第12回問26~問30の解き方

第12回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問26.労働関係法令及び社会保障制度の知識

 健康保険に関する大問はこれまでに多くはなく、第10回問27以来の大問での出題です。ただし、選択肢のうち3つは第10回問27と同じ趣旨の問題のため、第10回をやっておけば、正解選択肢を導くのはそれほど難しくはない問題でしたが、知らない内容は覚えておきましょう。[第10回問27]

1.○:一部負担金の割合は、小学校入学以後70歳未満は3割である。なお、小学校入学前は2割、70歳以上は2割(現役並み所得者は3割)である。【協会けんぽ】同趣旨の内容が、第10回問27で出題されている。

2.×:出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産された時に申請すると1児につき42万円が支給される。産前産後休業の取得とは関係ない。【協会けんぽ

3.○:退職者の健康保険については、資格喪失までに「継続して2ヶ月以上の被保険者期間」があり、「資格喪失日から20日以内に申請することにより、2年間、任意継続被保険者として健康保険に加入することができる。【協会けんぽ】同趣旨の内容が、第10回問27で出題されている。

4.○:傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度であり、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される。【協会けんぽ】なお、業務上の負傷、疾病や通勤途上での負傷などについては、労災保険からの給付を受けることができる。同趣旨の内容が、第10回問27で出題されている。

問27.労働関係法令及び社会保障制度の知識

 「懲戒解雇」は第7回問19で出題されていますが、「懲戒」に関する大問は初めての出題です。消去法でのアプローチをと言いたいところですが、判断の難しい選択肢もあり、捨て問題でもやむを得ない問題でしょう。

1.○:使用者は労働者の企業秩序違反行為に対して、制裁罰として懲戒を課すことができるとされている。【労働政策研究・研修機構

2.×:減給については労働基準法による制限がある。「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」【労働基準法第91条

3.○:労働契約法第15条の規定。「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」【労働契約法第15条

4.○:企業が定める懲戒の事由としては、「①経歴詐称、②職務怠慢、③業務命令違反、④職場規律違反・職務上の非違行為、⑤兼業・二重就職、⑥私生活上の非行、⑦会社批判・内部告発等がある。【労働政策研究・研修機構

問28.カウンセリングの技能・知識

 判断の難しい選択肢もありましたが、第10回問32でも「ゲシュタルト療法-パールズ」が問われており、必ず取りたい問題です。

1.×:フロイト、精神分析までは適切だが、過程尺度(process scale)とはロジャーズが提唱した、クライエントに生じる変化の過程を概念化したものである。

2.○:ゲシュタルト療法はパールズが始めた療法で、「今ここ」での「気づき」を得る心理療法である。【Wikipedia

3.×:エリス、論理療法までは適切だが、エゴグラムは、バーンの交流分析に基づいて作成された性格診断テストである。

4.×:吉本伊信は内観療法の創始者であり、内観療法は森田療法と並ぶ、日本で創始された代表的な精神療法である。自由連想はフロイトなどの精神分析療法において使用する。吉本伊信については、2度目の出題。[第9回問32]

問29.カウンセリングの技能・知識

 精神分析における防衛機制に関する本格的な出題(大問としての出題)は、これまでに第6回、第10回があります。合わせて確認しておきましょう。拙著においてもまとめを掲載しています【テキスト&問題集P158】。[第6回問29、第10回問34]

1.×:これは「補償」の内容である。「昇華」とは衝動を満たすことが許されないときに、社会的・文化的に価値ある行動へ置き換えることをいう。

2.×:これは「置き換え」の内容である。「摂取」とは自分のなかに、自分以外のものを取り入れようとすることである。

3.×:これは「投影」の説明である。「反動形成」とは受け入れがたい考えや感情を見ないようにし、正反対の態度や行動を取ることである。

4.○:「合理化」はもっともらしい理屈をつけ、納得しようとすることである。

問30.カウンセリングの技能・知識

 カウンセリング療法に関する横断的な知識を問う問題で選択肢に関連する療法以外では、来談者中心療法、現実療法、解決思考アプローチ、ソーシャル・スキル・トレーニングなどがあります。

1.×:これは家族療法に関する記述である。【Wikipedia】家族療法については、「システムズ・アプローチ」に注意する。[第5回問28、第8回問29]

2.○:認知行動的アプローチでは、認知(考え)・感情・行動のつながりを理解することから始まる。【ジル資料P126】

3.×:出典は不明であるが、「心と身体の内部の統合」や「体験を通じて解決」というキーワードからゲシュタルト療法を意味しているのではないかと思われる。【Wikipedia

4.×:無意識内の未解決の葛藤に焦点をあてるのは、精神分析療法である。

認知行動的アプローチは、 1950 年代に発展した行動療法と50年代に生まれた論理療法や、60 年代に生まれた認知療法が70 年代に融合することによって、心理療法として大きく発展しました。

認知行動療法=行動療法+論理・認知療法とおさえておきましょう。

参考文献・資料

協会けんぽ

独立行政法人労働政策研究・研修機構

労働基準法

労働契約法

Wikipedia

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(PDF)

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