第13回問31~問35の解き方

第13回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問31.カウンセリングの技能・知識

 マイクロカウンセリングの技法は、文章表現には若干のアレンジがある場合もありますが、福原先生の著書が出典と思われる出題が多く、定期的に出題されています。大問として出題された回を紹介しておきます。[第1回問30、第6回問31、第8回問40、第10回問29、第12回問33]

マイクロカウンセリング技法-事例場面から学ぶ-

本書には、良い例、悪い例の逐語録やDVD(面談ロープレ)が収載されており、論述対策、面接対策にも活用でき、おすすめです。

1.○:かかわり行動は、視線、身体言語、声の調子と言語的追跡からなり、非言語的なものも多く、これらは文化によっても異なる。【福原先生P6】

2.○:基本的傾聴の連鎖は、かかわり行動を土台にして「聴く」技法であり、開かれた質問、閉ざされた質問、クライエント観察技法、はげまし・いいかえ・要約、感情の反映を適宜連鎖的に行うことをいう。【福原先生P8】

3.○:マイクロカウンセリングの特徴には、傾聴、肯定的資質、関係性、意図性、トレーニングがある。選択肢の文章は、意図性の内容として正しい。【福原先生P4】

4.×:積極技法には指示、論理的帰結、解釈、自己開示、フィードバック、助言等がある。文章のようなクライエントの積極性を促すことではなく、相手の問題解決を促す技法である。また、積極技法ではなく、はげましは、基本的傾聴の連鎖の一つである。【福原先生P12】[第12回問33]

問32.カウンセリングの技能・知識

 理解が難しい自己一致ですが、本問の仲間外れを見つけることは比較的容易でした。カウンセラーも人間だもの…。なお、これまでに自己一致は、選択肢での出題以外では、第10回に大問として出題されています。[第10回問35]

1.○:自己一致は、ありのままの自分を受容していることである。【木村先生④P43、⑤P43】

2.○:自己概念と経験が一致している状態を自己一致の状態という。【木村先生④P43、⑤P43】

3.×:カウンセラーが純粋であること、自己一致していることは大切であるが、常に自己一致しなければならない、というのは言い過ぎである。

4.○:心理的に安定しており、ありのままの自分を受容していることが大切である。【木村先生④P43、⑤P43】

自己一致について、わかりやすいエピソードとともに学べる論文がありましたので紹介します。自己一致のほか、ロジャーズがカウンセラーの基本的態度とした、共感的理解や無条件の肯定的関心もわかりやすく説明しています。是非移動時間などにご一読ください。

 傾聴とフォーカシングの臨床心理学(池見 陽、1996年)

問33.カウンセリングの技能・知識

 ナラティブとは「語り、物語」のことであり、ナラティブ・アプローチの確立には、心理療法家のエプストンとホワイトが関わり、キャリア理論においてはサビカスが取り入れています。難しい問題ですが、仲間外れを探しましょう。なお、ナラティブとホワイトの組み合わせは過去に出題があります。[第9回問32]

1.×:ナラティブ・アプローチにより語られた内容は、「物語的真実」であるため、客観的な、歴史的な事実とは異なる場合もある。【渡辺先生①P192、②P103】

2.○:「キャリアストーリーを語ることは、個人にとっての意味を作り出し、将来を形作るための能動的な試みである。」【渡辺先生①P191、②P103】

3.○:ナラティブ・セラピーにおいては、社会通念(ディスコース)や専門的知識を一旦、脇に置き、カウンセラーは、クライエントの内的世界に対して好奇心を持ち続ける。【ジルP158:PDF

4.○:認知療法とナラティブ・アプローチは、認知や解釈を変容させるという点で類似しているが、認知療法が「認知のゆがみ」を解決するのに対し、ナラティブ・アプローチは、クライエントにとって望ましいストーリーを著述させることで、問題が問題ではない状態にすることを目指すものである。【ジルP157:PDF

問34.カウンセリングの技能・知識

 第12回に続き、認知行動的アプローチ(認知行動療法)に関する大問が出題されました。[第9回問35、第12回問30]

1.○:認知行動的アプローチの内容として適切である。認知行動療法は、「カウンセラーとクライエントは問題解決のために積極的に共同作業を行う。」【ジルP126】

2.○:認知行動療法は、認知(考え)と行動の両面からクライエントの抱える悩みや精神的な問題に取り組む方法である。【ジルP126】

3.×:問28でも出題された内観療法は、吉本伊信により開発された自己探求法、心理療法である。身近な他者について、してもらったこと、して返したこと、迷惑・心配をかけたことについて、記憶を回想する(内省する)ことで気づきを得る方法である。選択肢は、内観療法の説明ではなく、認知行動療法の説明といえ、内観療法の説明としては適切ではない。【参考サイト:(一社)日本臨床心理士会

4.○:エリスの論理療法は、認知行動的アプローチに含まれる。論理療法は、クライエントの非論理的な信念を論理的な信念に置き換えることを目標としている。第1回試験で論理療法の大問が出題されている。[第1回問26]【木村先生④P46、⑤P46】

問35.カウンセリングの技能・知識

 カウンセリング場面の「構造化」という言葉は初めての出題でしたが、支援の基本姿勢からアプローチしましょう。

1.○:カウンセリングの目標や限界を説明することは適切である。

2.○:カウンセリングに対する方針や考えを伝えることは適切である。

3.○:時間、場所、回数を設定することは適切である。

4.×:時間配分や応答パターンは事前に決められるものではない。

参考文献・資料

マイクロカウンセリング技法福原眞知子著(風間書房2015年)

傾聴とフォーカシングの臨床心理学池見 陽、1996年(PDF)

職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(労働政策研究・研修機構2016年)

(一社)日本臨床心理士会

キャリアコンサルティング理論と実際5訂版木村周著(雇用問題調査会2018年)

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