第13回問16~問20の解き方

第13回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問16.職業能力の開発の知識

 問17の能力開発基本調査と並ぶ最頻出資料である、平成30年版労働経済の分析からの出題です。もしも資料に目を通していなくても、それぞれの文脈から、選択肢4の内容が仲間外れであることがわかります。労働生産性の向上が課題であり、その克服のためには能力開発への投資が重要であることが要旨といえるでしょう。

 平成30年版労働経済の分析

1.○:能力開発の実施率とその後の労働生産性の増減率との関係をみると、能力開発全般・OJT限定・ OFF-JT限定ともに実施率が上位のグループほど労働生産性が高まる傾向にある。【P85】

2.○:我が国のOJTの実施率をみると、男性が 50.7%、女性が 45.5%となっており、OECD平均と比較すると、男性が 4.4%ポイント、女性が 11.5%ポイント低くなっている。【P86】

3.○:労働者の能力不足に直面している企業の割合は、OECD諸国の中で我が国が81%と最も高い水準となっている。【P87】

4.×:GDPに占める企業の能力開発費の割合について、2010~2014年の当該割合の水準について比較すると、米国が2.08%、フランスが1.78%、ドイツが1.20%に対して、日本が0.10%となっており、日本が突出して低い水準にある。【P89】

問17.職業能力の開発の知識

 こちらも最頻出資料の「能力開発基本調査」からの出題です。平成31年3月に発表された、平成30年度版からの出題です。いずれの選択肢もこれまでに出題された内容であり、確実に得点にしたい問題です。

 平成30年度能力開発基本調査

1.×:「処遇に関連づける」又はそれに近いとする企業は、正社員で79.4%、正社員以外で66.6%であり、いずれも過半数を越えている。【P5】なお、職業能力評価の処遇への関連づけは、これまでにも第9回(正社員以外)、第12回(正社員)で出題されている。[第9回問17、第12回問16]

2.×:教育訓練対象者は全体重視(又はそれに近い)か、選抜重視(又はそれに近い)かでは、全体重視(又はそれに近い)の方が多い。【P6】[第6回問16、第9回問17]

3.○:「OJT」か「OFF-JT」かでは、正社員、正社員以外ともに「OJT」を重視する企業の方が多い。【P6】[第1回問17、第6回問18、第7回問17、第8回問17、第9回問17、第12回問16】

これまでに多くの出題のある、OJTかOff-JTか?皆様の職場での実感でも、OJT重視ではないでしょうか。ちなみに、OJT重視又はそれに近いとする企業の割合は、正社員で73.6%、正社員以外で76.8%であり、いずれも高いです。【P6】

4.×:教育訓練休暇制度を導入している企業は、9.4%で1割にも満たない。類題が第12回に出題されている。【P12】[第12回問17]

問18.職業能力の開発の知識

 企業におけるキャリアコンサルタントに期待される役割の一つとして、職業能力開発推進者の役割があります。これまでの出題は多くないものの、これからは頻出項目になる予感です。また、現在は有資格者の必置義務はないものの…、という予感もしています(もちろん私見です)。参考資料としているPDFを一読しておきましょう。

1.×:職業能力開発推進者の設置は義務ではない。事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、「職業能力開発推進者」を選任するように努めなければならない。【職業能力開発促進法第十二条

2.○:職業能力開発推進者は、「キャリアコンサルタント等の職業能力開発推進者の業務を担当するための必要な能力を有する者」から選任するものと規定された。これについては、厚生労働省のリーフレットがわかりやすい。【厚生労働省:PDF

3.○:上記のリーフレットにも明記されている。他には職業訓練や職業能力検定に関する相談・指導や、労働者へのキャリアコンサルティング等が明記されている。【厚生労働省:PDF

4.○:上記リーフレットにも明記されている。人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇付与コース)の利用にあたっては、職業能力開発推進者の選任が要件となっている。【厚生労働省:PDF

問19.人事管理及び労務管理の知識

 学びの技法、形態に関する出題です。初出で珍しいタイプの問題ですが、同じような珍しいケースとしては、かつて「ワークショップで用いられる手法」が問われたことがあります。[第5回問33]

1.○:討議法は、学習を深め、共通理解を得たり、問題解決にあたる場合に、「話し合い」を用いる方法である。【コトバンク

2.×:eラーニングはパソコンを利用した学習のことである。【コトバンク】集合研修よりむしろ、個人学習や、集合研修前後の自己学習に有効である。

3.○:研修手法のひとつであり、役割演技法ともよばれる。【コトバンク

4.○:自由な雰囲気で他を批判せずに参加者が自由に意見を述べて、アイデアを出し合う思考法である。【コトバンク

問20.人事管理及び労務管理の知識

 コース別雇用管理は、職種や資格等によって、その仕事の内容や責任の範囲等に基づき、複数のコース(例:総合職や一般職)を設け、コース別に雇用管理を行う仕組みのことであり、大問としての出題は初めてです。男女雇用機会均等法に照らして適切かどうかがポイントです。資料にはページ数の記載が無いため、○ページ目としています。

 コース別雇用管理の留意点

1.×:男女別で選考基準や採用基準に差を設けてはならないが、男女同じ数を採用しなければならないということではない。【資料2ページ目】

2.×:総合職は男性のみ、一般職は女性のみといった制度をつくることは不適切である。【資料2ページ目】

3.×:一切できないではなく、「合理的な理由なく」転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすることは不適切である。【資料3ページ目】

4.○:雇用管理ごとに見て、女性の割合が4割を下回っている場合には、格差解消のための積極的取組(ポジティブ・アクション)が望まれる。【資料5ページ目】ポジティブ・アクションの類題は第9回に出題されている。[第9回問21]

参考文献・資料

平成30年版労働経済の分析(PDF)

平成30年度能力開発基本調査(PDF)

コトバンク

コース別雇用管理の留意点(PDF)

厚生労働省

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