第12回問21~問25の解き方

第12回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問21.人事管理及び労務管理の知識

 社員の異動などに関連する内容で、第6回問21と選択肢の内容も順序も全て同様の問題でした。[第6回問21]

1.○:元の会社との労働契約を維持しながら、他の会社の指揮命令下で業務に従事することを出向という。

2.○:元の会社との労働契約を終了させて、他の会社と新たな労働契約を結び業務に従事することを転籍という。

3.×:これは社内FA制度の説明である。社内ベンチャー制度は、会社が資金や人員を提供して新規部門を立ち上げたり、子会社として独立させたりする仕組みである。

4.○:社内公募制度のメリットとしてあげられるが、配属や業務内容において希望が叶わない場合には、労働意欲減退につながるリスクもある。

問22.労働市場の知識

 頻出の労働経済の分析からの出題です。やや細かな内容も問われていますが、消去法でアプローチし、落ち着いて検討しましょう。統計データに関する出題への対策としては、傾向や趨勢(トレンド)をおさえていきましょう。

 平成30年版労働経済の分析

「労働経済の分析」は、頻出資料御三家の一つに数えられる資料です(他の2つは能力開発基本調査と能力開発基本計画)。「労働経済の分析」は毎年9月に公表されますが、これまでは年度が変わるとともに最新版が出題されている傾向があります。そのため、平成31年度(令和元年度)の試験については、平成30年版の出題可能性が高いです。ただし、過去の版に遡っての出題はこれまでもありますので、過去年版は出ないとは言えません。

1.×:週60時間以上就労している雇用者の割合は男女ともに低下している。【P48】

2.○:毎月勤労統計調査でパートタイム労働者の賃金の把握を始めた1993 年度以降で最高の水準となっている。【P53】

3.○:女性や高齢者の賃金自体は増加しているものの、一般労働者間でも女性や高齢者の賃金水準は相対的に低いことから、これらの労働者比率の上昇は一般労働者の現金給与総額に対してマイナスに寄与する結果となっている。【P54】

4.○:現金給与総額の推移では、男性については40歳台の賃金の減少幅が大きく、役職者比率の推移についても、40歳台における低下幅が大きい。【P56】

問23.労働市場の知識

 問22に続き「労働経済の分析」からの出題です。やや細かな内容が問われており、事前に一読して印象づけておかないと判断が難しい選択肢が複数ありました。消去法でアプローチしましょう。

 平成30年版労働経済の分析

1.×:2012 年の景気後退局面において上昇した労働分配率の水準と比較し、全ての資本金規模において労働分配率は低い水準となっている。【P10】

なお、労働分配率とは、企業において生み出した付加価値全体のうち、労働者にどのくらい還元されているかを示す割合である。

2.×:2017 年の人手不足関連倒産件数の状況では、「後継者難」型が最も多くなっているが、「求人難」型における倒産件数がやや増加した。【P11】

3.×:正社員有効求人倍率は 2017 年8月に1 倍を超える水準となった後、直近 2018 年3月に1.08 倍となり、2004 年度に集計を開始して以来、過去最高の水準となった。【P15】

4.○:若年層を中心に完全失業率が低下している。2017 年をみると、男性では「15~24 歳」「25~34 歳」、女性では「25~34 歳」において大きく低下している。【P17】

問24.労働市場の知識

 就業構造基本調査に関する出題は、これまでにはあまりなかったのですが、第4回問24の選択肢1で問われています。第4回問24は、調査の種類を問う内容で是非、やっておいて欲しい問題です。拙著でも、国が行う調査の種類をまとめています(テキスト&問題集:P109)。

就業構造基本調査は、国民の就業及び不就業の状態を調査し、全国及び地域別の就業構造に関する基礎資料を得ることを目的として、「総務省」が行っています。調査昭和57年以降は「5年」ごとに行われています。是非、一読しておきましょう。

 就業構造基本調査(結果の概要)

1.○:平成 24 年と比べると,過去5年間に「出産・育児のため」に前職を離職した者は 23 万1千人減少している。【P3】

2.○:「介護・看護のため」に前職を離職した者は、男性より女性の方が多く、約8割を占めている。【P6】

3.×:女性の有業率(生産年齢人口)は、福井県が最も高く(75.4%)、次いで島根県(74.5%)、山形県(74.3%)となっている。【P12】

ちなみに女性の有業率(生産年齢人口)は、東京都は70.5%、愛知県は68.9%、大阪府は66.0%、福岡県66.3%であり、大都市が必ずしも高いわけではなく、比較的、日本海側に割合の高い県がある。

4.○:就業調整をしている女性の割合は、所得階級別にみると、「50~99万円(52.2%)」と「100~149万円(35.0%)」を合わせて87.2%にものぼる。【P8】

問25.労働関係法令及び社会保障制度の知識

 労働時間と休日に関する出題は、定期的に出題されていますが、今回は労働基準法の知識というよりは、人事管理、労務管理的な視点からの出題でした。労働時間や休日に関しては法の規定がこれまでにも問われていますので、次の過去問も合わせて確認しましょう。[第3回問18、第6回問25]

1.×:管理監督者については、残業や休日出勤をしても残業手当や休日出勤手当を支払う必要はないが、深夜割増賃金の支払いや有給休暇については与える必要があるため、「すべて」が除外されるわけではない。

2.×:専門業務型裁量労働制は、19業務に限定されており、事業場の過半数労働組合又は過半数代表者との労使協定を締結することにより導入することができる。

営業職は対象業務に入っておらず、研究開発業務やソフトウェア創作、公認会計士、弁護士などの士業等に限定されている。【厚生労働省

3.○:フレックスタイム制の説明として適切である。弾力的な労働時間制度の一種であり、労働者自身が、日々の労働時間の長さや始業及び終業の時刻を決定することができる制度である。

4.×:労働基準法第35条1項では、使用者は労働者に対して、少なくとも週に1回の休日を与えなければならないとし、1週につきこの1日を法定休日としているが、必ずしも国民の祝日など特定の日を指定することまでは求めていない。【労働基準法第35条

参考文献・資料

平成30年版労働経済の分析(PDF)

就業構造基本調査(結果の概要)(PDF)

厚生労働省

労働基準法

総務省統計局

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