[第3問問6、第5問問10]

1.×:ライフ・キャリア・レインボーの考え方を提唱したのは、スーパーである。【渡辺先生①P38、②P48】

2.○:統合的生涯設計(ILP)を提唱したのは、ハンセンである。【渡辺先生①P164、②P208】

スーパーは人生の役割を「レインボー」にたとえたのに対して、ハンセンは「キルト」にたとえ、統合的生涯設計という概念を提唱しています。4L(愛、学習、労働、余暇)も抑えておきましょう。

3.×:職業適合性の概念を提唱したのは、スーパーである。【渡辺先生①P35、②P40】[第1回問37、第5回問8]

4.×:LTCC:The Learning Theory of Career Counselingを提唱したのはクランボルツである。Learning Theory=学習理論といえば、バンデューラやクランボルツを連想できる。【渡辺先生①P79、②P137】

問10.キャリアに関する理論

 発達段階(発達期)のマスターは難しいものの、各理論家が提唱している発達段階が何段階なのか、どのような特徴があるのかを徐々に抑えていきましょう。

1.×:成長、探索、確立、維持、解放(衰退、下降)の5段階は、スーパーが提唱した発達段階である。【渡辺先生④P41、⑤P44】[第10回問10]

2.○:レビンソンは成人期を四季にたとえ、その発達期を児童期と青年期、成人前期、中年期、老年期の4つにわけている。【岡田先生P78】

岡田昌毅先生の「働くひとの心理学」は、木村先生や渡辺先生の著書にはあまり記述のない、発達理論に関する記述が充実した参考書です。養成講座のテキストにそれらの記述のある方はマストではありませんが、キャリア理論が体系的にまとめられていて、読みやすい一冊です。

3.×:乳児期、幼児前期、幼児後期、学童期、青年期、成人前期、成人期、老年期の8つの発達期に分け、各発達段階での発達課題を個体発達分化の図式にあらわしたのはエリクソンである。【岡田先生P79】

4.×:この発達段階は、シャインの「キャリア・サイクルの段階と課題」に示されている9つの段階である。木村先生の著書にある図表で細かい内容であるが、過去にも出題があり、第10回では同様の選択肢が出題されている。【木村先生④P64、⑤P64】[第1回問11、第2回問10、第3回問12、第10回問10]

参考文献・資料

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年) 

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

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