第12回問11~問15の解き方

第12回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.キャリアに関する理論

 スーパーのライフ・ステージに関する出題とはいうものの、問われた内容は、発達課題に関する各理論(家)の特徴でした。発達課題に関するトピックは苦手な方が多いのですが、それぞれの特徴と人名を結びつけていきましょう。

1.×:人が生きている領域を、「生物学的・社会的」、「家族関係」、「仕事・キャリア」の3つのサイクルに分けたのはシャインである。【渡辺先生①P111、②P153】

2.×:成人の心理社会発達について、生活構造の安定期と過渡期が交互に現れ進んでいくとしたのはレビンソンである。第7回問11とほぼ同様の選択肢である。【岡田先生P78】

働くひとの心理学 

岡田昌毅先生の「働くひとの心理学」は、木村先生や渡辺先生の著書にはあまり記述がない、発達理論に関する記述が充実した参考書です。養成講座のテキストにそれらの記述のある方はマストではありませんが、キャリア理論が体系的にまとめられている良書です。

3.○:スーパーは、生涯を通じた一連のライフ・ステージをマキシサイクルと呼んだ。【渡辺先生①P41②P44】

4.×:心理社会的な自我の性質である8つの段階は、エリクソンが提唱した。【岡田先生P81】

問12.キャリアに関する理論

 転機の理論に関して、各理論家の特徴が横断的に問われた問題でした。選択肢1~3は第9回問13とほぼ同様の選択肢だったため、過去問をしっかりとやっておけば選択は容易でした。

1.○:ブリッジズのトランジションのプロセスは「終焉」⇒「中立圏」⇒「開始」と覚える。【岡田先生P86】なお、第9回問13と同一の選択肢である。

こんなに出ている、ブリッジズ![第2回問12、第3回問11、第5回問12、第7回問7、第7回問12、第8回問13、第9回問13、第10回問13]

2.○:こちらも頻出、シュロスバーグの4S。なお、第9回問13と同一の選択肢である。Situation(状況)、Self(自己)、Support(支援)、Strategies(戦略)の4つは正しく覚える。【渡辺先生①P138、➁P196】[第1回問13、第3回問11、第8回問12、第9回問13、第10回問12]

 3.○:スーパーは、職業的発達段階に歴年齢にゆるく関連した「移行期(Transition)」があるとした。なお、第9回問13とほぼ同一の選択肢である。【渡辺先生①P41、➁P45】

4.×:クランボルツのプランドハプンスタンス理論の内容である。【木村先生④P39、⑤P39】 

問13.キャリアに関する理論

 キーワードが列挙され、一見難しそうに見えますが、第11回問12で正解選択肢に関する出題がありましたので獲得しておきたい問題です。また、選択肢2も第11回試験での出題内容でした。

1.○:シュロスバーグは、成人の発達を捉える4つの視点として、①コンテクスチュアル(文脈的)あるいはカルチュアル(文化的)な視点、②ディベロップメンタル(発達的)な視点、③ライフ・スパンの視点、④トランジション(転機)の視点をあげている。なお、第11回問12とほぼ同様の趣旨の選択肢でした。【渡辺先生①P128、②P186】[第11回問12]

2.×:これは第11回問11で出題のあった、生涯発達の6つのモデル(観点)に関する内容である。記載されている4つのモデルの他に「成熟」と「両行」がある。【岡田先生P77】[第11回問11]

3.×:機能(職能)、地位(階層)、中心性の3次元モデルを展開したのは、シャインである。中心性(部内者化)という表現は、シャインの理論の独特な表現である。【ジルP70】[第4回問6、第8回問8]

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査

当サイトでは通称、ジル資料と呼んでいますが、労働政策研究・研修機構で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

4.×:これらの過渡期は、レビンソンの発達段階の内容である。【岡田先生P78】主な過去の出題は以下のとおりであり、よく出題されている。[第1回問10、第2回問11、第7回問11、第9回問10]

問14.個人の特性の知識

 介護と仕事の両立支援について、第11回問14に続いて出題されましたが、今回は両立支援がテーマであるものの、主な出題内容は介護保険サービスに関する出題でした。育児、介護、そしてがん等の治療との両立支援は今後も注目すべきトピックです。[第11回問13]

1.○:地域包括支援センターは、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える総合相談窓口であり、市町村が設置主体となっている。なお、自治体から委託されて、社会福祉法人や社会福祉協議会、民間企業などが運営しているケースもある。

2.×:「予防給付」は要介護ではなく、「要支援1・2」に認定された場合に利用できるサービスである。【世田谷区ホームページ

3.○:40歳から64歳の第2号被保険者であっても、要介護(要支援)状態が、老化に起因する疾病(特定疾病) による場合には、介護サービスを受けることができる。【介護保険制度についてP1:PDF

4.○:要介護認定で「非該当」と認定された場合であっても、日常生活に支障があり、社会的支援があれば自立した生活が可能な人に対して、介護予防・自立支援を推進するためサービスを提供している。【横浜市ホームページ

問15.個人の特性の知識

個人の特性の知識に関する出題は今回は2問体制で、こちらは「女性のキャリアの発達課題」で、二村英幸先生の著書からの出題と思われます。本書からの出題は初めてですが、女性活躍についての一般的な知識や、経験から正答を導きたい問題です。

個と組織を生かすキャリア発達の心理学

1.○:女性に固有の発達課題があり、それを議論することは、男性のキャリアとも密接な関係がある。【二村先生P20】

2.○:周囲にモデルとなる同様の境遇の先輩モデルがないことが多いことから、解決が難しくなったりストレスを発散しにくい場合も少なくない。【二村先生P20】

3.○:女性のキャリア発達課題の特徴として、女性のキャリア選択、トランジションの多様性がある。【二村先生P20】

4.×:アイデンティティの確立プロセスは、最初の就職だけにとどまらない。就職、結婚とキャリアの選択、配偶者の仕事への配慮、昇進、転職、出産、子育て、その後の再就職、介護等のトランジションのたびに、アイデンティティの立て直しが必要となる。【二村先生P20】

参考文献・資料

働くひとの心理学岡田昌毅著(ナカニシヤ出版2013年)

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

厚生労働省

世田谷区

横浜市

改訂増補版個と組織を生かすキャリア発達の心理学二村英幸著(金子書房2015年)

 

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