第11回問21~問25の解き方

第11回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問21.人事管理及び労務管理の知識

 雇用調整や雇用調整助成金に関する出題は初めてであり、馴染みもあまりない方がほとんどの内容です。資料からは、細かい内容も問われており、これもまた…。

捨て問題でやむを得ないでしょう。といいますか、今回第11回は、問20からの、魔の捨て問ゾーンが、受験者を非常に苦しめたのではないかと思います。解説づくりもなかなか大変です…。

 雇用調整助成金

1.○:雇用調整助成金はそうした雇用調整に対応するための助成金である。

2.○:所定労働日の全一日にわたって実施されるものであるなどの要件を満たす必要がある。【厚生労働省

3.○:事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に、1年間の対象期間について助成される。【厚生労働省:PDF

4.×:過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていることが、受給要件となる。【厚生労働省

問22.労働市場の知識

 一般職業紹介状況や労働経済の分析といった統計資料からの非常に細かい内容が問われた問題です。正解選択肢を導き出すことは非常に難しい捨て問です。

1.○:「医療、福祉系」や「宿泊業、飲食サービス業」の新規求人数の増加幅が大きい。【平成29年版労働経済の分析P24:PDF】なお、平成30年版でも、「医療、福祉」の増加幅は、引き続き高い水準を維持している。

2.×:平成30年9月分の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率(就業地別・。季節調整値)で2倍を超えているのは、富山県、福井県、岐阜県である。【一般職業紹介状況(平成30年9月分):PDF

3.○:正社員の有効求人倍率は1.38倍(4月)から1.55倍(9月)と1倍を超え続けている。【一般職業紹介状況:PDF

4.○:労働供給を表す有効求職者数、新規求職申込件数については減少傾向で推移している。【平成29年版労働経済の分析P22:PDF】なお、平成30年版においては、その傾向に拍車がかかっている。

問23.労働市場の知識

 用語の定義が問われる問題は、これまでにも出題がありますが、なかなか判断の難しい選択肢が多く、消去法でも正答を導くことが困難な問題でした。[第1回問20、第8回問23]

1.×:完全失業率とは、「労働力人口」に占める「完全失業者」の割合をいい、「労働力人口」とは、15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたものをいう。【労働力調査 用語の解説

2.×:有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合のことであり、公共職業安定所を通じた求人・求職に限られる。【コトバンク

3.○:景気動向指数は、先行系列、一致系列、遅行系列に分けることができ、雇用関連の指数としては先行系列には「新規求人数」、一般系列には「有効求人倍率」、遅行系列には「完全失業率」があげられる。【内閣府景気動向指数利用の手引

4.×:「労働力人口」とは、15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたものをいい、アルバイトをしている学生も含まれる。【労働力調査 用語の解説

問24.労働市場の知識

 調査方法などで様々な問題点が露呈した賃金構造基本統計調査です。

厚生労働省のサイトでは、問題点の報告や対応などが掲載されています。なお、これまでの試験の出題では、本調査については、細かな内容の出題が多く、今回も判定が難しい、捨て問題の位置づけとなります。

賃金構造基本統計調査

1.○:賃金格差は過去最小の73.4(男性=100)となっている。【平成29年賃金の推移:PDF

2.○:正社員・正職員以外は、年齢階級が高くなっても賃金の上昇があまり見られない。【平成29年雇用形態別の賃金:PDF

(平成29年賃金構造基本統計調査)

3.○:短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計1,096円、男性1,154円、女性1,074円となっており、いずれも過去最高となっている。【平成29年短時間労働者:PDF

4.×:男性では、大企業が383.3千円(0.4%減)、中企業が318.3千円(0.6%減)、小企業が293.6千円(0.9%増)、女性では大企業が270.8千円(0.8%増)、中企業が241.4千円(0.4%減)、小企業が223.0千円(1.8%増)となっており、男性は小企業で、女性は大企業及び小企業で前年を上回っている。【平成29年企業規模別:PDF

問25.労働関係法及び社会保障制度の知識

 賃金の支払いに関する、労働基準法からの出題です。感覚ではわかっているつもりでも、法令や実際の運用をあらためて顧みると、そうだったのか、という感覚になる問題です。違和感を感じた方は、いま一度確認しておきましょう。

1.○:労働基準法第24条において「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」とされているが、労働組合等との書面による協定を結び、個々の労働者の合意を得れば銀行振込が可能である。【厚生労働省

2.×:通貨以外のもので支払うこともできる。【労働基準法第24条

3.×:「未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代つて受け取つてはならない。」【労働基準法第59条

4.×:書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。【労働基準法第24条

参考文献・資料

厚生労働省

平成29年版労働経済の分析(PDF)

総務省統計局

内閣府

労働基準法

コトバンク

賃金構造基本統計調査

問26~問30へ進む

全50問の目次