第17回問11~問15の解き方

第17回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問11.カウンセリングに関する理論

 認知行動療法は、人により異なる、物事の受けとめ方(認知)に着目して、その認知から生じている、認知の歪みや誤り(思い込み)などを修正する治療法です。

参考資料としてはジル資料(P126〜)がありますが、本問の直接の出典は不明です。認知行動療法の特徴を整理しながら消去法でアプローチしましょう。

1.○:不快な気持ちにおそわれたとき、イライラするとか、胸が重たくなる、苦しくなるといった心身の変化があるが、それはその人の受け止め方(認知)が影響していると考えるのが認知行動療法であり、その根拠を考えてもらうことは適切である。

2.○:認知の歪みは、その人固有の思い込みとも言える。そのため、実際にそれが現実化する可能性があるのかを確認していくことは適切である。

3.×:抑圧された欲求(例えば無意識の欲求など)や抵抗(例えば防衛機制など)を分析することは、認知行動療法ではなく、フロイトなどの精神分析療法の特徴を思わせる。

4.○:認知行動療法は、人間の物事の捉え方・出来事の認識の仕方(認知)に着目し、より役に立つものへと変容させていくことをねらいとしている。【ジルP129】

問12.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 官公庁が公表している資料や調査結果の中で、最も出題されている能力開発基本調査からの出題です。

2021年6月下旬に「令和2年度調査結果の概要」が公表されましたが、令和2年度調査の結果も追記しました。他の過去問解説についても、順次加筆します。

資料の出題タイミングは判断が難しいものの、第18回以降の試験では、令和2年度の出題可能性が高いといえるでしょう。

 令和元年度能力開発基本調査

 令和2年度能力開発基本調査

1.○:仕事をする上で自信のある能力・スキルがある常用労働者の割合は、81.8%であり、正社員では85.8%、正社員以外では74.9%と正社員を下回っている。【令和元年度P36 】

【大きな変更なし】仕事をする上で自信のある能力・スキルがあると回答した割合は、労働者全体で86.7%であり、正社員では90.2%、正社員以外では80.7%である。【令和2年度P36】

2.×:自信のある能力・スキルの内容については、正社員も正社員以外も「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が最も多い。【令和元年度P36】

【変更なし】自信のある能力・スキルの内容については、正社員も正社員以外も「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が最も多い。【令和2年度P36】

3.○:今後、向上させたい能力・スキルがある常用労働者の割合は89.5%であり、正社員では93.3%、正社員以外では 82.8%となっている。【令和元年度P36 】

【大きな変更なし】向上させたい能力・スキルがあると回答した割合は、労働者全体で 91.5%であり、正社員では94.6%、正社員以外では86.2%となっている。 【令和2年度P38】

4.○:向上させたい能力・スキルの内容については、正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ 」が最も多く、正社員以外では、「ITを使いこなす一般的な知識・能力(OA・事務機器操作(オフィスソフトウェア操作など))」が最も多い。【令和元年度P38】

【変更なし】向上させたい能力・スキルの内容については、正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ 」が最も多く、正社員以外では、「ITを使いこなす一般的な知識・能力(OA・事務機器操作(オフィスソフトウェア操作など))」が最も多い。【令和2年度P38】

問13.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 頻出の職業能力開発基本計画の出題ですが、2021年3月末に公表された第11次計画ではなく、対象期間を終えた第10次計画からの出題はとても意外でした。そして、その内容も細かな内容で判断が難しく、正答を導くことができなくてもやむを得ない問題でした。

 第10次職業能力開発基本計画

1.×:企業内において高度なIT人材を育成するために、キャリア形成促進助成金等により、IT業界と企業が連携した雇用型訓練を通じた実践的な人材育成を推進する。【P12】

2.○:職業生活の節目において定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を設定するセルフ・キャリアドックの導入を推進するため、導入マニュアルの作成や、導入・実施する事業主に対する支援や好事例の周知等を行う。 【P13】

3.○:新たな場での活躍を期する中高年に対して、今までの経験・能力に足りない知識や技能を付与するとともに、意識の見直しも必要という視点から、経験交流会など再就職に向けた準備支援を含めた新たな職業訓練コース等の支援策の開発・検証を実施する。【P15】

4.○:正規雇用の経験が少ない者を安定した雇用に結びつける効果的な方策である、雇用型訓練の更なる実施の推進を図る。 さらに、離職した非正規雇用労働者の就職を促進するため、求職者支援訓練等を活用した職業能力開発を行う。 【P16】

第18回以降の試験では、2021年度からの新たな職業能力開発基本計画の出題可能性が高いでしょう。第11次基本計画の内容をよく確認しましょう。楽習ノートプラスでも、まとめや問題を掲載しています(一部会員限定公開)。

 第11次職業能力開発基本計画

問14.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識

 平成30年度年次経済財政報告からの出題は第15回問13に続き2回めです。正答選択肢の内容は、第15回でも、同資料の同じ章からリカレント教育(学び直し)に関して出題されていますので、資料の該当箇所の一読(約10ページ)と併せて復習しておきましょう。[第15回問13

 平成30年度年次経済財政報告「社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップ

1.×:企業が行う人的資本投資額のうち直接費用に関しては90年代以降現象傾向であり、諸外国と比較しても低い水準となっている。【P178】

2.○:自己啓発が年収に与える影響について、2年後における効果をみると、自己啓発の内容によらず有意な結果となっている。【P180】

3.○:社外人学生がどのような分野を専攻しているのか調べると、保健(医学、歯学、薬学)、社会科学、工学の順で高い割合を占めている。【P182】

4.○:学び直しをして習得したい知識・技能・資格等については、専門的な知識を得たいとする回答割合が7割程度あり最も高くなっている。【P182】

問15.企業におけるキャリア形成支援の知識

 教育訓練給付金に関する大問(選択肢4つ分の問題)は第2回試験以来でした。教育訓練給付金は、一般、専門実践、特定一般の3種類あるため、それぞれの支給額や手続き等について整理しておく必要があります。拙著テキスト&問題集をお持ちの方は、P72、73(第2版)を確認しましょう。

また、ハローワークインターネットサービスに、制度に関連する情報が掲載されています。

ハローワークインターネットサービス(教育訓練給付制度)

1.×:WEBの「検索システム」があり、ハローワークインターネットサービスからもシステムへリンクしている。【教育訓練給付制度検索システム

2.×:一般教育訓練給付金の支給額は、教育訓練経費の20%に相当する額であり、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されない。

3.○:一般教育訓練給付金においては、受講開始前1年以内にキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを受けた場合は、その費用を教育訓練経費に加えることができる。

4.×:一般教育訓練給付金の支給申請は、教育訓練の受講修了日の翌日から起算して1ヶ月以内に手続きを行わなければならない。

参考文献・資料

令和元年度能力開発基本調査(PDF)

令和2年度能力開発基本調査(PDF)

第10次職業能力開発基本計画(PDF)

第11次職業能力開発基本計画(PDF)

 平成30年度年次経済財政報告「社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップ(PDF)

ハローワークインターネットサービス(教育訓練給付制度)

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