第13回問06~問10の解き方

第13回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問6.キャリアに関する理論

 ホールは第12回に続いての出題で、内容も似ていました。出題テーマはプロティアン・キャリアと伝統的キャリアとの比較です。拙著でのまとめもお役に立てたかと思います。ホールのプロティアン・キャリアについては過去にも類題があります。[第1回問8、第9回問9、第12回問8]

キャリアコンサルタント学科試験テキスト&問題集(初版)P27

1.○:プロティアン・キャリアの主体は個人、伝統的キャリアの主体は組織である。【渡辺先生①P149、②P173】

キャリアの理論に関する出題は、渡辺三枝子先生の「新版キャリアの心理学」が出典と思われる出題が多いです。木村先生の著書と併せて、机上に用意しておきたい参考書です。なお、渡辺先生の著書「新版キャリアの心理学」の参照ページ数は、初版を①、第2版を②と表記しています。ご活用ください。

新版キャリアの心理学(第2版)

2.○:組織関連の柔軟性とは、組織で生き残ることができるかで測るものであり、伝統的キャリアにおける重要なアダプタビリティ側面である。また、仕事関連の柔軟性とは、市場価値により測るものであり、プロティアン・キャリアにおける重要なアダプタビリティ側面である。【渡辺先生①P149、②P173】

3.×:逆である。重要な態度側面としては、伝統的キャリアにおいては組織コミットメントであり、プロティアン・キャリアでは仕事満足感である。【渡辺先生①P149、②P173】

4.○:核となる価値観は、伝統的キャリアにおいては昇進や権力であり、プロティアン・キャリアにおいては自由や成長である。【渡辺先生①P149、②P173】

問7.キャリアに関する理論

 シャインの3つのサイクルに関する出題です。しっかりと覚えておかないと自信を持って答えることは難しい問題ですが、本問の内容は、第12回ではスーパーのライフ・ステージの選択肢として、誤った選択肢として出題されていました。[第12回問11]

1.○:生物学的・社会的サイクルは、シャインの3つのサイクルとして適切である。生物学的・社会的という言葉が難しいが、「自己」の発達と捉える。【渡辺先生①P111、②P153】

2.×:人生・ライフサイクルは、シャインの3つのサイクルとして適切ではない。【渡辺先生①P111、②P153】

3.○:仕事・キャリアサイクルは、シャインの3つのサイクルとして適切である。【渡辺先生①P111、②P153】

4.○:家族関係サイクルは、シャインの3つのサイクルとして適切である。【渡辺先生①P111、②P153】

シャインの3つのサイクルは、「人が生きている領域」を3つに分けたもので、それぞれにおいて人が「役割」を持つものとしています。そして、それぞれの領域において「サイクル」があるとしています。言葉が難しいですが、3つは自分自身・仕事・家族と捉えましょう。

問8.キャリアに関する理論

 「キャリアやカウンセリングに関する理論を学習する意義」という問いかけは初めてであり、新傾向の問題と言って良いでしょう。内容については、渡辺先生の著書(第2版のみ)に記述があります。第2版の第1章からの出題です。

1.○:理論は結果の予測可能性を向上させる。理論はカウンセラーの行動の根拠となり、カウンセラーの意図的な行動を可能にさせる。【渡辺先生②P4】

2.○:理論は仮説を生み出すための基盤となる。仮説を構築するというのは、「見立てる」ということであり、それに役立つ。【渡辺先生②P5】

3.○:直接的な本選択肢の記述は無いものの、理論は予測可能性を高め、クライエントの総合的な理解や、仮説の構築、検証等によるクライエントの問題を焦点化することに役立つことから、経験や勘に頼らない適切な支援に繋がるといえる。【渡辺先生②P4】

4.×:関係構築(ラポール構築)と理論とは別の問題であるが、渡辺先生の著書の中でも、一方的に押し付けたり教条的にならないことや、キャリアコンサルタント自身が理論に振り回されないことに言及している。【渡辺先生②P6】

理論は絶対的なものではなく、万能薬でもありませんが、キャリアコンサルタントはカウンセリングの中で、それらを選択的に活用し、実証的にアプローチしていくことの重要性を渡辺先生は伝えています。第2版の1章は読んでおきたい内容です。

問9.キャリアに関する理論

 サビカスのキャリア・アダプタビリティの4次元(4つのC)に関する出題は第9回、第11回に続いて3回目で、ほぼ同様の趣旨の選択肢から構成されています。[第9回問7、第11回問8]

覚え方:かとうこうじ(関心・統制・好奇心・自信)

この語呂合わせは、第13回対策みん合☆プラス会員の方が発明してくださいました。覚えやすくて感謝。ありがとうございました!

1.○:キャリア関心(Career Concern)は、みずからの職業上の未来に関する関心のことである。【渡辺先生①P188、②P98】

2.○:キャリア統制(Career Control)は、みずからの職業上の未来を統制することである。【渡辺先生①P189、②P100】なお、第9回問7の選択肢と同様である。

3.○:キャリア好奇心(Career Curiosity)は、好奇心をもって、職業にかかわる環境を探索することである。【渡辺先生①P189、②P101】なお、第9回問7の選択肢と同様である。

4.×:キャリア冒険心はありそうで無い。文章の内容は、キャリア自信(Career confidence)である。【渡辺先生①P190、②P101】

ちなみに「冒険心」というキーワードは、クランボルツのプランド・ハプンスタンス・セオリーにおいて、偶然の出来事を個人のキャリアに生かすための5つのスキルの一つです。ほかには、好奇心、持続性、柔軟性、楽観性があります。

問10.キャリアに関する理論

 クランボルツの理論に関する出題です。正解選択肢以外はクランボルツの理論とは直接関係が無く、また、正解選択肢はこれまでにも出題されている文章のため、積極的に選び正解したい問題です。

難しい文章ですが、クランボルツは偶然を尊重する考え方のため、未決定はむしろ望ましいこととして捉えています。

1.○:計画された偶発性理論では「未決定」を望ましいものと捉えている。【渡辺先生①P88、②145】なお、第4回と第6回でほぼ同じ文章が出題されている。[第4回問8、第6回問6]

2.×:バタフライ・モデルは、キャリア・カオス理論の視点の一つの非線形性を示すものである。あることが変化した分以上、あるいはそれ以下の変化が、別のことに生じる非線形性を意味する。【ジルP49】なお、全く同様の文章が第6回で出題されている。[第6回問6]

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査

当サイトでは通称、ジル資料と呼んでいますが、労働政策研究・研修機構で発行している資料で、キャリア理論とカウンセリング理論がわかりやすくまとめられており、おすすめです。PDFファイルは無料でダウンロードでき、移動時間等の学習に役立ちます。

3.×:人生の出来事の視点から見た「トランジション(転機)」への対処プロセスを提唱したのは、シュロスバーグである。【渡辺先生①P130、②P188】なお、第6回では同じ文章の選択肢が出題されている。[第6回問6]

4.×:キャリアをとらえる「外的キャリア」、「内的キャリア」という2つの軸を提唱したのは、シャインである。【渡辺先生①P115、②P157】なお、同じ文章の選択肢が第4回、第6回でも出題されている。[第4回問8、第6回問6]

参考文献・資料

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ渡辺 三枝子著(ナカニシヤ出版2018年) 

キャリアコンサルタント学科試験テキスト&問題集原田政樹著(翔泳社2019年)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

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